2000年後もラブソングを


≫Clap ≫Top

Devote my heart to you++


1


「フィーナ。」
「はい?」
「仕事が忙しくなる。しばらく時間を作れないと思ってくれ。」


それはいつものお家デートをしてた時のこと。
なんでもリヴァイさんの会社で新プロジェクトが立ち上がり、サブリーダーになったリヴァイさんはそのプロジェクトが軌道に乗るまでかかりっきりになる、って話だった。


「どこもそうだが、トップは最終的な尻拭いだけで、実際に動くのは2番目3番目以降だからな。」


リヴァイさんが珍しくポツリ、と独り言のようにぼやいた。


「どのくらいかかりそうなんですか?」
「そうだな…。まぁ順調にいけば1ヶ月だが、だいたい2ヶ月くらいかかると思ってくれ。」
「にかげつ…。」


事もなげリヴァイさんは言ったけど、実際2ヶ月って長い気がするんですが…。
…なんて思っていても、


「頑、張って、ください、ね。」
「あぁ。」


リヴァイさんは「仕事」なわけで、そんなこと言っちゃいけない気がして、思っていることとは違うことを口にした。


「ん?なんだ、お前週末のバイト、フルに入れていいのか?」
「あ、はい。今月は、入れます。」


リヴァイさんの話だと、平日は残業当然で、週末も休日出勤つきそうだし、日曜休みの日も家に書類持ち帰ってこなければいけないかも、ってことだし、本当に会えなそうで…。
でもその間うだうだうじうじしているのが嫌で、さっくりとバイトを入れることにした。
お金も貯まるし、スケジュールも埋まるし一石二鳥…!なんて思っていた。


「リヴァイさんが、前に、見たいって、言ってた洋画のレンタル、始まりました、ね。お仕事落ち着いたら、一緒に見ましょうね、と…。」


会えなくなって早10日。
会えないならせめてLineのやり取りくらいは…、と思ってメッセージを送るんだけど、


キンコン


「あ、Line着た!えぇ、っと、…『そうだな』だけって…。」


それがむしろ自分の首を絞めてるような気もしなくもなくなってきていた…。


「フィーナー!ねぇねぇ、土曜日さー、」
「んー?」
「…元気ないな、お前。」
「んー…。」


別に本当にリヴァイさんは仕事で忙しいだけだ。
遊びで、とか、まして浮気、とかじゃない。
………ん、だけ、ど。


「Lineくらいは、とか、ね…。」


せめてもうちょっと、文章考えて送ってくれないなかな、って思う。


「アイツ元々長文で返信しなそーじゃん?」
「…まぁ、そうだけど、さ。」


私の言葉に、


「プラス疲れて返信する気力もないんじゃないの?」


リコちゃんが珍しくリヴァイさんの擁護に回った。


「…リコちゃんがそういうこと言うの珍しいね。」
「んー…、私はさ、兄さん見てるから。」
「リコちゃんのお兄さん?」
「うん。兄さん結構マメなのに、研修とかで疲れてるとそもそもスマホの電源切って家でスマホとか煩わしい情報来そうなものは見ないようにしてるから。」


だからなんとなくアイツの気持ちはわからなくもない、ってリコちゃんは言った。


「煩わしい情報…」
「あ!別にフィーナのメッセージが煩わしいとかじゃなくて、」
「…わかってるよ。」


リコちゃんの言葉に思わずズシン、と胸に何か着た気がした私。
それにいち早く気がつきフォローを入れようとしたリコちゃん。
に、気づき苦笑いしながら返事した。
そう、わかってる。
…………ん、だけど、ど、


「実際煩わしいとか思われてるかもって思ったら、メッセージも送れない…。」


自分に圧倒的に自信のない私は、親友の何気ない一言がズシリと心に残り、自分からリヴァイさんにLineメッセージすら、送れなくなった…。



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bkm

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