2000年後もラブソングを


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Devote breakfast to you


4


「最後にもう1度確認しておくが、」
「…」
「…」
「本当に3人で寝るのか?」


リヴァイさんが髪を乾かし、じゃあ後は寝るだけ、って時に、半ば諦めたような表情をしながら聞いてきた。


「方法は4つ。」


リヴァイさんの言葉にミカサが口を開いた(さすがにマフラーは巻いていない)


「1つ、あなたがソファで寝る。」
「却下だ。」


ミカサの第一の案はあっさりとリヴァイさんに却下された。


「2つ、私がソファで寝る。」
「それは駄目です。」


ミカサの第二の案を私が否定した。


「3つ、フィーナさんがソファで寝る。」
「テメェ、押しかけてきた分際でふざけたこと抜かすと今すぐ追い出すぞ?」


ミカサの第三の案にリヴァイさんはキレた。


「最後、3人でベッドで寝る。」
「「……………」」


だからやっぱりコレしか選択肢が残されていないわけで…。
リヴァイさんは額に手をあて、大きく大きくため息を吐いた。


「おい、お前寝相は?」
「普通です。」
「暴れたらただじゃおかねぇからな?」


ミカサに対して若干キレ気味にリヴァイさんが言い、リヴァイさん、私、ミカサの順でベッドに入った。


「や、やっぱりちょっと、狭いですね…。」
「だから無理だと言っただろうが!」
「大丈夫です。私が少し大きいですが、フィーナさんもその人も小さいんで。」
「「…………」」


ミカサは淡々と語った後おやすみなさい、と言って、仰向けに目を閉じた。
…この子、リヴァイさんのいとこじゃなかったら、即死な気がする…。
今の中学生って、すごい…。
なんて思った時、


「!」


布団の中で、手を握られたのがわかった。
誰か、なんて、そんなの決まってるわけで。


「…………」


チラッとその人物の方に視線を投げても、もう目を閉じていて。


「………」


どきどき、どきどきと高鳴る心臓を落ち着かせようと、スーっと、息を吸い込んでその手を握り返し目を閉じた。


「…ん…」


正直眠れないんじゃないか、って思っていたけど、結構図太いらしい私は、すっかり寝入ってしまい。
夜中にフッと意識が浮上した時、目の前にリヴァイさんがいて、なんだかすっごく幸せでそのまま擦り寄るように顔を近づけると、リヴァイさんは目を瞑りながら腕枕をして私を抱き寄せてくれた。
それがすっごく、夢見心地とでも言うのか…。
今現在本当に起こっていること、と言うより、今夢見てることの延長、のように感じて、そのまま目を閉じた。




「(…寝た、か…。よくこんな狭ぇところで眠れるな、って、)」
「………」
「お前まだ起きてやがったのか…。」
「一応、」
「あ?」
「私がいることを忘れないでくれとお願いしておくのを忘れたと思って。」
「……」
「間違っても私の隣で発情しないでくださいね。」
「………」
「あなたのそういうところ、見たくもない。」
「そう思うなら今すぐ帰って2度と来るな。」
「…けど、」
「あ゛?」
「…本当に、変わりましたね…。」
「はぁ?」
「どーでもいいつきあいしかしてこなかったあなたが『誰か』に対して、そんなに…優しい目をする日が来るとは思いもしなかった。」
「………」
「今度、連れてきて、いいですか?エレンも。」
「………」
「きっとエレンも驚く。し、…フィーナさんに、会いたいと思う。」
「好きにしろ。…というかその前にお前、明日帰れよ?」
「…エレンが迎えに」
「来なくてもだ!」




その日、幾度となく目を覚まし、その度に、目の前にはリヴァイさんがいてくれると言うことが、本当に幸せに感じた。

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bkm

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