NARUTO


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ゆびきり


39


「聞いてくれ!昨日風影様がうちに来て、うさぎの箸置きを即決で買われて行かれたんだ!」
「まさかもう何かあったのか!?」
「この前うさぎのぬいぐるみで謝罪したばかりでしょ!?ちょっと早くない!?」
「何かあったかはわからんが…。箸置きを探されていて、ちょうどうさぎの箸置きがあったものだからそれを見せらた迷うことなく決められた。その箸置きを2つ買われて行かれたからユナ様とお揃いで使われるんじゃないかと思うが…」
「お揃いならば、喧嘩で、とかじゃないのか?」
「どうだろうな…」
「風影様はそっち方面は本当に駄目そうだしな…」
「後は完璧なのに…」
「やっぱりうさぎ商品もう少し増やしておいた方がいいんじゃない?」
「だがここ数日で特に子供たちからくまの需要も出てる」
「くま?なんで?」
「知らないのか!?風影様が『くましゃん』と言うくまのぬいぐるみと添い寝してると持ちきりなんだぞ!」
「…くましゃん!?風影様がくましゃん!?」
「ユナ様の趣味なのかもしれん…」
「そんな…。風影様よりも年が上の方だからしっかりした方なのだろうと思っていたのにそんな趣味が…!」
「うさぎ好きだしな…」
「なんと言うか…、穏やかに次世代を育成してきた木の葉の忍びらしいな…」
「あぁ。うちのくノ一じゃあり得ないことだ」




「行ってくる」
「うん、いってらっしゃい」


翌日、我愛羅を送り出した私は、どこ連れて行ってもらえるのかなぁ、なんてやっぱり頭のどこかで気になりつつも、家事に勤しむことにした。




「(昨日とはまた違った、難しい顔をしている…)風影様、ユナ様に許してもらえなかったんですか?」
「…いや、次の休日はデートをすることになった」
「じゃあ良かったじゃないですか!」
「あぁ、それは良かったんだが、ユナにどこに行きたいか聞いたら俺の思い出の場所や思い入れが強い場所に連れて行けと言われた」
「まぁ…妥当ですね」
「だが、」
「はい?」
「…この里内で思い入れの強い場所と言われたら、先代風影が刺客として送って来た暗部を初めて自分の意思で皆殺しにした場所や、当時家族以上に信頼していた夜叉丸が俺を巻き添え自爆した場所などしか思いつかん」
「………」
「だがそんな何もない道端や屋上に連れて行ってもおもしろくもないだろう?」
「(何もない依然の問題だろ…)あぁ、はい、そうですね」
「それで昨日からずっと考えている」
「(あんたそんなこと考えてないで仕事しろよ、って思っても仕事はしてるんだよな、この人…)何か他にないんですか?」
「それが思い浮かべば苦労しない」
「うーん…そうだなぁ…。あっ!サボテンパーク!」
「え?」
「あそこいいんじゃないですか?風影様サボテンお好きだし、なんなら記念に新しいサボテン買うのもいいですよね。あ、風影様の家からサボテンパークに行く途中、市が出るんじゃないですか?その日は確か。途中そこに寄ってみるのもいいと思いますよ。女性は買い物好きですし」
「…サボテンパークに行商人の市…」
「はい!どうですか?」
「そんなところでいいのか?」
「(あんたが思いついた場所よりはずっといいだろう…!?)私はいいと思いますけどね」
「そうか…。あぁ、それと、」
「はい?」
「…その日は本当に休みだろうな?」
「えぇ?まぁ…今は休日についてはテマリが管理してるんで、間違いないと思いますよ」
「ならいい」
「心配ですか?」
「あぁ。…ゆびきりをした手前、休みじゃなくなると困る」
「(ゆびきり!?この人が!?)ゆびきり、って、」
「木の葉に伝わる恐ろしいまじないだ」
「…は?」
「あれは言霊か何かを使用したまじないか?ゆびきりしたことは絶対に守らなければならない」
「(…あんたは子供の頃外部と交流してこなかったから知らないだけで、砂隠れにもゆびきりくらいあるぞ…)」
「木の葉のまじないは本当に効く。お前、知ってたか?」
「(木の葉に伝わる恐ろしいまじないだなんて言う男の話)初めて聞きました」




そして、


「か、ぎ、も…これでよし!と」
「じゃあ行くぞ」
「うん!」


我愛羅の久しぶりの休み、初めてのデートをする日がやってきた。

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