NARUTO


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ゆびきり


36


「と、とにかくデートしようって言ってみたらいいんじゃないですかね?デートってのは結婚前だけに限らず、想い合ってる男女がするものだし!」
「…そうなのか?」
「えぇ!」
「そ、そうじゃん!我愛羅、ユナをデートに誘ってみたらいいんじゃん?」
「だが、」
「うん?」
「…怒ってる原因がわかるまで話しかけてくるなと言われたから話しかけられない」
「(いやあんた、そこを糞真面目に守ってどーすんだ…)そうは言いますがね、風影様。そこをあえて話しかけないと何も始まりませんよ?」
「そーそー。テマリを思い出してみるじゃん?自分で言ったことに引っ込みつかなくなって、最終的にこっちが折れるの待ってるだろ?ユナもそうじゃん?」
「…カンクロウ」
「うん?」
「ユナを気の短いテマリと一緒にしないでくれ」
「(俺のアドバイスゥ…)」
「(カンクロウ、頑張れ…)じ、じゃああれですよ!贈り物攻撃!」
「贈り物?」
「えぇ!女性は贈り物に弱いですから、謝罪して、贈り物渡して、改めてデートに誘うのはどうです?」
「…だが何を贈ればいいのかわからん」
「(あんた少しは考えろ…!)ほら、ユナ様はうさぎが好きって話だし、うさぎの何かでいいんじゃないですか?」
「うさぎ?…ぬいぐるみならもうやった」
「ならぬいぐるみ以外で。何か欲しがっていたものとかないですか?」
「欲しがっていたもの………あぁ、そう言えば箸置きが1つなくなったと嘆いていた」
「それですそれです!あるかどうかはわかりませんが、うさぎの箸置きでも買って、」
「それはどこにある?」
「(だから少しは自分で考えろ…!)そうですねー、雑貨屋とかですか?」
「陶芸コーナーとかにもありそうじゃん?」
「(そもそも先日のぬいぐるみ購入事件から各店舗で1つはうさぎ商品置いてるって話だから箸置きじゃなくともどこかしらに何かあるだろう)そうですね、あるかもしれません」
「そうか…。帰りに寄ってみる」



「なぁカンクロウ」
「うーん?」
「…お前の兄弟に対して申し訳ないが、」
「あ?なんだよ?」
「風影様、よくご結婚出来たよな…」
「…それは俺もそう思うじゃん…」
「ユナ様じゃなかったらとっくに離縁されてる可能性もあるよな…イケメンクールって里内じゃ人気なのに…」
「…ユナも苦労してるんじゃん?」
「おいたわしい…」



「はい、いらっしゃ、風影様!?」
「あぁ、邪魔してる。箸置きを探してるんだが、」
「そっ、それなら先日入ってきたこれなんかいかがですか!?」
「…」
「これ陶器なんですが、ほらここ、ピンクの部分でうさぎの耳を表していて、」
「それを貰おう」
「1つにします?2つにします?」
「………じゃあ2つで」
「はい、まいど!(ほんとにうさぎモチーフの商品即決で買われた…!)」




「帰った」
「ハイ、オカエリ」
「………」


今だイライラ収まらない私は、どこか刺々しい言葉で我愛羅を迎えた。


「…」
「…」


お互い無言のまま、私は夕食の膳を、我愛羅は帰宅後のうがい手洗いを、と言う時、


「っ!?」


我愛羅に手首を掴まれた。


「…」
「…え?何?」


我愛羅は無言のまま持っていた紙袋を、掴んでいた私の手の中に納めた。


「…」
「…何?これ?」


相変わらず無言の我愛羅から渡された、と言うことは開けてもいいんだろうと思い袋を開けると…。


「…箸置き?」


真っ白い陶器で出来たうさぎの模様の箸置きが出てきた。


「…箸置きがなくなったと言っていただろう」


そう言われ、我愛羅を見ると、軽く目を伏せ私の目の前に立っていた。

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bkm

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