■28
「なんか最近快斗元気ない…？」
青子がポツリと漏らした一言。
「青子もそう思う？」
「名前も？」
「うん。どこが、ってわけじゃないけど…、なんか元気がない、って言うか、」
「だよねだよね？何が違うって言えないけど、なんか違うんだよね？」
そう。
何がどう違う、ってわけじゃない。
そういうわけじゃないんだけど…。
何をどうしたらいいのか、わからないまま、時が流れた。
「え…？」
「ですから、もし良かったら日曜日、僕に時間をいただけませんか？」
快斗の異変を感じてから数日。
突然、白馬くんから日曜日のお誘いを受けた。
「だ、大丈夫、だけ、ど？」
「あぁ、良かった。ちょうど知り合いから舞台のチケットを貰ったんです。名前さんは演劇はお好きですか？」
「え？好き、と言うか、舞台とかは初めてだから…」
「そうですか！ならこの舞台はお薦めですよ。席も見やすい場所ですし、」
そう言って話を進める白馬くん。
嬉しい、って気持ちは確かにある。
けど私は、どうして急にそんな話になったんだろうって、そんなことばかりが頭を過ぎって、曖昧に返事をしていた。
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bkm