Detective Conan


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カタルシス


35


穏やかに微笑む目の前の女性。
もし、ばあやがこの女性の名前を先に出していたら…。
いや…。
それでも結果は同じだったかもしれない。


「そう言えば青子さんから名前さんの方が曽祖父と仲が良かったと聞きましたが」
「え?仲が良かった、というか…、私は青子と違って1人でどんどん森や湖に行って遊ぶタイプじゃなかったから、おじいちゃんがよくいろんな遊びを教えてくれただけだよ」
「あぁ、確かに曽祖父は遊びの天才でしたね!」
「そうそう!おじいちゃんにかかったらなんでも『遊び』になっちゃって、」


同じ顔、同じ表情。
だが、僅かに覚える違和感。
目の前の女性はやはり、「彼女」ではない。


「今だから言えるんですが、」
「うん?」
「僕は、あの時出逢った少女は、青子さんではないかと思っていたんです」


そう告げることで何が変わるとも思わない。
だが言わずには、いられなかった。

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