NARUTO


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ゆびきり


23


「オレが何もしなかったのは、木の葉に戻ると言い出した時に行かせやすいようにしたためだ」




「(気の使い方が新しいな、おい…)」
「(我愛羅、お前が優しいのはわかる。わかるが、それは違うぞ)」
「(この会話の大筋を理解出来てないのもしかして俺だけじゃん…?)」




少しの沈黙を破って言った我愛羅の言葉に、今度は私が目を見開いた。


「何それ…。それって初めから離縁するつもりだったってこと?」
「離縁?」


私の言葉に、我愛羅は一瞬驚いたような顔をしたが、


「そんなことするわけない」


すぐに真顔で否定してきた。


「嘘!今の言い方はそのつもりだったからってことでしょ!?」
「それは違う。お前は木の葉の人間で戻ると言っても」
「もうなんなの!」


気がついたら我愛羅の言葉を遮って、


「そんなに砂の里が大事で木の葉だなんだって言うなら最初から同じ里のくノ一と一緒になれば良かったでしょ!?そうすれば今こんなことにもならなかったじゃない!」


そう叫んでいた。


「…それはお前以外の女を娶れと言っているのか?」
「そうよ!」
「あり得ないことだな」
「何が!?」
「お前以外の女を娶る気もなければ、そもそもにしてお前以外、抱きたいと言う気もおきないのだからあり得ないことだと言った」




「(そ、れを今ここで言うか!?)」
「(いいぞー、我愛羅。会話の流れ的には微妙だが、お前の言いたいことはユナに伝わったハズだ…!)」
「(…と、いうか、砂の目をあぁいう使い方させる女は後にも先にもユナだけであってほしいという俺の願望もそこに含んでほしいじゃん…)」



「な、に言ってるの!?」


我愛羅の言葉に、体が熱を帯びてきたのがわかった。


「奈良に本音で話せと言われたから本音を話したまでだ」
「本音って、」
「お前以外の女、抱きたいとも思わなければ抱こうと言う気もおきん。それで他の女を娶るわけがないだろう」


それがさも当たり前かのように我愛羅は腕を組みながら言った。


「…っ…」


この我愛羅の言葉に何をどう言っていいのかわからず、口をパクパクと動かしただけで、私の声が音になることはなかった。


「それと先ほどの話、誤解しているようだからそれも言っておく」


私の次の言動を待たず、我愛羅は続けた。


「オレたちの結婚話が出た時、うちの上役が早いだなんだと言ってきたことがあった。時期的なこともそうだが、オレたちの年齢も要因の1つだ。二十歳前の、それも他里から嫁を貰ってもすぐに里に帰りたいと言うに決まってると言われた。それは一理あるかもしれん。うちと木の葉では違いすぎるからな。そう思って、お前が里に戻りたいと言い出したら好きなだけ行かせて気が済んだら帰ってくればいいと思っていた」


我愛羅は軽く目を伏せ、私を見ることなく淡々と語った。

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bkm

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