Detective Conan


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catch me if you can


28


「今度ロス行くんだけど、七海ちゃんお土産何がいい?」


1つの疑惑は、私の中に仕舞い込み、依然変わらず快斗さんと連絡を取り合っていた。


「旅行ですか?」
「旅行半分、仕事半分」
「半分?」
「そ!TVイベントに呼ばれてんの」


快斗さんは昨年出た世界規模のマジシャンの大会での活躍で、各国の業界人の目に止まり、たまにこうやって国外からのオファーがあるらしい。
今回はロスにお呼ばれされ、ついでに少し観光してくるそうだ。


「観光いいですね」
「一緒に行く?」


七海ちゃんなら俺のアシスタントにねじ込んで一緒に連れてくよ、なんて笑いながら言った。


「2週間も休めるわけないじゃないですか」
「…まじで?」
「何がです?」
「それって休めたら一緒に行くって言ってるようなもんじゃん」


何いつの間にそんなに魔法効いてたの、と快斗さんの声は嬉しそうに私の耳に響いた。


「ただで連れてってもらえるなら誰だって行きたいと思いますよ」
「そっちかー!」


電話越しにパチンと快斗さんが何かを叩いた音が聞こえた。
…この人の不屈のメンタルはある意味見習いたいところだ。


「寂しい?」
「え?」
「2週間こっちいないから」


この人はいつも笑っている。
人ってこんなにも笑顔に種類があるのかというほどに。
でもこういう時、どんな表情で言っているのか、いつもの笑顔なのか、まだまだつきあいの浅い私にはわからなかった。


「快斗さんが向こうに行ってても、いつものように連絡してると思いますよ?」
「あ、うん。それはそうなんだけどさ」


もちろん連絡はするけど、と快斗さんは言う。
そんな気してたけど、彼の中では「もちろん」なのか…。


「時差もあるし、こうやって電話は無理でしょ」
「快斗さんがものすごく早起きしたら出来るかもしれませんね」
「うわー、それ俺にかかってるんだー」


朝苦手なんだよな、とぶつぶつ言い始めた快斗さん。
でもなんとなくだけど、今までの彼とのやり取りを考えてたとて時差があったとしても2週間のうち1回は電話がきそうな気もする。
それは私の期待も込めての数なのか、深くは考えずにいた。


TVイベントの告知ライブ配信するから見れるならみて


快斗さんがロスに行ってから数日後、こんな連絡がきた。
今はアメリカにいてもリアルタイムで見ることができるなんて本当、便利な世の中だと思う。
快斗さんとこうやってやり取りする関係じゃなかったら、外国にいる人とこんな風に連絡することなんてなかったと思うから気づかずにいただろう。


ずっとは無理かもしれませんが、見ます


そう送った私に、快斗さんはスタンプ1つで返してきた。


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bkm

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