キミのおこした奇跡ーAnother Blue


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3度目の年末年始


満たされる


本やネットに書かれていることを知識として得ることと、実際に経験するということはやっぱり全く違うと思う。
そもそもあの子、恥ずかしがって見ないタイプかと思ってたら、俺がゴムつけるときガン見してきた(ナニを)


「やっぱり止める?」
「えっ!?い、いいいいやいや、だ、だだだだ大丈、夫…?」


思わず聞いてしまうほどに。
ここで仮に止めるって言われても止められるわけねーし、本人も納得済だったからそのまま続けた(ちなみにこの時もまだ見てた)


「…はっ…、」
「いっ、つぅっ!」


なんだこれ、すげー気持ちいいし、自分でするのとぜんっぜん違うし、ずっとこのままでいたいんだけど?なんて思うような感覚だった。
あおいちゃんはやっぱり少し、痛そうに顔を歪めたけど、思ってたよりも大丈夫そうでそこだけは本当に安心した。
そして思ってたより大丈夫そうだ、ってわかったらトーゼン1回で終わるなんてこともなく。
ぶっつけ本番で使うのもさすがにどーかと思って5枚入りを買って1人の時試しで着けてみた(1枚は途中で破れた)ものだから、残り3枚持っていて。
どーなるかわかんねーし1枚使えりゃいいやーくらいな気持ちで、でも一応3枚とも持って来てた俺としては、どーせだ全部使ってしまえと、そのまま残り2枚も使い切った。
そしたら最後の最後であおいちゃんが意識を飛ばした。
…俺のテクが良すぎて初っ端から失神したとかなら、マジでこの子一生抱けると思う。


「…」


スヤスヤと眠るあおいちゃんの鎖骨の下あたりに顔を近づけた。
どーせ今冬服で見えねーし、いいだろ、と本人寝てる間にキスマークをつけた。
ヤッてる最中、俺の下で喘ぐ姿を見てはいたものの、自分が必死過ぎてそこまで感じなかったけど、今になってやっと己の所有物というか…。
自分の中の独占欲というか、そういう物が満たされのがはっきりとわかった。
あぁ、ようやく本当の意味でこの子を手に入れた。
そんな感覚だった。
腕枕して隣に横たわると、あおいちゃんの体温と規則正しい心音が聞こえてきて、それがまるで俺にとっての子守唄のようですらあった。
それからどのくらい経ったのか、腕の中のあおいちゃんが身じろぎしたことで目が覚めた。
こういうことした後で、この子はどういう行動取るんだろうとちょっとした好奇心でそのまま目を閉じていたけど、動かないどころかすっげー視線感じて俺が根を上げて目を開けた。


「快斗くんは?きっ、気持ち、良かった…?」


軽く両手の平を合わせて祈るようなポーズで口元を隠しながら聞いてくるあおいちゃん。
…可愛い。
俺の彼女、本当に可愛い。
思わず抱きしめたらダイレクトで乳首が当たる。
…もう1回くらいいいかな。
あ、ゴムねーや。
クソッ、もう1箱持って来りゃ良かった…!

ぐるるるる

なんて思った時、あおいちゃんの腹が鳴った。
そーいや何も食わずに今(しかももう3時)だから腹減るよな…。


「なに、私なの!?」
「うーん…、俺かなー」


俺も確かに腹減ってるけど、今鳴ったの完全にあおいちゃんでしょ、とは思ったものの、そこはもう可愛い彼女の心情を汲み取って俺の腹が鳴ったってことにした。
じゃあ服着ようぜ、ってなった時、ゴソゴソと布団の中であおいちゃんが動きだした。
…それ逆に服着にくくね?って思うけど、そこはまぁ、乙女の恥じらいって奴だろうと触れずにいた。


「なーに?俺の身体に身惚れた?」
「ちっ、違っ!!」
「いつでも触っていいんだぜ?」


パンイチで立ち上がった俺の背中を見ていたあおいちゃんにそう言った。
たぶん、今俺の背中には数箇所引っ掻き傷が残っていると思う。
そんな卑猥な背中、何を思って見てたんだろーなぁ?


「あ、あの、さ、」
「うんー?」


腹を満たして一息ついたところで、あおいちゃんが躊躇いがちに聞いてきた。


「快斗くん、てさ、は、はじめて、じゃ、なかったりした?」
「………うん!?」
「だ、って、なんか…う、上手く言えないけど、手口がプロっぽかった…!」


突然何を言われるのかと思ったら、手口がプロって!
そこは普通、上手いとか気持ち良かったからとか言わねぇ?
プロの手口、ってなんだよ、どんな手口だ!
ヤバい、この子は至って真剣に聞いてんのに笑えてくる…!
ほんといつかこの子の語録出したい、きっと売れる。


「俺、あおいちゃんが初めてだけど?」


けどまぁ、プロの手口と言うほど、この子にとっては「良かった」ってことだろ。


「でもさー、女の子はすっげー痛いって聞くじゃん?それは可哀想だなーって実はちょっとネットとか見て勉強した」


だからまぁ、本人に隠すことでもねぇし、とそう伝えた。
でもさすがに、あの日からずーっとそのことばっか検索し、熟読したあげく医学書にまで手出したとか言えねぇから「ちょっとネットとか見て」とオブラートに伝えた。
ほんとはここ最近キッドの活動もせず、そればっかりだったなんて事実、俺は墓場まで持っていくつもりだ。


「快斗くん、」
「んー?」
「あ、ありがと」


少しだけ俺の方に顔を向け、潤んだ目でそう言ってくるあおいちゃん。
…あ、無理。
足りない。
あれだけじゃぜんっぜん足りない。
もうこれ泊まり決定だ。


「待って!快斗くん門限は!?」
「え?門限?」


なんて思っていた俺に、あおいちゃんが不思議なことを聞いてきた。


「だっていつも8時に帰るじゃん!門限あったんじゃないの!?」


いや、俺オメーみたいに完全な一人暮らしじゃないけど、ほぼ一人暮らしなんですが?
知ってるだろ、俺の家の事情。
門限つくるような人間、いなくね?
いねーよな?
なんで門限あるって勘違いしちまったんだ?


「だってそれ以上一緒にいたらヤリたくなるじゃん」
「ヤリっ!?」
「だから早々帰ってたけど、もうその必要ねぇし?ほら、コンビニ行こうぜ」
「うぇええ!?」


なんか知らねーけど、すっかりパニックになってるあおいちゃんの手を引いてコンビニに向かった。
けど途中で、ここの近くドンキあるからそっちで良くね?ってドンキに変更。
そしたらまぁ、コンビニの倍以上のスペース取ってコンドーム売ってるもんだから、


「なぁ」
「な、なにっ?」
「どれがいいとかある?」


そんなこと聞いたわけだけど。


「しっ!知らないよそんなのっ!!知るわけないじゃんっ!!」
「むしろ」
「なに!?」
「端から全部試してく?」
「っ、快斗くんのバカー!」


ぷりっと怒って俺の腹辺りをぽかぽかと叩くって言う可愛いことされただけだった。
…わかった。
どれがいいか、端から全部試そう。
なんてこっそり思ったことは秘密だ。

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