2000年後もラブソングを


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Devote my heart to you


3


「イザベル!!!」
「(やべぇ、すでに機嫌悪ぃ…)あ、兄貴早かったな…。」
「どういうことだ!?なんでフィーナがここにいるっ!?」
「だ、だからさぁ、さっきも言ったけど、俺が仕事行こうとしたらこの子と会ってさ。で『この子』が店来たい、って言うから連れて来て『この子が』飲みたい、って言うからカクテル出したら1杯で酔い潰れちまって寝てる、って言うか、」
「テメェ、自分が何したかわかってんだろうな?」
「…で、でも兄貴も悪ぃんじゃん!」
「あ゛!?」
「いつも女変わる度に店連れて来てたのに、この子だけ連れて来ねぇから、この子それ気にしてたっぽいし、」
「高校生をこんな店に連れて来れるわけねぇだろっ!?」
「こっ、高校生っ!!?」
「フィーナはどこだ!?」
「俺よりガキだろうとは思ってたけど、兄貴、女子高生に手出したらのかよっ!?」
「…」
「え!?兄貴いくつだっけ!!?」
「……」
「犯罪になんじゃねぇのっ!?」
「………おい、イザベル。」
「うん?」
「テメェ、顔の形変えられたくなかったらもう喋るんじゃねぇ。」
「(本気で怒ってる…)」
「それでフィーナはどこだ?」
「………」
「………」
「………」
「さっさと言わねぇかっ!!」
「う、裏っ!!(自分で喋るなって言ったくせにっ!!)」



「フィーナ!」
「…」
「おい、フィーナ!」
「……」
「チッ!」
「……………おー、どうしたぁ?」
「ファーラン。そこにリコはいるか?」
「え?リコ?いるけど?(リヴァイが『リコ』って言うの珍しいな…)」
「変わってくれ。」
「まぁ、いいけど…。おい、リコー!」
「んー?何ー?兄さん。」
「リヴァイがお前に話があるって、」
「いないって言ってー!」
「……いないそうだけ」
「居留守使ってんじゃねぇこのクソメガネッ!!フィーナのことで話があるからさっさと電話出ねぇかっ!!!」
「(思いっきり叫びやがって…)ほら、聞こえただろ?出てやってくれ(じゃないと俺の耳が…)」
「もー、めんどくさいなぁ………何?」
「フィーナが手違いで俺の知り合いに酒飲まされてぶっ倒れた。目覚めても帰せるような状態じゃねぇから、フィーナの親に電話してお前の家に泊まることにしてくれ。」
「え、嫌。」
「じゃあ任せたからな。」
「ふざけんなチビ!私になんのメリットもないじゃないかっ!!」
「……」
「だいたいお前、なんで女子高生を酒飲ませるような場所に連れて行ってんだよ!お前が悪いんだろ?」
「………」
「なんで私が尻拭いを」
「次の休みにフィーナが食いたいと言っていた駅前にある店のチーズスフレを食いに行く予定なんだが、確かお前も食いたがってると聞いた気がするんだが?」
「…」
「あの店、休日は予約ないと入れないんだったな?」
「……」
「2名分で予約入れてあるが、俺は『急遽仕事が入る』かもしれないが、どうする?」
「………うちに泊まることにすればいいんだな?」
「あぁ、任せたぞ。」
「…………フィーナちゃん、酒飲んだのか?」
「しっ!……あ、おばさん?あのさぁ、今フィーナうちに来てるんだけど、え?あぁ、うん、バイトの帰りに。でさぁ、私がちょっと席外してた間に兄さんが調子乗ってフィーナに酒飲ませちゃって、」
「(はっ!?俺が悪者!?)」
「戻ってきたら、フィーナ酔っ払って寝ちゃってて…うん、うん…だからうちに泊めようと思うんだけど、え?いや、うちは大丈夫だけどさ。…ううん、悪いのは兄さんだからフィーナは怒んないでやってくれる?」
「(俺が悪者なんだな…)」
「うん、そう…ごめんね。うん。…うん、はい、おやすみなさい。…ふぅ…」
「お前何で買収されたんだ?」
「駅前のチーズスフレ!」
「あぁ…、前から食いたいって言ってたな…。にしても、リヴァイがこんなことしなきゃならないほどフィーナちゃん飲ませるとはね。」
「いや、なんか知り合いが飲ませた、って言ってたけど?」
「知り合い、って……………アイツ、イザベルの店連れてったのか?」
「イザベル、って、言葉遣い悪いけど顔も体もすごいって噂のオネーサン?」
「どういう認識だ…間違ってない気もするけど…。イザベル、バーテンしてんだよ。」
「へー。」
「フィーナちゃん、高校生だからまだ連れて行かないと思ってたけど、連れて行ったんだな。」
「『まだ』?『まだ』って何?」
「あぁ、イザベルがリヴァイのこと『兄貴』って言って慕ってて、リヴァイもまんざらでもないみたいでさ。俺とリヴァイの関係とはちょっと違う絆、っていうかがある2人なんだよ。…いつだったか偶然リヴァイが女連れてる時にイザベルに会ったらしく、その時にリヴァイの連れの女が何か言ったらしいんだよな。高校中退して口も悪いイザベルのことをわりとボロクソに。それにキレたリヴァイはその場でその女と別れたってことがあってな。以来リヴァイはつきあう女をイザベルと会わせてイザベルを悪く言うような奴だったらすぐバイバイってわけ。」
「…へぇ…」
「アイツ、あぁ見えて義理堅いって言うか、仲間思い、っていうか、そういうところあるだろ?」
「…」
「だから自分を兄貴って慕うイザベルをボロクソ言われるのは聞き捨てられなかったんだろうな。そのイザベルがバーテン始めてから、女出来たらイザベルの店に連れてってたようだったけど、フィーナちゃんはまだ未成年だからなぁ?」
「フィーナの性格上、そのイザベルさんを悪く言う前に、イザベルさんに会わせてもらえなかった自分に打ちひしがられてるけどね。」
「ははっ。あの子らしい。…まぁ、だからこそ、急いでイザベルに会わせなくても、って、思ってたんじゃないかなぁ、と。」
「…ふぅん…」




「気がついたか?」


トイレに行きたくなって、むくりと起き上がった。
起き上がった、って、ことは、私、寝てた…ん、だ…?
とりあえずふらふらとトイレに行くと、ここがリヴァイさんちだと言うのがわかった。
あれー?なんでここにいるんだっけ?リヴァイさんのことを考えながらお酒飲んだから、夢に出てきたのかな?なんて、そんなこと考えながら、またふらふらと部屋に戻って行った。
部屋に戻ると、ローソファに座るリヴァイさんがいた。
リヴァイさんの正面のテーブルの上には、お酒が置いてあり、それを飲んでいるようだった。
あぁ、リヴァイさんだ、リヴァイさん…。


「りばい、さん。」
「あ?」


−見た目も性格も派手?−
−いかにもー!って感じのフェロモン撒き散らしてそうな奴らだったかなぁ?−
−まぁ間違っても地味に本屋で働こう、って感じの奴らじゃなかったよなぁ−
−女変わるたびに連れて着てたけど?それがぱったり来なくなったからどーしちまったのか、って思ってたんだよな−


「わたしのこと、すきですか?」

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