キミのおこした奇跡ーAnother Blue


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文化祭!


帝丹生の品位


「鈴木ここにいたのかよ!」


園子ちゃんの案内で校内歩いてる時に、男が1人近づいてきた。


「んー?中道どしたの?」
「どーしたじゃねーよ!おっまえ、あおいちゃんのあの服なんだよ!?」


中道と呼ばれた男は園子ちゃんに近づいてそう叫んだ。
…園子ちゃんに言う「あおいちゃん」て、あおいちゃんのことだよな?


「なにって何が?」
「あんっな、モサッとした服着せやがって!せっかくのコスプレであの胸出さずにどーすんだよっ!?」
「はぁ!?」


中道の言葉に思わず声が出た。
その声に中道が俺を見る。


「誰?コイツ」
「あおいの彼氏の黒羽くん」
「はっ!?あおいちゃんの彼氏っ!?」
「…どーも、『あおいちゃんの彼氏』の黒羽です」


俺の言葉に中道は絶句するが、それも束の間。


「あー…っと、黒羽くん?」
「何?」
「心配しなくていいぞ」


中道は俺の顔を見据えて、


「あの童顔おっぱいの鑑賞権はみんなのものだ」
「アレは俺のだっ!!」


親指立てながら言ってきたもんだから、思わず叫んでいた。


「うわぁ、聞きました?鈴木さん。あのおっぱい、自分のだって言いやがりましたよ、この野獣!」


おー怖い怖い、と言う中道。


「帝丹て偏差値高い方じゃなかったっけ?」
「中道も持ち上がりだからこんなもんでしょ」


顔引きつらせながら園子ちゃんに聞くと、諦めなって、と肩を叩かれた。
…嘘だろ、帝丹こんななのかよ…。
俺が帝丹にとかじゃなく、あおいちゃんが江古田に来てくれりゃ良かったんじゃねーか?


「あ、蘭からすぐ来てってメール着た」
「蘭ちゃんてあおいちゃんが行ってんじゃねーの?」
「んー…小道具見つかんないのかなぁ?じゃあまぁあおいと合流するがてら、うちの教室行こっか」
「おぅ、行こうぜ行こうぜ!」
「オメーも着いてくんの?」
「そんな連れないこと言うなって野獣彼氏くん」


あははー、と笑う中道。
…俺、帝丹にしなくて良かったかもしれない。
その後教室に着くまでずーーっと中道が如何にあおいちゃん(のおっぱい)が正義かについて熱く語っていた。
ちなみにこれは日常的なことなのか、園子ちゃんは何も言わない。


「そんなに見てぇなら自分で女作ってソイツの見りゃいーだろ」
「おっまえ、自分は見れるからってわかってねーなぁ!あの顔であのデカさのわがままボディだからいいんだろ!?」
「わがままボディってなんのことだよっ!?だいたいなー、別に女は胸じゃねーだろ?大事なのは全体のバランスであって、大きさなんてオプションだ、オプション!」
「え、何お前あの胸を前にその発言!もしかして尻派?」
「うわー、黒羽くん尻フェチかー」


いきなり会話に加わった園子ちゃんにトドメを刺され、今の一瞬で尻フェチにされた俺。
…あおいちゃん、戻って来ねーかな…。
なんて思いながら、教室に辿り着いた時、


「オメーなぁ、考えてみろよ。この数カ月で何回泣かされたと思ってんだよ!一緒にいる価値ねぇだろ!?」


ちょうど工藤新一が叫んでるところだった。


「ちっ、ちちちちょっと落ち着こ」
「そーやって話逸らしてんじゃねーよ。いいか?あんなんサッサと別れて」
「うっわー、すげー興味ある話してっけど、それ俺混ざっていいやつだよな?」


教室の入り口から動こうとしない園子ちゃんと中道を置いて、教室の中に入っていった。


「よぉ、久しぶりじゃねーか。工藤新一くん?」
「あー、どっかで見たことある顔だな?名前知らねーけど」
「あれっ?俺紹介されたはずだけど難しくて名前覚えられなかった?」
「無駄なことは覚えない主義なんでね」
「人の顔と名前を覚えるのは最低限の礼儀だろ。そんなことも知らねーとは、これだから金持ち坊っちゃんはたち悪ぃよな」
「あぁ、溢れ出る品の良さから金持ちってバレちまったか」


気にいらねー。
何もかもがイラつく。


「あおいちゃん」
「え?」
「もう用済んだ?」
「え、あ、う、うん。済んだけど」
「んじゃあここにいる必要ねーだろ。行こうぜ」
「わっ!?」


あおいちゃんの手を掴んで早々に教室を後にしようと思った。


「おい、ちょっと待て。オメーまだ俺の話終わってねーだろ」
「うぉっ!?」


ところを、妨害してきやがった工藤新一。


「オメー聞こえなかったか?用済んだって言われただろ?」
「いっ!?」
「用は済んでも話が終わってねーんだよっ!」
「ちっ、ちょっ、」


俺があおいちゃんを引き寄せようとすると、すかさず手に力を入れて邪魔をしてきた。


「諦め悪ぃ奴だな!」
「かっ、快斗くんっ!」
「諦めるような経験したことないんでね」
「ちょっ、新一くん!」


ほんとに気に食わねー、邪魔な奴だ。


「負け犬は遠くで吠えるもんだぜ?」
「い、痛いって、」
「負け犬?あぁ、俺の目の前にいるやつか?」
「痛いって!」


俺が次の言葉を放とうとした瞬間、


「痛いって言ってるでしょっ!?」
「いだぁ!?」


あおいちゃんに思いっきり足を踏まれてその場に蹲った。


「2人ともバカじゃないのっ!?そんなに喧嘩したいなら私のいないところでしてっ!!」


そう叫んであおいちゃんが教室を出て行き、1拍間をおいて、


「ぶはははー!!工藤カッコ悪ぃっ!!!」


中道が大笑いした。


「ちょっ、中道やめなってぶふっ!」


中道を止めつつも笑いが止められない園子ちゃんを見ると、


「見事に喧嘩両成敗って奴ねっ!あはは!」


こちらも大爆笑しだした。


「蘭ちゃん!」
「え?な、なに?」
「あおいちゃんが行きそうな場所、教えて!」
「あ、う、うーん…、たぶん中庭、かな?」
「わかった、サンキュー!」
「え!?ちょ、場所わかる!?」
「校内図は頭に入ってる!中道!」
「ん?」
「今度江古田のおっぱい紹介してやるから、あのクソ野郎を止めておけ!」
「マジで!?忘れんなよ!?」
「おい、中道!オメーどっちの味方だ!?」
「俺はおっぱいの味方だ!」


中道が工藤を抑えるのを横目で確認してから、中庭へと急いだ。

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bkm

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