Attack On Titan


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ラブソングをキミに


条件と期限 7


「お前に確認しておきたいことがある。」


ドン、と、私の右肩のすぐ上の壁に片手をついたリヴァイさんは、相変わらず何を考えているのかわからない表情で私を見ていた。


「なん、です、か…?」
「…お前は俺に『他の女のところに行くな』と言ったよな?」


顔色1つ変えずに言うリヴァイさんを、


「そっ、それ、は、」


直視することなんて、出来なかった。


「ならば『今』のお前は、どこまでなら俺を受け入れられる?」
「…え…?」


リヴァイさんの言っている意味がわからず、顔をあげると、


「……………」


まるで、獲物を射抜くかのような鋭い目で、私を見ていた。
その時、ピタリ、と、リヴァイさんの右手人差し指が私の額に触れた。


「……………」


それが意味するところがわからず、ただただ、目の前のリヴァイさんを見つめ返していると、スーッと、ゆっくり、だけど確実に、指先は動きはじめた。


「……………」


額から、瞼、頬、そして、


「……………」


ぷにっ、とクチビルを通過する指先。
これが何を意味するのかわからず動けないのか、…目の前にいる、リヴァイさんが、私から決して目を逸らさないから、動けないのか…。
動く指先を見ることなく、私の瞳から目を逸らさずにいるリヴァイさんから、私も目を逸らせずにいた。


「……………」


その間も、ススーッ、と指先は動く。
顎、首、鎖骨…。
スーッ、と動いてきた指先が、谷間にさしかかろうとした時、


「まっ、」
「……………」


咄嗟に出た声に、リヴァイさんの指先がピタリと止まった。
その指先は、グッ、と力を込められ、私の体に刺さる。


「ここか?」
「え?」
「ここまでなら、俺を受け入れるか?」


そう言いながらも私から目を逸らさないリヴァイさん。
その目は本当に、射抜くようで、先に目を逸らしたのは、私だった。


「フィーナ。」
「っ、」


いつの間にか、右手も壁についていたリヴァイさんと私の距離はもう10センチもなかった。
思わず目を瞑りながら顔を逸らした私に、


「逃げるな、フィーナ。」


そう囁いたリヴァイさんのクチビルが触れた。
…この間キスした時よりも強く、何度も何度も、まるで啄ばむように…。


「…っ、や、…めっ、」
「……………」


リヴァイさんの体を両手で押した瞬間、ピタリ、とリヴァイさんは動きを止めた。
直後、


「もうがっつくような歳じゃねぇけど、」
「…っ、」
「待ってやるのは1年だけだからな。」


私の顔を包み込むように両手を添えて、右頬の頬骨あたりにクチビルを落として、リヴァイさんは離れていった。
………………頭が、ついていかない。
「今」起こった出来事は理解できる。
でも、その前後のリヴァイさんの言葉の意味はなに?
「ここまでなら俺を受け入れるか」って…?
だいたい待ってやるのは「1年だけ」って、…なに?


「おい。」
「は、はいっ!」
「いつまでそこに突っ立ってる気だ?」
「あ、や、」
「さっさと風呂にでも入って着替えろ。そのズボン、腿の辺りが汚れてる。」
「え?あ、は、い…?」


呆然としているのは、私だけで…。
リヴァイさんは私から離れたら、1人でまたソファに座り、私が来る前から読んでいたらしい資料か何かに目を通しはじめた。
…何事も、なかったかのように…。


「お風呂…、行って、き、ます…?」
「あぁ。」


リヴァイさんは私の方を見ることもなく、相変わらず手元の書類を見ていた。
その姿を視界の端に移し、部屋を後にした。

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bkm

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