キミのおこした奇跡ーAnother Blue


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3度目の年末年始


お年玉


あおいちゃんを美味しく頂いてから、もう学校休みだし俺このまましばらく泊まってても良くね?って思ったわけだが。


「だ、ダメだって!そんな私たちまだ高校生なんだよ!?ど、同棲なんてまだダメだってっ!!」
「え?いや、俺ただ泊ま」
「ダメったらダメ!!」
「…はーい」


ちょっと暴走起こしたあおいちゃんの猛反対を受けて、結局クリスマスの日だけ特別にお泊りが許されただけだった。
高校生だから「まだダメ」ってことは、まぁ、そのうち許されんだろ。


「千影さんさー、」
「なにー?」
「今年年越し参りか夜中に初詣行く気ねーの?」


そしてクリスマスが過ぎたってことは、恒例になりつつあるあおいちゃんを呼んだうちでの年越しがある、ってことだ。
クリスマスに合わせて慌ただしくどこかから帰ってきて大掃除をしていたお袋。
この人は怪盗淑女なんてやってただけあり、察しがいいと思う。
俺のその一言で全てを察したらしく、


「高くつくわよ?」


掃除の手を止め、思いの外あっさり承諾した。


「むしろ母さんが安かったことなんかねーだろ」
「それもそうね」


うっかりしてたわ、みたいに言うお袋。
でも私もあの子との大晦日は恒例にしたいもの、と言うお袋にカウントダウンまでは一緒に過ごすって話でまとまった。


「快斗」
「んあ?」
「言っとくけど、まだおばあちゃんになる気はないからね」
「それはダイジョーブ!そんなヘマしねーし」
「どーだか」


そんなこと言いつつも、お袋は家でカウントダウンをした後、初詣に出かけてそのままどこぞで飲んで来るから帰宅は元旦の昼過ぎになると、サクッと予定を決めた。
自分の母親ながら、そのフットワークの軽さに感謝しかない。
そして大晦日。


「あおいちゃん、いらっしゃーい!」
「ちかこ!!」
「おっ!今までで1番近づいたな!」


それまだ続いてんのか、っていう、名前当てをあおいちゃんと母さんはしていた。
…ちかげが出てくる日は近いかもしれない。


「え?快斗くん1人で準備するの?」
「そ!だからあおいちゃんは座っててー」
「で、でも私も手伝うし、」


今夜オメーと2人っきりにさせてもらうために、今日の家事全般を担当することになってんだ、なんて口が裂けても言えない俺は、


「いーから、いーから」


1人でやると押し切って、すき焼き諸々の下準備を始めた。


「美味しい!!」


美味そーにすき焼きを食べるあおいに、作った甲斐あったなー、なんて思っていたら、片づけは私がすると言い張るから、先に風呂に入らせてもらった。
…そーいや、今年はあおいちゃん、このボディソープ使うのかな。
さすがにハードルはもう越えただろ、なんて思いながら風呂から出た。
そして交替であおいちゃんが風呂に向かう。
その間残ってる片づけを済まそうと動いてた時、


「快斗」


お袋に呼ばれた。


「はい、これ先にお年玉」
「まだ年も明けてねーけど?」
「あの子が戻って来る前に渡しとこうと思って」


そう言うお袋から手渡されたのは明らかに現金じゃない、箱に入った何かで。
そんな気してたけど開けたらコンドームの小箱がダースで入ってた…(しかも無駄にブランド物)


「あー…うん、使うわー…」
「孫はまだ要らないわよ」
「わーってるよ」


そんな会話をされてるとも知らず、風呂上がりで肌を火照らせあおいちゃんが戻ってきた(もちろんその前にお袋のお年玉は部屋に持ってった)
…また美味そーな肌艶で出てくるよなー。
早くカウントダウン終わんねーかな…。
なんて思っていた。


「「「あけましておめでとうございます」」」


そしてついにカウントダウンが終わった深夜0時、年始の挨拶をして、


「はい、じゃあ解散!」
「あははっ!」


お袋が盛大に爆笑した声をBGMにあおいちゃんを部屋に連れ込んだ。


「え、ちっ、ちょっと快斗くん!ななななななにごと!?」
「ナニゴトって、姫初めでしょ」
「はっ!?ち、ちちちちちちょっと!」


大概もう我慢の限界に来てる俺は、あおいちゃんの頬を両手で包み込んでクチビルを落とした。


「ままままま待って待って!」
「何?」
「だ、ダメだって!だってお母さんが、」
「あの人これから初詣行くってさ」


そのために俺は今日1日、家事全般をしてたんだ。
お袋は約束は守る人間だ。
昼過ぎまで家を開けると言ったからには、昼過ぎまで確実に戻って来ない。
そう思って心置きなくあおいちゃんに抱きついたんだけど。


「あおいちゃん、また俺んちのボディソープ使わなかったの?」


俺が使ってるボディソープとはまた違う匂いをさせていた。


「だっ!…って、快斗くんが使ってるボディソープ使うとかなんかすごいにおわせじゃん」


それは誰に対する何の臭わせなの?
臭わせたところでどーすんの?
って思っても、あおいちゃんが言うからには、きっとこの子の中では臭わせなんだろう。
もうサッサと親密になろうぜ、って思って押し倒したら、


「だっだからっ!そういうことしたら私なんかこうすぐふわーってなっちゃってわけわかんなくなるから、そんなの元旦からダメだって言ってるのっ!だってそうでしょ!?快斗くんは余裕そうだけど、私まだそんな数回しかしてないのにすぐふわーってなって何にも考えられなくなるとかおかしいでしょっ!?おかしいって!!だからちょっとしばらくそういうことしないで様子見ないとおかしいからっ!!!」


逆ギレされた。
…つまり?
そんな経験あるわけでもねーのに、すぐにフワッとわけわからなくなるのはおかしいから、様子見ようって?
え、何それこの子無意識に俺のことセックス上手って褒めてるよな?
俺のセックスが上手くておかしくなるんだ、って言ってるようなもんだよな?
その自覚もなさそうだけど、つまりはそういうことだろ?
…ヤバい、ニヤけてきた。


「でもそれは、俺の手口がプロだからじゃね?」
「やっぱりプロ…!」


いやいや「やっぱり」ってなんだ。
でもあおいちゃんにとってはそう思うくらい、満足した時間、てことでいいんだよな?


「…私、思うんだけど、」


とりあえず1回ヤッちまえ、って一通り事を済ませた後でのこと。


「もしかして快斗くんなしじゃ生きてけない身体になったとかじゃないのかな…?」


今もやっぱりすぐわけわからなくなったし、とすげー真剣に言うあおいちゃんに、腹筋が震えた。
もう俺の彼女、可愛いすぎじゃね?
おバカ可愛い。
ほんとに可愛い。


「ダイジョーブ、責任取るから」
「…う、ん…」


ほんとに大丈夫かな、みたいな顔してるあおいちゃんに、


「俺すっげーいっぱいゴム持ってっから、とりあえずそれ全部使ってから考えよ」
「う、…んっ?全部!?」
「はい、ネクストショーターイム!」
「えっ!?ちょっ、まっ!」


どんなに早くてもお袋はあと10時間は戻って来ない。
その前にどれだけこのお年玉を使えるか、試してみるのも悪くない。

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bkm

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