Detective Conan


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カタルシス


8


「白馬くん、さっき先生が呼んでたよ?」


江古田高校に編入してわかったこと。
中森青子さんには双子の妹がいる。
…それも顔は瓜二つだ。


「わざわざありがとうございます、名前さん」


僕がかつて出逢ったのは、本当に中森「青子」さんなんだろうか?そう疑問に思わなかったかと言えば嘘になる。
だが…。


「白馬くん!快斗どこ行ったか知らない!?」
「…さぁ?手伝いましょうか?」


かつて僕に話しかけてきた子は、はきはきと答える、活発な印象のある子だった。


「青子と快斗がごめんね。いつものことなんだけど…」
「嫉妬するほど仲が良い、ってところですかね」
「えぇ?誰が誰に?」


柔らかく、穏やかに笑うこの少女とは少し、印象が異なる気がした。


「双子でも違うものなんですね」
「あぁ…。青子は明るくて誰からでも好かれるけど、私は青子のように振舞えないから…」


自分が凶悪事件を推理、解決していく探偵という立場だからなのかもしれないが…。
どちらかと言うと、物静かで「守らなければ」という子よりも明るく犯人が襲ってきても返り討ちにしそうな子が好みではある。
…だからと言って双子間で接し方に差別などしないが。


「名前さんには名前さんの良さがある」
「え?」
「青子さんのように振舞う必要はどこにもないと思いますが?」
「…」


驚いたように目を見開いた目の前の彼女。
直後、少し赤い頬で柔らかく笑いながらありがとう、と言った。
その後ろからは黒羽くんを追う元気な声が響く。
これが今の僕の日常となりつつあった。

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bkm

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