2000年後もラブソングを


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Devote your life to me


1


まさか自分が…くらいに思っていた。
それでも昨夜から感じていた予感は的中し、


「インフルエンザですね。」


人生初と言うほどの高熱とそれによる節々の痛みは、見事インフルエンザの印を押された。
…昨夜から突然高熱が出て、そんな気がしていなかったわけではないが、今朝仕事を休んで病院に来てみたら、まさか本当にインフルエンザだったとは…。


「5日間はお仕事休んでくださいね。」
「…いや、5日も休むと、」
「お仕事されてる方は皆さんそう言いますが、治りかけで仕事に行って同僚にうつされる方が迷惑ですよ?」
「…」


朦朧とする頭で、看護師から説明を受ける。
突然の欠勤に申し訳ないなど思う前に、ただただ、帰って寝たかった。


「ゲホッ、ゲホッ…」


薬を受け取り、自分でもはっきりとわかるほどフラフラと彷徨うかのような足取りで家路につく。
病院からマンションまでの距離が今日いきなり伸びるわけがねぇのに、異常なほどマンションまで遠い気がする…。
あぁくそ、タクシー使えば良かった、などと考えながらマンションの自室に着た。
…ところで、


「…食い物買ってねぇ…。」


診察前までは確かに頭にあったはずの「帰る前にスーパーに寄る」を綺麗に忘れていたことに気がついた。
今からスーパーに行くという選択は今日の体調ではないものだ。


「…」


じゃあ誰かを呼ぶかと思ったところで真っ先に脳裏に浮かぶ奴が1人。
だが…


「うつすわけには、いかねぇよな…。」


朦朧とする頭で、真っ先に却下されるのもソイツなわけで…。
吐き出す息すら熱を持たせながら、普段面倒見てやってるいとこのミカサに電話した。


「はい。」
「なんか食い物とポカリ買ってうちまで来てくれ。」


体は痛ぇし、熱で朦朧とするしとにかく手短に話したい俺としては、要件だけ伝えたわけだが、


「何故?」


当然ミカサに聞き返された。


「インフルエンザになった。怠くて家から出られねぇが、食い物がない。買ってきてくれ。」
「週末テストなんで嫌です。」


正直に現状を伝えたら、ミカサはいとも簡単に切り捨てる発言をしやがった。


「…お前、普段誰が面倒見てやってると、」
「フィーナさんに頼めばいいじゃないですか。」
「駄目だ。」
「何故?」
「アイツにうつったら俺が困る。」
「………私にうつったらエレンが困ります。」
「困らねぇだろ。あぁ、お前が嫌なら、」
「エレンにも言わないでください。」


言うだけ言って、では、と電話を終わらせたミカサ。


「…チッ!あのクソガキ…!」


暗くなったスマホ画面を見ながら悪態をつくものの、テストなら仕方ねぇような気もしなくもない。
ミカサが駄目だとすると、とLINE画面をスクロールしタップした。


『インフルエンザになった。お前医者だろ?インフルエンザに効きそうな奴持ってきてくれ』


旧知の仲であるファーランにそう送信した。

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bkm

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