■46
あの日から数日が過ぎた。
何も変わらない。
青子は青子。
そして…。
「うーん…」
「どーしたの?青子」
「今日湿気で髪がうまくまとまらないんだー」
「わかる!…だから今日はもう結っていこうかと思うんだけど、」
「あ!じゃあ青子もそうしようかな!」
名前は名前だし、
「おや、今日はお2人とも結んでいるんですね」
「白馬くん!どうどう?青子たち結んでも可愛いでしょ!」
「えぇ、とても」
白馬くんは白馬くんだった。
何より…。
「オメーらがそうやってっと、ガキの頃思い出すな」
「快斗、それはまるで今は大人ですみたいな発言よね?ねぇ名前?」
「…確かに」
快斗は快斗だった。
誰が誰を思っていようとも。
誰が誰を思おうとも。
時は流れる。
誰の上にも平等に、そして…、
「名前、名前!」
「うん?どうしたの?」
「さっきの時間のノート見せて!」
「え?…快斗また寝てたの?」
「だってすっげーつまんねーし?」
「そういうこと言ってる人にはノート貸しません」
「あー、うそうそ!名前ちゃんの綺麗な字が見たいんだって!」
「またそういうこと言って快斗ってば、」
「あ!じゃあ見せてくれたらチョコアイス奢るし!」
「…それ自分が食べたいだけじゃないの?」
「ちっがーう!日ごろの感謝を込めて名前ちゃんをおもてなししたいの!」
残虐に流れる。
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bkm