2000年後もラブソングを


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Devote early summer to you+++


3


「食べないのか?」


今現在公園のベンチに座っているわけだけど、「腰を抜かした」って表現がまさに!って思うほど、呆然としていたことを覚えている。


「…なんだ、そんなに『良かった』ならもう1度してやろうか?」


今思うと、この時のリヴァイさんは絶対私の反応を楽しんでた!って断言出来る。
だけどそんなこと思うゆとりがない当時の私は、


「や!」


もう1度頬に添えられた手を振り払った。


「…」


リヴァイさんは、ぺちん、と音を立てて振り払われた手をやや驚いた顔しながら見ていた。
そして、


「…」


無言で私を見てきた。


「そ、いう、ことはっ、」


この時自分の顔が赤かったのか青かったのか…。
いろんな感情を織り交ぜる自分自身がわからなかった。


「好きあってる人たちが、ちゃんとつきあってからするものですっ!!」


ただ、一気にいろんな感情が巻き起こって、すでに泣きそうになっていたのは覚えている。


「…」
「…」


その「泣きそう」な部分を泣かないようにするため、唇を噛んでいた私と、何考えているのかわからないリヴァイさんの間に、長いようで短い沈黙が広がった。


「お前に聞きたいんだが、」


その沈黙を破ったのはリヴァイさんだった。


「お前には俺が好きでもない女にキスするような男に見えてるわけか?」
「え?」


俯いて唇を噛んでいた私は、その言葉に驚いてリヴァイさんを見ると、ジーっと横目でこちらを見ていた。


「大体にして、だ。」


私と目があった直後、フッと目を逸らし、公園内に目を向けたリヴァイさん。


「お前、俺が何とも思ってない女の受験勉強、無償で週に2回も3回も見てやってたと思ってるのか?」


怒っているわけではない。
ただ、凄く。
物凄く呆れたようにリヴァイさんは言った。


「しかもその間他の女と遊ぶこともせず、だ。」
「…」
「つきあうかどうかわからんような女相手に、俺がそこまでしてやるとでも思っていたのか?」


両肘を腿のあたりに乗せ足の間で手を組み、前のめりに座っていたリヴァイさんは、再び私を見やった。
………え、えぇーっと、それってつまり?
リヴァイさんの今の会話からすると、リヴァイさんはとっくに私を好きだったと言うことになって?


「俺はお前に以前言ったはずだ。『この続きは卒業してからだ』と。」


好きだった、と言うことになって…?


「その時にお前は『はい』と言ったわけだが、その言い分からするとお前はつまり、つきあってもいない男とキスやそれ以上のことをするつもりだった、と言うことか?」
「そんなことは!」


リヴァイさんに対して、思わず否定の言葉を口にしていた。


「じゃあつまりそういうことだ。」


淡々と。
物凄く淡々と、それはまるで今までの勉強を教えている時と同じかそれ以上に淡々と言われた。
この時の私の脳内は「!?!?!?!?!?」と言うものから一転「????????」になっていたと思う。
今のリヴァイさんの話を自分なりに解釈すると、つまりリヴァイさんも私もそりゃあもうとっくに両想いだったどころか、リヴァイさんの中では若干つきあっていたような感じの部分があるわけで?


「そ、なん、です、ね…?」


それっておかしくないですか?と言いたいのは山々だったけど、振り絞って出たのはその一言(しかも疑問形)だった。
それに対して


「あぁ、そうだ。」


あっさりと肯定文を返してきたリヴァイさん。
だからもう「そうなっていたんだ」と思うしかなかったんだと思う。
高校の合格発表があった日、人生で初めて男の人とキスをした(しかもいきなりディープだった…)と同時にいつの間にか人生で初めて彼氏と言う存在が出来ていたのだと言うことを知った。



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bkm

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