Detective Conan


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カタルシス


10


−ここは『2人だけの秘密基地』なんでしょ?−


そう言って笑った名前。
正直その笑顔の向こうの本音は掴めない。
けど、これはひょっとしてイイ感じなんじゃねぇの?なんて思う自分がいるのは事実。


「あ!バ快斗見つけ、…名前も一緒?」
「うん」
「ぐーぜん、そこで会ったんだよ!」
「そう…」
「あ!それより名前!昨日出た数学の、」
「見せないよ」
「え、」
「課題でしょ?快斗、自分で出来るんだから、見せる必要ないでしょ?」
「そんなこと言わずに頼むよ名前チャン!!」
「…そういうこと言ってる間に解けるでしょ、快斗なら」
「俺を買いかぶりすぎだって!出来ないから聞いてるの!見せてじゃなくて『教えて』!」


そう言う俺に名前は1つため息を吐いた後、


「わかった。…でもちゃんと聞かないなら教えないからね?」


困ったように笑いながら承諾した。
…よっしゃっ!


「んじゃあ今プリント持ってくっから!」


伊達に名前と幼馴染をしてるわけじゃない。
どういう言い方をすれば聞いてくれるか。
どういう言い方をすれば、傍にいてくれるか…。
熟知してるつもりだ。
だが、


「あれ?名前は?」
「先生に呼ばれて行ったわよ?」
「え、」
「数学のプリントでしょ?青子がたーーーっぷり教えてあげる!」


この選手交代は何度されても慣れない…。
嫌われてはいないと思う。
でも「特別に」好かれてるわけでも、ないと思う。
…自分で言ってて虚しいけど。
もう少し、攻め方をどうにかした方がいいんじゃねぇか、とか。
今まで以上に真剣に、考えるようになった。

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bkm

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