キミのおこした奇跡side S


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浪花の連続殺人事件


解決。そして、


「なんでこの人、左手に手錠2つもしてるの?」


しばらくしてあおいの胸、あ、いや、腕から解放された。
…どーでもいいけど、アイツ背全く伸びてねぇのに、なんで胸だけ成長してんだよっ!
ハワイで溺れかけた時よりも絶対デカくなってるっ…!
そりゃあ俺的にはないよりあった方が、って、今そんなこと言ってる時じゃなくてだな…!
なんて邪念をどうにか頭の隅に追いやった俺は、連行される沼淵を見て疑問を抱いた。


「なんや知らんけどコイツ、手錠で柱に繋がれとったんや。しゃーないからその手錠の鎖切って、俺の手錠かけ直したんやけど、」


…手錠で繋がれてた!?


「ボウズが言うてた通り、コイツ、誰かに食いもん運んでもろてたんやろな」


…待てよ?
まさか、まさか、まさか…!
持っていた沼淵が参加した合宿の卒業生たちの写真のコピーを見る。
…やっぱり!
服部がやべぇっ!!


「平次兄ちゃんが危ない!!」
「へ?」
「平次がどないしたん!?」
「警部さんっ!その人に手錠をかけて閉じ込めた犯人を聞いて!!もしかしたらその犯人はっ…!!」
「手錠をかけた犯人?…誰や?沼淵?」
「誰がオメーらなんかに」


ドガッ!
大滝警部が沼淵を乗せようとしていたパトカーのドアを思いきり叩き、ドアを凹ませた。


「…誰や、言うとんのや」
「さ、坂田やっ!!あんたらの仲間の刑事の坂田やっ!!」


やっぱりっ!


「警部さん!今平次兄ちゃんが坂田さんと一緒に郷司議員のところにっ」
「そこやったら他の刑事もいてる!このままそっち向かうぞ!」


服部…無事でいろよっ!!
大滝警部の運転で服部たちがいる郷司議員の家に向かう。
パトカーで飛ばしても、着くまでの間は無事を祈るしかねぇっ!!


「ああ、そうや!沼淵がぜーんぶ吐きよった!坂田は連続殺人を遂げた後、罪を沼淵に着せて奴を自殺に見せかけ殺すつもりやったそうや!坂田はどこやっ!?…なんや、どないした!?…銃声やと!!?」


銃声!?


「警部さん!もっとスピード出してっ!!!」
「わかっとるわ!!坊、しっかり捕まっとけよっ!!!」


さらに加速度を増したパトカーが郷司議員の家の付近まで着た時、目的地の方角から火の手と、火事特有の煙が立ち込めているのが見えた。


「服部ーーー!」
「平次ーーーっ!」


俺たちが現場に駆け寄るとちょうど服部が救急車で運ばれる寸前で。
周りにいた刑事が、服部は腹に銃弾を受けていながらも燃え盛る炎の中から犯人抱えて逃げてきたと言っていた。
…死ぬんじゃねーぞっ!


「オッチャン!!私らも乗せてっ!!!」


そういう和葉について俺とあおいもそのままその救急車に乗り込んだ。


「平次!しっかりしぃや!!平次っ!!」
「服部くんの傷の具合はどうなんですか?」
「まだわかりません。とにかく早ぉ弾を取りださへんと…」


服部の息遣いが荒い。
この場にいながらも、何もできない自分がもどかしいかった。


「撃たれたんとちゃうわ…。自殺しようとしたんを止めて、たまたま当たってもうたんじゃい…」
「なんで!?なんでそんな危ない真似すんの!?」
「どっかのアホが言うてたんや…。推理で犯人追いつめて死なしたらあかんてな…」


何がどっかのアホだ!
アホはオメーじゃねぇかよっ!
犯人死なせないために命賭けろなんて一っ言も言ってねぇじゃねーかっ!!


「あ、あかん…、なんや、ねむとなってきた…ちょっと、寝かしてくれや…」
「あかん!寝たらあかんよ!?平次っ!!…平次?」
「服部っ…!」
「…いややっ!平次ーーーーっ!!!」
「………やかましーっ!」


はっ!?


「寝かせ言うとんのがわからんのかどアホーーっ!!!あいたたたたっ…!」
「こんだけ元気があるんやったら大丈夫やと思います」


むしろダメだったら執刀医の腕を疑うぞ…。


「俺昨夜から大阪見物のえぇコース考えとってあんまり寝てへんのや!そやさかい耳元で気色悪い声出すなよ、ボケェ!」


ボケはオメーだ、服部。
おい、俺の今一瞬の後悔を返してくれ。
なんなんだよ、コイツ…。


「悪かったなぁ?気色悪い声で!」


いっ!!?
服部の腹に、和葉が思いきり体重をかけた。
…痛い!あれは痛ぇって!


「ぐああああああっ!!!何さらすんじゃアホんだらーーっ!!!」
「アホはそっちやろ!!ややこしい寝方する方が悪いっ!!!」
「俺は怪我人やぞっ!!?」


…なんかほんとにアホらしくなってきた。


「元気そうで良かったね」
「…うん、そうだね」
「…コナンくんもちゃんと手当てしてもらうんだよ?」
「え?」
「そこ!」


服部と和葉が言い争ってる中、あおいはそう言って俺の胸元を指す。
ああ…、これか。


「大丈夫だよ、ちょっと血が」
「ダメッ!きちんと手当てしてもらうのっ!わかった!?」
「…はぁい」
「それと、私がいるときはもう2度とコナンくんを事件捜査に行かせたりしないからね!!」
「…えっ!?」


え、コイツ俺が工藤新一ってわかって行かせたんじゃ


「やっぱりいっくら頭が良いからって小学生に事件捜査は早いし危ないのっ!…今回はコナンくんも服部くんも元気そうだけど、次も大丈夫とは限らないんだから!私が一緒の時はもう事件捜査に行っちゃダメ!わかった!?」


…じゃあ何か?
服部が「なんぼなんでも小学生を捜査現場に送り出さない」と言った「なんぼなんでも」以外なだけだったって話か?
…………うん、なんかコイツらしい。


「何ため息ついてるの?」
「んーん!…僕なんか疲れちゃった!」


ほんっと、とんだ大阪見物だったぜ!


「ほんならこのまま運んで弾取り出す手術しますんで、」
「いっそそのアホな脳みそも取り出してもらい!」
「なんやとコラァ!」
「担架から動かへんでくださいっ!!連れてきますよ!?」


手術室に運ばれた服部を見送ると、和葉は終わるまで残ると言っていた。
それを聞き、俺の怪我もあるため、俺の手当てが終わり次第、今日は解散となった(ちなみにさっき連絡したらオッチャンはもう、1人ホテルに行ったらしい。で、明日準備出来次第帰るんだと)
場所が近いからと、病院から出て、ホテルまで歩いて向かうことになった。
怪我してるからおんぶすると言ってきたあおいを丁重に断った。
…好きな女におんぶされてたまるかっ!!
いつの間にか繋いでいた手を握りながら、夜の街を歩く。


「1つ、聞いていい?」
「え?」


疲れもありただ黙って歩いていたら、あおいがおもむろに口を開いた。

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bkm

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