Detective Conan


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stock-永遠の恋-


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「おいこら、新一」
「…ん…」
「朝から盛るのも結構だけど、人の胸揉むならせめて床じゃなくてベットの上でにしてくれない?」
「…ぇ?……えええええええっ!!!?…ってぇ…」


床で強制的に寝かされたせいかそこら中が痛い。
夢現の中で、なんかおかしいと思っていたら真後ろから私に覆いかぶさっていた新一くんが寝ぼけながら何と間違えたのか私の左胸を揉んでいた。
私の声で意識がはっきりしたらしい新一くんは勢いよく飛び起きた。
んだけど、直後に頭を抱えた。
これはもう間違いない。


「キミ2日酔いだね」
「…」


頬だけが赤くて全体的に青白いという奇跡の血色を起こしている新一くん。
朝っぱらから乳揉んどきながら青白くなられるよりは、まぁ赤くなっただけ良しとしよう。


「…飲めないなら飲めないで無理して飲むんじゃないよ」
「…ルセェ」
「2日酔いに効く薬置いてないかフロントに聞くから待ってな」


そうは言っても、私もなんかダルイな。
やっぱり夏とは言え何もかけずに床に寝たのが不味かったか…。
今日はアウトレットに行くのに。


「今係りの人が薬持ってきてくれるって。少しベットで寝てな」
「…オメーも、」
「え?」
「なんか、顔色悪ぃ、けど?」
「誰かさんに押し倒されて床で寝たからね」
「…」


相変わらず青い顔したまま頬だけは赤くして照れてるんだから器用な子だよ。


「…俺途中から覚えてねーんだけど…」
「ああ、まぁそうだろうね」
「…なんかした?」
「聞かない方が身のためだよ」
「は!?え、俺何した?」
「…嫌がる私に抱きついてきたかと思ったら、そのまま無理矢理押し倒して床でっ…」
「…」


あ、青ざめた。
この子ほんとにおもしろい。


「…え、俺マジで何した?床で、何?」
「聞きたいの?」
「え?お、おう…」
「後悔しない?」
「え!?…し、しない」
「…嫌がる私を無理矢理床に押し倒してそのまま私を敷布団にして寝やがった」
「…はっ!?え、何、寝た?」
「そう、ぐーぐー爆睡した。私の上で」
「…はぁぁぁぁ、なんだよ、俺てっきり」
「酔った勢いで私を襲ったとでも思ったか」
「べ、別にそういうわけじゃ!!…てぇ…」
「2日酔いなんだから叫ばない」


新一くんが頭を抑えところでドアベルが鳴る。
出ると2日酔いの薬を持ってきた人だった。


「ほら、薬」
「…どーも」


青白い中でまた頬だけ赤くした新一くんは、不味そうに2日酔いの薬を飲んだ。
自業自得だ。


「はい、水」
「…どーも」
「…今日は買い物無理だね」
「…」
「仕方ない、有希子さんに断りに行くよ」
「え?いや、名前さんは行っていいですよ?」
「…あのねぇ、」
「はい?」
「こんな状態の新一くん1人残して買い物行っても気になって仕方ないでしょ」
「…え、」
「じゃあとりあえず有希子さんに断りに行ってくるから」


ため息をつきながら隣の部屋に行く。
あの子、私をどんだけ冷たい女だと思ってんだ。


「あら、じゃ名前ちゃんも行かないの?」
「ええ、心配ですし」
「お夕飯は?一緒にできるかしら?」
「…まぁ、大丈夫だと思いますよ。また何かあったら連絡しますね」
「ありがとう!…ほんとにごめんねぇ、せっかくの旅行…」
「いいです、いいです。買い物楽しんできてください」


申し訳なさそーな顔をしている有希子さんを背に部屋に戻った。
ら。
新一くんは床からベットに場所を変えていた。
結構なことだ。


「…母さん何か言ってたか?」
「別に。バカな息子でごめんねくらいだよ」
「バカって」
「ああ、ごめん。そこは私が勝手につけた」
「…オメーは…」


新一くんは、うつ伏せに枕を抱き締めて寝そべっている。
枕に顔をつけているから、声がくぐもってよく聞こえない。


「なぁ…」
「うん?」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…なに?」
「…さっき、」
「うん?」
「…さっきみたいに呼んで」
「は?さっき?」
「…」


ええっと、と記憶を辿れば有希子さんに会いに行く前に呼んだこの子の名前。
うつ伏せていて表情がわからないのが残念で仕方ないが、隠しきれない耳が赤くなってるのがわかった。
ほんっと、嫌になるくらい可愛い子だ。


「…具合は大丈夫?新一くん」
「おー。…名前は?」
「大丈夫じゃない」
「えっ!?」
「床に寝かされたせいで体中が痛いし寝た気がしない」
「…じゃー」
「うん?」
「一緒に、寝る、か」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「なんか言えよっ!」
「いや、可愛いヤツだなぁと思って」
「はあっ!?かわっ、って何言ってっ!!」


だってさぁ。
顔どころか耳まで赤くしながら、それでも私の添い寝がほしいのかと思ったら、可愛いとしか言えないだろう。
これだから年下はやめられない。
赤い顔で若干拗ねてる新一くんを端に寄せ、ベットに潜り込んだ。

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bkm

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