NARUTO


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ゆびきり


18


「…ひっく…」


1度溢れ出したら止まる術なんかなく…。
テマリ義姉さんに連れて来られた甘味処の2階の個室で、ただただ泣いていた。




「(…そろそろ落ち着いて来たみてぇだけど、これ誰が切り出すんだよ?ここはやっぱり連れてきた本人が、って、)」
「(お ま え が き け !!!)」
「(あの人目で俺に聞けって言ってるじゃねぇか!!嘘だろ、着いてきた俺も俺だけど、明らかにこれ女同士で話進めた方がいいだろ?)」
「(い い か ら き け !!!!)」
「(あぁ…、早く聞けって訴えて来てるじゃねぇか…!くっそ、いくら心配だからって着いてくるんじゃなかったぜ…)」




「あー、っと、ユナ?」


だいぶ涙が落ち着いて来たところで、シカマルが口を開いた。


「単刀直入に聞くが、我愛羅と何かあったのか?」
「…っ、」
「「!?」」


その名前を聞いた途端、悔しいのか悲しいのか自分でもわからないくらいごちゃごちゃに感情が入り乱れてまた涙が溢れて来た。




「(単刀直入すぎるんだよ、馬鹿っ!!!!)」
「(…俺今この人に馬鹿って言われてる気がする…)」




「なぁ、ユナ、聞いてくれ」


再び泣き出した私の背中を摩りながら、テマリ義姉さんが優しく語りかけて来た。


「我愛羅は無口な上、感情がわかりにくいが悪い奴じゃないんだ。と言うか、姉の私が言うのもなんだが、真面目な努力家の出来た奴だと思う。ただ何と言うか、『その手』のことには疎いんだ。でも話してわからない奴じゃない。ほら、夫婦喧嘩は犬も食わぬって言うだろ?1度じっくり我愛羅と話し合ってみて、」
「…」
「え?何?」
「夫婦って、なんですか?」


テマリ義姉さんの手があまりにも優しく感じられて、ここに来てからずっと思っていたことを口にしてしまっていた。


「何だ、って、」
「ねぇ、シカマルは頭がいいからわかるでしょ?式を挙げたら夫婦?一緒に住んだら夫婦?」
「ユナ、お前何言って」
「ただの1度も『夫婦』として夜を共にしたことがなくても夫婦?」
「…え?は?……えぇっ!?」


シカマルは私の言葉に一瞬声を裏返したものの、一拍後大声を出した。




「(夜を、って、そういうことだよな!?え?コイツら結婚したのいつだっけ!!?)」
「(我愛羅…。姉として擁護してやりたいが、さすがにそれはナイ。あれだけ盛大にした結婚式の後、知らない土地で3ヶ月間夫からその仕打ちされたら私がユナでもこうなるぞ…)」




1番、胸につかえていたことを口にしたからか、その後はこの約3ヶ月間の出来事をポツリ、ポツリと口にした。

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bkm

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