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変態に恋、されてしまいました


大人しいとなんだか寂しいです


「名前ちゃん、おはよー!」
「おはよー、あーちゃん」
「数学予習した?」
「…したけど、わかんなかった」


中間テストお疲れパーティも終わり、季節は春から夏に向け駆け足で変わっていく。
それでも日常は変わることなく、今日も元気に学校です。
でも、


「あ!快斗おはよー!昨日青子の電話無視したでしょ!」
「おはよう、快斗」
「………はよ」
「「…え?」」
「青子ー!名前ちゃんおはよー!」
「あ、ああ、恵ちゃんおはよう?」


この日は快斗が、朝から変だった。
いやいつもまともなの?って聞かれたら自信がないけど、いつもとは違うおかしさがあった。


「な、何かあったのかな?」
「んー…。快斗のことだから食あたりとか?」
「…そういう感じじゃないと思うけど…」


いつもなら「名前、おっはよー!」とか「名前今日も可愛い!」とか…。
尻尾振りながら飛びついてくるのに…。
今日は朝から元気なくて。
休み時間も、友達の輪に入ることなく机に突っ伏していた。


「ね、ねぇ…」
「うんー?」
「快斗、ほんとに大丈夫?」
「え?」
「ほんとにどこか悪いとか、悩みがあるとか…じゃないの?」
「…」
「あんなの絶対おかしい!何かあったんじゃないの?」
「…」
「…大丈夫かな?」
「…」
「…あーちゃん?」
「ああ、ごめん、ごめん!そうだね、いつも以上におかしいね」
「そうだよね?あーちゃん何か聞いてる?」
「ううん。青子は何も聞いてないよ」
「…そっか。…大丈夫、かなぁ?」


今だ机に突っ伏して、動こうとしない快斗。
ほんとに、おかしい…。


「名前ちゃんが聞いてあげたら?」
「え?」
「何かあったの?って」
「え、や、でも、」
「名前ちゃんが聞いたら、教えてくれるかもしれないよ?」
「…う、うーん」
「教えてくれなくても、名前ちゃんが話しかけたら、元気になると思うけどなぁ、快斗」


私に教えてくれるかはわからないけど、話しかけたら少しは、元気になる、かなぁ?


「あーちゃん、ちょっと行ってくるね」
「うん、行ってらっしゃい!」


快斗の席まで行くと、快斗が机に突っ伏して目を閉じているのがわかった。
…ほんとに具合悪いのかもしれない。


「快斗」
「…」
「快斗?」
「…ああ、名前か。どした?」


屈んで机に突っ伏してる快斗に目線を合わせたけど、快斗はみるからに元気なさそうな目をしていた。


「快斗大丈夫?」
「え?」
「なん、か、元気ない、かなぁって思ったから」
「…ああ。うん、大丈夫大丈夫」


そうは言ってもいつもの快斗を知ってるから、大丈夫そうに見えない。


「…何かあったの?」
「ん?んー…。ちょっと悲しいことがあった…」
「悲しいこと?」
「うん、ちょっと」
「…そっか」


それ以上言おうとしない快斗。
本人が言いたくないなら、私はこれ以上は踏み込めない。
…ただの友達なんだし。


「私、」
「うん?」
「快斗が元気ないと、すごく、心配」
「…うん」
「だから早く元気になって?」
「…さんきゅ」


そう言って力なく笑う快斗。
快斗にそんな笑顔、似合わないのに。
早く、元気になってくれたらいい。
ほんとにそう思った。






「…はぁぁ」
「何、お前まだ凹んでんの?」
「え、黒羽どうしたの?」
「コイツさー、俺の兄貴が持ってるグラドルの写真集貸してやったんだけど」
「うんうん」
「その中の羊のコスプレしてる写真スキャンして、顔だけ工藤さんの顔コラージュしてんの」
「黒羽…、お前いつか捕まるぞ…」
「ちっげーよ!まだ続きがあんだよ!聞いてくれっ!」
「ど、どうした」
「羊になった名前はそりゃー可愛かった!俺は萌えたね!!」
「そ、そうか」
「しかも今だかつてないくらいのコラージュの出来!俺すげー!!って思った!…けど」
「…けど?」
「一瞬の操作ミスで全部消えた…」
「…」
「…くすん」
「…まぁ、要はお前が早く工藤さん落とせばいいことなんじゃね?」
「え?」
「彼女になったらコラージュと言わず、本人に羊になってもらえばいいじゃねぇか」
「…」
「…」
「…そ」
「そ?」
「その手があったかーー!!名前ーー!!週末デートだ!デートッ!!」
「え!?…ごめん、週末は帝丹の幼馴染みと会う約束なんだ」
「えーー!?デートはっ!?」
「ご、ごめん?」



「…黒羽、犯罪者にならなくて良かったな」
「あれは工藤さんだから受け入れてくれてるけど、他の子だったら訴えられてるぞ」
「…黒羽の猛攻から1ヶ月ちょい、か」
「結局中森さんの1人勝ちかもなぁ…」




X大人しいとなんだか寂しいです

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