Detective Conan


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カタルシス


52


それは本当に些細な、それでいて青子にとってはとても重要なことだったって、今にして思う。


「…青子がお芝居なんて珍しいって思ったらショータくんが出てたんだ」
「そうなの!すっごいカッコ良かったよ!舞台中央で演技するショータくんに青子釘付けになったから!」


白馬くんと行った舞台。
その舞台の中央で演技する青子の大好きな俳優。
やっぱりカッコ良かったよなぁ、なんて思っていた時だった。


「それって白馬くんに失礼じゃない…」


呟くように、聞こえるか聞こえないかの声で名前は言った。
普段ならそれは、名前は優しいからなぁ、とか、その程度にしか思わなかったんじゃないかな。
だけど…。


−…今日快斗とアイス食べに行ったんでしょ?−
−そうなの!快斗ってば私の分のチョコアイスをダブルで頼むんだもん。食べきれるわけないよね−


快斗の大好きなチョコアイス。
青子なら無理してでも、…ううん。
快斗となら、きっと無理しなくても普通に食べきっちゃうと思う。
なのに…。


「名前だって青子のこと言えないじゃん…」


その一言がぽつりと、ある種無意識で漏れた瞬間だった。

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bkm

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