■26
「その時に青子もお世話になったんだから、って、おばあちゃんと一緒に白馬くんちにお参りに行って、品の良いおばあさんに会った記憶があるんだけど…、あの人白馬くんの曾おばあさん?」
あの時の少女は誰か?
そう尋ねた時は確か、葬儀からしばらく経った…49日のためにまたあの町へと行った時だった。
ばあやは僕が尋ねる以前に青子さんと直接接触していたのか…。
だから僕が尋ねた時、「中森青子」さんと、言ったんだ。
「どうかした?白馬くん」
あの日の面影を残した笑顔で、尋ねてくる。
だが…。
「いえ…。なんでもありません」
「…そう?」
ショックだったかと聞かれれば、それはYESだろう。
あの時の少女は、青子さんだと思っていた。
だから僕は…。
「青子さん」
「うん?」
「少し用を思い出したので、先に教室に行っててくれますか?」
「え、でも…」
「これは僕が持っていきます」
「…わかった。じゃあ先に教室に行くね」
僕は、あの時の少女「だから」、青子さんに近づいたんだろうか…?
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bkm