キミのおこした奇跡ーAnother Blue


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年末年始の過ごし方


プレゼント交換


「あおいちゃーん!こっちこっち!」
「快斗くん、お待たせー!」


江古田より1日早く終業式が終わったため、昨日無事に工藤くんをロスに旅立たせることができた。
そして本日クリスマスイブ。
快斗くんと久しぶりに米花駅前で待ち合わせをした。
…快斗くんと初めてデートしたの時の待ち合わせもここで、あれからまだ半年も経ってないけどすごく快斗くんと親密になれた気がする!
そう思いながら快斗くんに近づいた。


「「メリークリスマス!」」


近づいて快斗くんと目が合った瞬間に、2人同時にそう言ったことで一瞬お互いの顔を見合わせたけど、ブハッとどちらともなく噴き出した。


「ケーキバイキングとか俺初めて!」


とりあえず予約の時間もあるし、ホテルに向かいながら話していた。


「快斗くんて、甘いの好きだよね?カレーとかも甘口だし」
「どーせ舌がお子ちゃまとか言いてーんだろ?甘いは正義だからな?」
「別にお子ちゃまなんて思わないけどさ、快斗くんそのうちコーヒーをブラックで飲む大人になりそうだけどなって思ってるから」
「あー、ムリムリムリムリ!俺コーヒー口に入れた瞬間に吐いたもん!ブラックで飲める日なんて来るわけがねー!」


現地に着くまで、いかに甘いものは正義なのかについて甘党・江古田代表の快斗くんは語ってくれた。


「お、ここだな」
「…やっぱり混んでるね」


会場に着くと、平日のはずなのに人の多さに驚いた。
そして当たり前なのかもしれないけど、大学生とか社会人のお姉さんがすごく多くて場違いかもなんて思った時、


「やべーな、俺たち金持ちの息子、娘って思われてるかもな」


って快斗くんが耳打ちしてきた。
その一言に思わず噴き出した。


「「いっただっきまーす!」」


席に通され、適当にケーキをチョイス。
飲み物も用意してさぁ食べるぞ!って一口口に入れた。


「んー!美味しいぃ!!」


ほっぺが落ちるってこの事だと思う!
それくらいこのケーキが美味しい!
さすが鈴木財閥プレゼンツ☆クリスマスケーキバイキング!!!
あとで園子と園子のお父さんにもお礼言わなきゃ。


「なぁ、プレゼント今渡してい?」


一通り食べ終わって、満足満足、ってなってる時快斗くんが聞いてきた。


「私も渡す!」
「おー、じゃあプレゼント交換しようぜ」


そう言ってお互いが持ってたプレゼントを交換した。
どうせだからここだ開けちゃおうと、ガサガサとお互い袋を開ける。


「…タオル!え、俺すげー使う!嬉しい、ありがとな!」


私より先に袋を開けた快斗くんがタオルを取り出して言った。
…良かった!やっぱり弓道やるから汗かくし、タオルにして良かった!
そう思いながら袋を開けて中身を取り出した。


「帽子!」


快斗くんからのプレゼントは真っ白いふわふわニットの帽子だった。


「手袋と迷ったんだけど、あおいちゃんの黒い髪に映えそうなの見つけちまったからそれにした」


快斗くんが笑顔でそう言ってきた。
被ってみて、って言うから、貰った帽子を早速被ってみた。


「やっぱり似合う!そっちにして正解だったな」


爽やかに笑いながら、そう言う快斗くん。
…あ、ヤバい泣きそう。
でもさすがにバイキング会場で泣くのはどうかと思うからクッ!て涙を堪えてたんだけど、それも快斗くんにはお見通しだったようで、


「俺今すげー吸収力あるタオル持ってるから、それ貸してやるよ」


そう言って私がさっきあげたタオルを取り出した。


「あ、でもこれ大事な物だから貸すだけだからな?拭いたら返せよ?」


笑いながら私の目元をタオルでぽんぽん、て叩くように拭いてくれた。
……こういうところじゃないのっ!?!?
快斗くんカッコよすぎじゃない!?
もうなんでそんななの、もう!もうっ!!!
私この帽子一生大事にする!!!!
擦り切れても使う!!!!
そんなこと思ってるって、快斗くんに言えるわけもないけど、園子のお陰で本当に思い出に残るクリスマスイブが過ごせた。

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bkm

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