Attack On Titan


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ゴロツキ純愛ラプソディ


8


「おい、イザベル。あくまでこれはリヴァイとエリザを仲良くさせようって飲み会だからな?」


ファーランのまさかの告白で、兄貴がエリザを好きってわかってからしばらく。
今日はいよいよ俺とエリザ、兄貴と、心配だからってファーランの4人で飲みに行くことになった。


「わかってるって!」


俺の大好きな兄貴と、生まれて初めて出来た女の「仲間」…いや「友達 」って言うの?
俺にとってそういう関係のエリザ。
2人ともすっげぇ好きだし、特に兄貴なんて仲間以外人間に興味ねぇんじゃねぇか、って思ってたくらいだから、エリザを好きになってくれて本当に嬉しい!


「いいか?何度も言うがお前が目立つんじゃねぇぞ?」
「だーから、わかってる、って言ってるだろ!ファーランしつけぇって!」


それはファーランも同じなのか、この飲み会をなんとか成功させようと俺に何度も同じこと言ってくる。


「だいたいファーランは心配しすぎだっての!」
「…お前なぁ、お前はそういうけど、」
「大丈夫だって!」
「あ?」
「だって2人ともすっげぇ良い奴だから!」
「………」


俺の言葉にファーランはもう何も言わなかった(だいぶ呆れた目をしてる気がしたけど)


「んじゃあ、かんぱーい!!」
「乾杯」
「かんぱーい」
「…」


時間になってみんなで飲み屋に言って、俺の乾杯の声に、エリザとファーランが続いた(兄貴はいつもの通り無言)


「え?イザベルとリヴァイは兄妹じゃないの?」


だいぶ酒も入った頃、エリザが兄貴とファーランのことをリヴァイとファーランと呼ぶようになった。


「違うって!俺が死にそうなところ拾ってくれたんだって!」
「…そう…。」


後からファーランに「そういうことは酒の席で言うもんじゃない」と言われた、俺と兄貴の関係を口にした。


「だいたい似てねぇだろ?」
「そ、りゃあ、まぁ、似てないとは思ったけど…。」
「だろ?俺さすがに兄貴みてぇに強くなれねぇし!!」


気がつけばベラベラ俺1人ベラベラ喋っていたようで、俺の話に、


「「「………」」」


兄貴は無言無表情。
ファーランはバカはもう黙れ、って顔。
エリザだけが柔らかく笑っていた。


「じゃあ今恋人は?」
「そういう存在は必要だと思わないので、」


だいぶ酒も入ってきた頃、なんの会話からかファーランがエリザに聞いたことに対して、エリザがそう答えた。


「でもさー!」
「え?」
「あ?」


この時のことを後になってすっげぇぇぇぇぇ後悔するんだけど、その場ではそんな未来が待ってるなんて思いもしない俺は、


「エリザモテるだろ?美人だし!」


思ったことを口にしていた。


「そんなことないよ。」
「…そうでもないだろう。」


俺の言葉に否定したエリザ。
それに対して、兄貴が反応した。
俺はこの時(いつものこととは言え)やっと喋り出した兄貴に「行け!!兄貴!!!」くらいな気持ちでたぶん目をきらっきらして2人を見てたと思う。


「お前のその髪は嫌でも目につく。」


兄貴のその言葉に、


「………」


エリザはどこか…悲しそうに笑ったと思った直後、無表情に視線を落とした。
と、思った瞬間、


バシャッ!


「えっ!!?」


持っていたグラスの中身を兄貴に引っ掛けた。


「…そこにしか目がいかない『人間』が多いから恋人なんて必要ないのよ…!」


俺がエリザと出会ってから今の今まで見たことないってくらい、こんな冷たい顔もすんのか!って顔で兄貴を見た後で、エリザは店から出て行った。


「…は?え?ち、ちょ、お、俺どうしたら、」
「お前は黙ってろ、馬鹿。おい、リヴァイ」
「この酒あんまり美味くねぇな。」
「今そこは問題じゃねぇだろ!」


エリザが去って行ったことで我に帰った俺は、すっげぇ焦ったけど、当の本人の兄貴はエリザにかけられた酒の味を味わっていてファーランの方が焦っているように思った。


「メシも食ったし俺たちも帰るか。」


兄貴はエリザの行動に怒るわけでもなく、濡れた髪を掻き上げ店から出て行った。



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bkm

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