NARUTO


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ゆびきり


26


「オレの部屋に来ないか?」


我愛羅は軽く目を伏せながらそう言った。
…「部屋に来ないか」?
え?
部屋に来ないかって言うのはつまりそれって、


「…嫌ならいいんだが」
「嫌じゃない!」


思わず勢いで答えてしまった…。
私の返事を聞いて、ならついて来いとでも言うかのように顔でクイッと階段を示した。
…勢いで言っちゃったけど、これってつまりそういうことなんだよね?
もう「夫婦」なんだしそれを基準にしてるようなことを先に口走ったのは私なわけだしだけどえ?今日?今?


「ユナ」
「あ、う、うん」


なんて思っていたら名前を呼ばれて、反射的に頷きながら体が我愛羅の方へと動いていた。
…ものだからもう逃げようがない気がした…。


「先ほどナルトが着た時の話をしたが、」


そんな私とは対照的に階段に向かう途中で我愛羅が話しかけてきた。


「あの話の後で何故そういう流れになったのか思い出せないがナルトから女の抱き方は知ってるのか、と聞かれた」


階段を一段一段上りながら我愛羅は言う。


「女を抱いたことはないが、そういうことは本能的部分での行動だろうからなんとかなるだろうと答えその日は別れた」


階段を上りきり、我愛羅の部屋の前まで着た時のちょうどそこまで言い終わった。


「…お前を部屋に入れなかったのは、さっきテマリたちの家で言ったこともそうだが、もう1つの原因はこれだ」


我愛羅から目で、入れ、と訴えられたので、少し高鳴る心臓を隠すように息を吸い込んで一歩部屋に足を踏み入れた。
…のは、いいんだけど…。


「ナルトと別れしばらくしてからナルトの手紙つきの大量の荷物が届いた」
「…これって…」
「曰く『これを読めば大丈夫だってばよ』とのことで、」


我愛羅の部屋にはかなり大きい本棚が置いてあり、恐らく部屋に入ったら真っ先にその本棚が目に入ってくる。
ただ問題は、


「全てナルト厳選コレクションだそうだ」


その本棚の本3分の2が、恐らく…エロ本の部類に分類される本だと言うことだ。


「昔カンクロウがこの手の本を持っていたのをテマリがいつも以上に怒鳴り散らしその本を燃やすと言う場面を見た経験から、いきなりこの量の本がある部屋を見せるのはどうかと思っていた」
「………うん、そうだね。いきなり見たら驚く通り越して引くかも…」


我愛羅は几帳面なところがあるようで、どこをどう見てもエロ本の部類に入る本をキチッ、と、本棚に整頓させて納めているものだから余計にこの光景に引いたかもしれない…。
てゆうかナルト、何送りつけてるのよ…。
まさに、あの先生にしてこの生徒あり、って感じにすら思えてきた…。


「ナルトからわざわざ送られてきたものだ。一応、一通り目を通したが、」


…一通り見たんだ…。
なんて我愛羅の言葉に軽くツッコミを入れながら聞いていた。


「正直何が大丈夫なのかわからなかった」


昼間テマリ義姉さんが言っていた、我愛羅は真面目な努力家と言う言葉を思い出した。
…ほんと、根が真面目な人なんだろうな…。


「見ず知らずの女の、裸同然な姿を見て何が大丈夫なんだ?」


私は男じゃないからわからないけど、たぶん、見ず知らずの女の人の裸同然な姿を見ることに意義があるんじゃないかと思ってナルトはその大量な本を送ってきたんだと思う…。
…伝わってない。
ナルト、あなたの気持ち、全く伝わってないよ…。


「だがナルトが『俺の厳選コレクション』と言ってきた以上、捨てるわけにもいかずそのままにしてある」
「…そうなんだ…」


この反応からして、我愛羅はあの本の群れを要らないと思ってるんだろうから、近いうちにあの本たちナルトに送り返してやろうか、なんて溜め息交じりに思ったら、


「…」


フッと上げた視線の先にいた我愛羅と目が合った。

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bkm

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