NARUTO


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ゆびきり


21


「きっ、今日は早く終わったじゃん?(というか無理矢理終わらせたじゃん)」
「…なぁ、カンクロウ」
「うん?」
「ユナは家にいるだろうか?」
「……………と、とにかく、一旦うちに来い。テマリが何か聞いてるかもしれないし、俺よりは頼りになるじゃん?」




「今日はうちに泊まったらいい」


初めて来た我愛羅の実家は、今はテマリ義姉さんとカンクロウ義兄さんしか住んでいないからか、ひどく静かな空間だった。


「そうだな。今日はここでゆっくり休ませてもらって、明日俺と木の葉に帰ろうぜ」
「…後のことは私に任せて、今日はここでゆっくり休め」


今日はよく泣いたし、怒ったし、もう心がぐちゃぐちゃだ…。
何も考えたくない、心を空っぽにしたい。


「テマリー、いるかー?」
「あ、カンクロウが帰ってき」
「我愛羅連れて来たじゃん」
「「「…」」」
「て、あれっ!?ユナ!?」


そう思っていた時のカンクロウ義兄さんの言葉に、私もシカマルも、テマリ義姉さんだって動きが止まったと思う。




「(お前っ!!何やってんだよっ!!!)」
「(良かれと思ってやったのに、テマリが明らかに俺に殺気向けてるじゃん…)」
「(嘘だろ、こっからもう一騒動あんのかよ…)」




「ユナ」
「…」
「もう1度話がしたい」
「話すことなんてない」
「オレは言ってもらわなければわからない」
「なら一生わからなくていい」
「…」
「私は明日、シカマルと木の葉に帰るから」
「うぉ!?」


そう言いながら、隣にいたシカマルを私と我愛羅の間に立たせるように背中を押した。


「…奈良シカマル」
「お、おぅ?」
「何故貴様がここにいる?」
「い、いや、俺はほら、お前に火影からの書簡を届けに、」
「そういうことを聞いてるんじゃない。何故貴様がこの家にいるのか聞いている」
「えっ!?それはほら、この人が俺たちを連れてきたからで、」
「そもそも何故貴様がユナやテマリといる?」
「それは里を歩いてたらたまたま出くわしたと言うか、」
「『と言うか』?」
「いやちょっと落ち着け!お前が話す相手は俺じゃないだろ!?」
「ならばそこを退け」


本当に申し訳ないと思ったけど、シカマルが逃げないようにぎゅっと強く服を掴んだ。
それを感じ取ったのか、シカマルは一瞬動作を止めた後で、大きく息を吐いた。


「こういうことに首ツッコミたくねぇんだからな?ほんとは…」
「何?」
「俺から言わせてもらえば我愛羅。お前こそ何してんだよ?」


シカマルは小声でぼやいた後で、我愛羅に向かって言葉を投げた。

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bkm

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