NARUTO


≫Clap ≫Top

ゆびきり


31


「このぬいぐるみ、どこに置こうか?」


本当はうさぎってそこまで好きってわけじゃないのだけど、ただただ「我愛羅からの初めての贈り物」が嬉しくてしかたなかった。


「自分の部屋に置いたらいいだろう?」
「え?」
「うん?」
「自分の部屋、って、一緒の部屋じゃないの?」


そのテンションのまま、うっかり口走ったわけだけど、


「………あぁ、そう、だな」


結果としては良かったかな、と思う。
少しの沈黙の後、我愛羅が肯定の言葉を口にした。


「くまのぬいぐるみと一緒にベッドに置こうか?」
「…まぁ…、邪魔にならない場所に」


我愛羅が否定しなかったことで、また嬉しくなった私はうさぎを思い切り抱きしめた。


「これ、」
「うん?」
「大切にするね」


うさぎはそこまで好きってわけじゃない。
我愛羅がわざわざ買って来てくれたと言う気持ちが嬉しかったわけだけど…。




「風影様が昨夜ユナ様と喧嘩なされて、」
「ユナ様が出て行かれると言っていたらしいわよ」
「えぇ?でもさっきうちの店に来てユナ様に贈るんだ、ってこれっくらいのうさぎのぬいぐるみ買って行かれたけど?」
「うさぎのぬいぐるみ!?風影様が!?」
「ユナ様、うさぎがお好きなのかしら?」
「あぁ、そうかもしれないわね。昨日のあの感じだと、鈍い風影様にユナ様が業を煮やした、ってところだったから、風影様からの謝罪の贈り物ねきっと」
「うちじゃうさぎなんて珍しいけど、木の葉じゃよく見かけるしなぁ…」
「じゃあこれからはうさぎの商品を増やしておいたら万が一の時にいいかもしれないわね。風影様はそういうこと疎そうだから今後もありそうだし、さり気なく置いておけばいつでも対応出来るわ」
「うさぎかぁ…、ぬいぐるみの他に何がいいからね?」
「座布団とか、着物の柄もうさぎが描いてある反物を置いておいたらいいのかも」
「あぁ、じゃあ少し忙しくなるね」
「なぁに、風影様のためだ。どーってことないさ」




このことが原因なのかどうなのか、ほんとのところはわからないけど。
この翌日から、里の至るところでうさぎモチーフのものを見かけるようになった。

.

prev next


bkm

×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -