キミのおこした奇跡ーAnother Blue


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3度目の年末年始


プロの手腕


最近読み漁っていたハウツー本とかマニュアル本とか?
実は当てにならないんだって身を持って知った。
だって「初めてはすごく痛い」とか「全然気持ちよくない」とか書かれてたけど、そう…?って思ったから。
にゃーにゃーしてる途中で身体を起こした快斗くんがゴソゴソしてるから、ナニゴトかと思ったけどコンドームを着けているところで。
園子の言った通り、快斗くん用意してた…!って、ちょっと感動しながら私も起き上がったわけだけど。
快斗くんのジャンボフランクはそれはもうご立派ジャンボフランクで、うわぁ…それ入るかな…って思って凝視してしまった(視線に気づいた快斗くんがやっぱり止める?って聞いてきたくらい凝視していた)
だからもっと痛いと思ってたけど、そんなでもなかったことにちょっと驚いた(痛いは痛かったけど!)
それになんと言うか…快斗くんもしかしてプロのにゃーにゃーなんじゃないの!?って言うくらい…身体がとろとろになったような感覚になって、途中からよくわからなくなった私は、気がついた時には快斗くんに腕枕されて寝ていた。
目の前の快斗くんも気持ち良さそうに寝ていて。
快斗くんの寝顔自体は何度か見たことあるけど、お互いが裸で、って言うのは初めてなわけで、やっぱり今までとはちょっと違う感じがしてそのまま快斗くんの寝顔を見ていたんだけど。
寝ていたはずの快斗くんがフッと笑いながら目を開けた。


「おはよう、ハニー」


語尾にハートがついてるの見えた!ってくらい甘く優しい声でそう言ってきた。
…私ハニー!
快斗くんのっ!!ハニーッ!!!


「あおいちゃん、痛くない?」


私の頬を撫でながらそう聞いてきた。


「だい、じょーぶ」
「なら良かった」


痛みって言うか、まだ中になにか入ってそうな違和感はあるけど、ほんとにそれだけ。
マニュアル本は当てにならないものだ(大事なことだから2度目)


「快斗くんは?」
「うん?」
「きっ、気持ち、良かった…?」


聞いておきながら恥ずかしくなった私は、顔の半分を手で隠した。
快斗くんも一瞬目をぱちぱちとしたけど、すぐにすごい優しい顔して、


「すっげー気持ち良かった!」


そう言って私をぎゅって抱きしめてきた。
服を着ていない私たちは、ダイレクトに体温が伝わって。
寒いはずの冬なのに、どこよりも温かく感じた。

ぐるるるる

なんてちょっとぬくぬくとしていたら、どちらともなく、お腹が鳴った。


「…あおいちゃん?」
「かっ!快斗くんでしょ!?」
「え、俺?」
「なに、私なの!?」
「うーん…、俺かなー」


お昼一緒に食べるつもりでうちに来てもらったのに、勢いでそのままにゃーにゃーしちゃって何も食べてない。
時計を見るとすでに3時を指していて。
そりゃあお腹空くよ、って思った。


「じゃあまぁ、メシ食うか」
「う、うん」


じゃあ服着よう、ってなって。
こういうことしてもやっぱり恥ずかしい私は、お布団の中でゴソゴソしていたわけだけど。


「んー…!なんか中途半端に寝ちまったな」


快斗くんは恥ずかしさというのがないのか、パンイチで立ち上がって、豪快に伸びをした。
良い身体…!!
さっき見たけど…!!
改めて見ても良い身体!!!
腰が細いのに、筋肉もしっかり着いてる良い!身体っ!!


「なーに?俺の身体に見惚れた?」
「ちっ、違っ!!」
「いつでも触っていいんだぜ?」


けけけ、と快斗くんは意地悪そうに笑った。
俺に触っていいのはあおいちゃんだけの特権だしー、と快斗くんは言いながら服を着た。
…なんかちょっと嬉しいような、悔しいような。
にゃーにゃーする前に用意されていた料理はすっかり冷めてしまったので、温め直して食べることになった。
ちなみに今から買いに行くのもなーってなって、焦げたピザを2人で食べることになった。


「あ、あの、さ、」
「うんー?」


お腹も膨れて一息ついたところで、気になっていたことを聞いてみようと思った。


「快斗くん、てさ、」
「うん」
「は、はじめて、じゃ、なかったりした?」
「………うん!?」


私の言葉に快斗くんの声が裏返ったのがわかった。


「だ、って、なんか…う、上手く言えないけど、手口がプロっぽかった…!」
「手口がプロ」
「だっ、だからもしかして、前にもそういうことあったのかなぁ、とか…」


私と快斗くんは中3からのおつきあいで。
快斗くんは浮気とか、しない人だと思うからそれ以降はないって考えると、中2以前にすでにそういうことをしていたことになるし、そもそも快斗くん、初めて2人でご飯行った時に彼女いたことない、って言ってたのに、そういうことしたっていうのは彼女以外と、ってことだし、それってどうなのって


「わっ!?」


そんなこと思っていたら、快斗くんが私を抱き寄せ、いつものように足の間に私を入れて後ろからぎゅってしてきた。


「俺、あおいちゃんが初めてだけど?」


頭とか耳とかをちゅっちゅしながら快斗くんは言う。


「でもさー、女の子はすっげー痛いって聞くじゃん?それは可哀想だなーって実はちょっとネットとか見て勉強した」
「えっ!?」


それは私がマニュアル本を読んでいたのと一緒で、いつからかはわからないけど快斗くんもそういうの読んでいたということで。


「ネットに書いてあることと、実際は違うだろーけど、でも知識ないよりはあったほうが、あおいちゃんが痛くないんじゃないかなー、って思ってさ」


首のあたりをちゅっちゅしながら快斗くんは言う。
…知らなかった。
快斗くんでもそんなことネットで調べるんだ…!
しかも理由が、私が痛くないように、ってもう!もうっ!!


「でもまぁ、そのお陰でプロ並みの手口になったわけだから、結果良かったよな!」


ふはっ、と快斗くんは噴き出した。
快斗くんは、私から見るとなんでも出来るすごい人だと思うけど、なんでも出来るんじゃなくて、なんでも出来るように努力してるんだ、って。
しかもこれに関しては私のための努力だったわけで。


「快斗くん、」
「んー?」
「あ、ありがと」


ちょっと後ろを向いて、そう伝えた。


「…俺今日泊まっていい?」
「えっ!?とまっ!!?」
「うん。着替え持ってきてねーけど、コンビニ行けばあるだろ」
「ま、ままままままま待って待って待って」
「あ!ゴムもついでに買わねぇとだから忘れないようにね。3個持ってたの全部使っちまったし!」
「え、ええええええええ」
「そうと決まればコンビニ行こうぜ?」
「待って!快斗くん門限は!?」
「え?門限?」


私の言葉に快斗くんは、何言ってんだ?みたいな顔してこっちを見てきた。


「だっていつも8時に帰るじゃん!門限あったんじゃないの!?」
「…………だってそれ以上一緒にいたらヤリたくなるじゃん」
「ヤリっ!?」
「だから早々帰ってたけど、もうその必要ねぇし?ほら、コンビニ行こうぜ」
「うぇええ!?」


快斗くんがいつからそういうこと思っていたのかわからないけど、何かが吹っ切れてしまったらしい快斗くんに頭がついていかないまま、快斗くんのお泊まり準備の買い出しに行った。



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bkm

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