2000年後もラブソングを


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Devote my memories to you


5


「よぉ、ちゃんと人入ってるかー?」
「(ん?)」
「(…この声…)」
「先生、大丈夫ですよ。」
「そうかそうか、ちゃーんと売上黒字にするんだぞー!」
「…マジかよ、」
「ハンネス…!」
「あ?…あー!リヴァイにファーランじゃないか!お前ら、ひっさしぶりだな!なんだなんだ、こんなところで何してんだ?女子高生ナンパでもしに来たのか?残念だな、青少年保護法と言うのがあって俺の目の黒いうちはうちの生徒には、」
「…まさかお前が担任なのか?」
「うん?」
「マジかよ、リコがやたら担任がふざけた奴だって言ってたから気にはなってたけどあんただったのか…。」
「そういやお前、リコと兄弟だったな!いっやー、兄弟揃って出来が良くて先生は嬉しいぞ!」
「どうりであのふざけた衣装が許可されたわけだ。」
「あぁ、今年の俺のクラスの衣装、可愛いだろー!女子高生が着るとまたいいよな!」
「…あんた青少年保護法はどうしたんだよ…。」
「ファーラン、お前何言ってんだ!可愛いものを可愛いと言って何が悪い!」
「…相変わらずだな、ハンネス…。」
「お前も相変わらずな背丈だな!はははっ!」
「……………」
「(さすがハンネス。リヴァイの機嫌をさらに折り曲げた)」




パタパタと喫茶店と化している教室内を動いていたら、いつの間にか、リヴァイさんたちのテーブルの前で、ハンネス先生が大笑いしていた。


「し、りあい、です、か…?」


何事かと驚いてリヴァイさんの傍に行き尋ねた。


「あー…、俺たちの元担任?」
「え?」


答えたのはリヴァイさん、ではなく、お兄さんだった。


「前に話しただろう。」


お兄さんの言葉を引き継いで、リヴァイさんがすっごい不機嫌な顔をしながら口を開いた。


「女生徒の押しに負けた担任に内申チラつかされたファーランが引き受けて文化祭でバンド組んでやる羽目になった話。」
「あ、あぁ、そう言えば前にそんなこと、」
「その元凶になった女生徒の押しに負けた担任がハンネスだ。」
「…えっ!?」


その言葉に、思わず担任のハンネス先生を見た。


「なんだ?お前とリヴァイ、知り合いなのか?」
「え!?し、しりあい、と、いう、か、」
「おいフィーナ。何かある前に、担任してた俺から言わせてもらうぞ、コイツらだけはやめておけ。」
「え?」
「あ゛?」


ハンネス先生の言葉に、明らかにリヴァイさん怒ってる声を発した。


「お前は知らんかもしれんが、コイツらは確かに顔も良いし勉強の出来も良かったがそりゃーもう、女取っ替え引っ替え手癖の悪い奴らでなぁ、」
「おい、ハンネス。テメーあることないこと言ってんじゃねぇぞ。」
「そうそう!手癖悪かったのはコイツ!俺は普通!」
「…ファーラン。」
「………て、言うのは冗談で、俺たち真面目な高校生してたじゃねぇか!」
「はぁ!?お前らが『真面目な高校生』?よっく言うぜ!お前らなぁ、お前らが卒業してからどのくらい経ってると思ってるんだ!なのに未だお前らのことハッキリ覚えてるくらいなんだぞ!?俺がお前らに食っては捨てられ放課後泣いていた女生徒を何人見たことか!」
「適当なこと言ってんじゃねぇ!」


怒鳴るリヴァイさんに怯むことなく昔話をするハンネス先生。
…………リヴァイさんがモテる人だと言うのは知っている。
そして私の前に彼女さんがいたのも知っている(それも1人や2人じゃなく)
…知ってる、けど…。
ちょっと、どころかもしかしたらかなり、今のハンネス先生の言葉にモヤっとしたのは確かだった。


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bkm

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