■敗者たち 5
親愛なるお父さん
本日、初の壁外調査から無事帰還してきました。
遠征から無事帰還し、私は今日ついに!念願叶ってあの!!リヴァイ兵長の班員になることに成功しましたっ!!
絶対になってやる!って思っていたし、遠征前にもお父さんにそう豪語していたけど、こんなに早くなれるなんて思いもしなかったから、この手紙を書いている今もまだ、信じられない気持ちでいっぱいです。
ずっと夢だったリヴァイ兵長の班員になることが叶った今、私みたいな新兵を選んでくださったリヴァイ兵長に、一生ついていくつもりで日々を過ごしていきます。
……だからいい加減、結婚しろだとか、恋人を作れだとか言うのはやめてね。
私は兵士として、リヴァイ兵長に選ばれたことを誇りに思い、人類に、兵団に、何よりもリヴァイ兵長に、私の全てを捧げます。
お父さんのことだから「夢が叶ったのなら帰って来い」なんて、そんなこと言いそうですが…。
リヴァイ兵長の班員に選ばれたことで、私にはもう1つ、叶えたい夢ができました。
それは兵長に私を推薦してくれた、先輩兵士のような兵士になることです。
「先輩」と言っても偉そうにしているわけでもなく、私たち新兵にも一定の敬意を払って接してくださる女兵士です。
何よりも彼女は、兵長からは当然のこと、あのエルヴィン団長やハンジ分隊長はじめ各分隊長、班長などの先輩兵士からとても信頼の厚い尊敬すべき兵士です。
いつか私も彼女のような、兵長や団長、そして兵団員から信頼を寄せられる兵士になりたい。
彼女に少しでも近づくまで、調査兵はやめません。
私を選んでくださった兵長に恥じない兵士になるように、何より…、私を兵長に推薦してくれたフィーナのためにも、絶対に立派な兵士になってみせます。
だからお父さん、もう私のことは心配しないでください。
私はこの道を選んだ自分を、そしてこの道で出会えた人たちと共に、人類の糧になり得ることを誇りに思います。
そう思う娘のことをどうか、お父さんも誇りに思ってくれればと思います。
また家に戻れそうになったら連絡します。
その時はお父さんが以前おもしろいと言って大笑いしたオルオも連れていくので、また好きなだけ説教してやってください。
…いつか、私が尊敬する兵長やフィーナにも、会わせられたらなぁなんて思います。
それでは、体に気をつけて。
あなたの娘、ぺトラより
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bkm