NARUTO


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ゆびきり


4


「ユナ綺麗…!」


翌朝、ここから先は休憩ナシで行くからと、いわゆる花嫁衣装に、半ば無理やり着替えさせられたわけだけど…。


「ほんとほんと!綺麗だよ、ユナ!」
「…私も早く結婚したいなぁ、サイくんかサスケくんと!」
「…は?何言ってんの?サスケくんは私とするの!」
「ほら、鏡見てみて」


ヒナタに促され見た鏡の先には、見慣れない服に身を包む自分がいた。


「な、なん、か、」
「うん?」
「…結婚式、っぽいね…」
「えぇ?」


その姿を見たらようやく、あぁ私結婚するんだ、って実感と言うのか…。


「なぁに、それ?やっと現実味を帯びてきた?」
「…あぁ、うん、そんな感じなのかも…」


今さら何言ってるの、とヒナタは笑う。
…すごく、今さらだけど、花嫁衣装を着たことで初めて、ことの重大さに気づいたような気がした。


「もうすぐ着くってばよ!」


黙々と輿は進み、昼前には砂隠れの里の入り口が見えてきた。


「木の葉からの輿が来たぞー!」


それからしばらくして外から声が聞こえたと思ったら、私を乗せた輿がゆっくりと動きを止めた。
真白い花嫁衣装がなんだか重く感じてきた私は、大きく息を吸い込んで砂隠れの地を踏んだ。


「よく来た」


降り立った先、ちょうど正面に、風影様が立っていた。
…のは、いいんだけど、その周囲にはテマリさん、カンクロウさん始め、砂隠れの里の上役だろう人、それから民衆がわらわらいて驚きを隠せなかった…。


「皆様はこちらに、」


その声に護衛と言う名目で同行してくれたみんなが動き出した時、


「あ、あの…、」


隣に来た風影様に声をかけた。


「な、なんだかすみません、」


大変なことになってしまって、と言う言葉を飲み込んだ私に、


「いや…、こちらもすまない」


風影様はそう答えた。
すまない、の先にはやっぱり「大変なことになって」と言う言葉が続くんじゃないかって…、そんな気がした。


「…大したことない!大丈夫、大したことない!」
「花嫁衣装で負けてる気がしてるだけ!私たちにもまだチャンスはある!!」
「他里のくノ一になんて負けてられないわ!本妻が無理でも風影様になら妾だったとしても…!!」


私も風影様の後について歩きだそうとしたら聞こえてきた言葉。
…風影様、人気すごいもんなぁ…。
しかも今日の衣装で、いの風に言うならイケメン度3割増しだし…。


「どうした?ユナ」
「いえ、」
「…疲れてるだろうが、もうしばらく辛抱してくれ」
「はい」


周囲の声に圧倒されている私に気づいているのかいないのか、風影様はこっちだと言って歩き始めた。
その後ろ姿に1つ息を吐いて、後ろをついていった。

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bkm

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