NARUTO


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ゆびきり


24


「触れていなければ、木の葉に戻ると言い出した時に俺が行かせやすいと思った。だから何もしなかった」


我愛羅は一通り話し終わったのか、そこまで言うと私たちの間に沈黙が訪れた。




「(なんかもー、今日で解決しそうだなこの話題。だーから、夫婦喧嘩は犬も食わねぇ、って言うんだよな…)」
「(我愛羅、お前が不器用なのは知ってたが、不器用なりになんとかなりそうで本当に良かった…)」
「(…結局砂の目はバレてねぇんだよな…?)」




「…」


我愛羅の言葉に、なんて答えてみようもなく、俯いた。
…だって今の言い方だとこの人はまるで…。
今この場でそんなこと言われて私はどうしたら、とその言葉を放った本人を見るものの、


「…」


私からしたらそこで話を終わらせないでよ、と思うところでも自分の言い分は言い切ったようで、腕を組み私の出方を待つかのようにこちらを見ていた。
…あぁ、本当にどうしたら…!


「…」


チラッと隣にいるシカマルに応援を頼もうと視線を送るものの、シカマルの頭の中は恐らくすでに私のことはなく、早く宿に行って休みたいとかそんな感じじゃないかと思った。
今この場でどういう風に答えればいいのか本当にわからない。
…だから私は、


「…っ、」
「待て、どこに行く気だ?」


この場から逃げ出すことにした。


「帰るの!」
「え?」
「私が自分の家に帰っちゃ悪いの!?」
「…いや、帰ろう」
「お邪魔しました!」
「テマリ、カンクロウ邪魔したな。奈良、火影殿に送る書簡は明日の昼には用意しておく。ユナ、待て!」


恥ずかしさのあまりテマリ義姉さんの顔を見れず、言葉だけ置いて旧風影邸を後にした。




「…なんかどっと疲れたんすけど…」
「私もだ。…でもまぁ、なんとかなったようで良かった」
「あー、そりゃあもうほんとに。これで俺もゆっくり宿で休めるわ」
「そもそも何が原因だったんじゃん?」
「…あぁ、そうだ。カンクロウ、お前明日から当分休みナシだからな?他の側近にも伝えとけ。今我愛羅が抱えてる仕事をお前たちに均等に振り分ける」
「…は?えっ!?」
「(御愁傷様…)じゃ、俺はこれで!」
「悪かったな、シカマル」
「いやいや、ユナのことよろしく頼むわ『テマリ義姉さん』」
「(コイツに姉さんと言われるとイラっとする…)」




シカマルやテマリ義姉さん、カンクロウ義兄さんの前であんなこと言われて恥ずかしさのあまり旧風影邸を飛び出したはいいけど、


「…」


普段こっちに来るようなことないから、道に迷ったようだった…。


「…家に帰るということだったが?」


…あぁ、もう恥の上塗り!
後をついてきていた我愛羅も、私が迷ったことを感じ取ったようで声をかけてきた。


「そうだけど?」
「………そっちよりも、この道の方が近い。着いて来い」


そう言って私が行こうとしていた道とは別の道に進み始めた我愛羅の後を、少し赤い顔をしたまま着いて行った。

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bkm

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