2000年後もラブソングを


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Devote my heart to you++


6


「リ、ヴァイ、さん、は、」
「うん?」


そのままの流れで気がついたらベッドで仲良くしていた私たち。
しかも久しぶりだからか、激しかった、と、言うか…、いつも以上に体のダルさが際立っている気がするのは気のせいだろうか…。
ちょっと肌寒い気温の中、インナーだけの格好で、少し体温の高いリヴァイさんにピッタリとくっついて毛布に包まっていた。


「なん、の、話、だったんです、か…?」
「あぁ、それか。」


あの女の人がハンジさんであるのはわかった。
別れ話も私の盛大な誤解であることもわかった。
じゃあ何の用で私は呼ばれたんだろう…。


「お義母さんから聞かなかったか?」
「え?ママ?」


現在リヴァイさんの腕枕中。
私は少しの肌寒さからリヴァイさんの方を向いてピッタリくっついているけど、リヴァイさんは仰向けに寝ていたため、瞳だけチラリ、とこちらに動かした。


「ここのところ忙しくて時間が取れなかったからお前を連れて旅行したいんだが泊りがけでも大丈夫か確認を取った。」
「…え!?」


リヴァイさんの言葉に思わず体を起こし、リヴァイさんの方に、さらに身を乗り出した。


「あの人は俺たちのことに賛成しているし、2つ返事でOKをもらった。」


なんてママらしいんだろう…。
私まだ女子高生なのに…、なんて、リヴァイさんの話を聞きながら思った。


「ただ、」
「はい?」
「お義母さんの話だと、フィーナはバイトで失敗したのか俺と会えないと言うことの他に近頃元気がないようだ、と聞いていた。」


そこまで言うと、ゴロン、と仰向けから私の方へと体の向きを変えて、軽く体を起こしていた私を再び自分の方へと抱き寄せた。


「まぁ、今となってはハンジをどこぞの女だと認識したお前の早とちりだったわけだが、」
「…」
「お義母さんから話を聞いた時は、お前が俺に何も言ってこないことが腑に落ちなかった。」


そう言いながら、リヴァイさんは私の額に口づけた。


「さっきも言ったが、」
「は、い?」
「そうなる前に甘えてこい。」


そう言って私の髪の匂いを嗅ぐかのよう鼻をつけてきた。


「で、も…、」
「うん?」


リヴァイさんの声は、ひどく優しい。


「わが、まま、と、」
「…」
「紙一重、じゃ、ないです、か…?」


ピタリとくっついた体から伝わる温もりも、ひどく優しかった。


「フィーナ。」
「はい?」
「お前には俺が、お前の我儘1つ聞いてやれねぇような男に見えてるのか?」


そう言われて、顔をあげチラリ、とリヴァイさんの顔を見遣った。


「そ、んなつもりじゃ、」
「お前の我儘くらい『可愛いもんだ』と聞いてやる。」


コツン、と、リヴァイさんは私の額に自分の額をつけた。


「でも、」
「うん?」
「リヴァイさん、は?」
「あ?」


その額を離し、リヴァイさんの瞳を正面から見つめた。


「だ、って、私だけ、甘えてる、のは…、」
「………」


私の言葉にリヴァイさんは一瞬口を開きかけたけど、そのまま何も言うことなく閉じて、目を伏せた。
そしてフッと小さく笑った。


「俺ならもう十分甘えてる。」
「え?」


そう言うだけ言うと、お互いの顔が見えなくほどキツく抱きしめられた。


「お前、リコといる時に俺を見たのか…。」


その後小腹が空いたと言ったリヴァイさんの言葉に2人起き上がって、何か食べようと準備し始めた。


「はい。2人で買い物した後でカラオケに行ってて、」
「…」
「どうかしました?」


私の言葉に、リヴァイさんが少し考え込むような素振りを見せた。


「あぁ…。『だから』ファーランがわけわからんことをごちゃごちゃと言ってきたのかと思ってな。」
「え?お兄さん?」
「やたらヤバいだなんだと連呼してて俺も酔ってたし煩ぇと言って電話切ったが。」
「…それ、謝った方が、」


そうか?とリヴァイさんはなんでもないだろ、とでも言うかのように呟いた。


「あぁ、これだ。」
「はい?」
「いくつかパンフレットもらってきたからどこに行きたいか決めてくれ。」


小腹を満たした後で、そう言いながらリヴァイさんはパンフレットをテーブルの上に乗せた。
自分が行ってみたいと思っていた場所だそうだ。


「わ、たしは、」


そのパンフレットには海もあれば、山もあり。
食事が美味しそうな場所もあれば、温泉を推しているような場所もあった。


「リヴァイさんと行けるなら、全部行ってみたいです!」
「…ま、順番に、だな。」
「はい!」


すぐにじゃなくても、いつか、この人と行ってみたい。
心からそう思った。



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bkm

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