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80万打企画


ハンジ特製ジュース〜効能


「立てるか?」
「…は、い…。」


体が、熱い。
息が、苦しい。
思考が、止まる。
体の中心が………。


「立ったなら服を脱げ。全部な。」
「…え?」


リヴァイさんはそう言うとドカッ、とソファに座った。


「言ったじゃねぇか。」
「…」
「『俺の言うことを聞くならば助けてやる』と。」


リヴァイさんの言葉に。
その瞳に。
体の中心が、ザワリ、と、大きく疼いたのを感じた。


side Levi
ハンジが名前に飲ませたであろうセックスドラッグが地上で流通しない最大の理由。
それは、


「リ、ヴァイ、さん、」
「どうした?治してほしいなら、さっさと脱げ。」


服用した本人の意識が完全に飛び、記憶に残らない、と言うことにある。
つまり、ヤるだけヤっても、覚えてないどころか、そもそもにしてヤったと言う自覚すらない(最も特有の肉体的ダルさやある種の達成感のようなものは残るが)
そんなものが地上で流通してみろ。
クソ野郎共がヤリ逃げし放題だ。
だからこのドラッグの存在を知っているのは地下街を根城にしている奴らと、肥えた豚野郎共。
そして、取締をする役目のある憲兵の一部のみだ。
そんなものをなんでハンジの野郎が知ってたのかは知らねぇが、どうせ既に一服盛られちまってんだ。


「何してる?脱がないのか?」
「………」
「まぁ、お前がいつまでも辛かろうが、俺は一向に構わんがな。」


ならばそこは臨機応変に対処させてもらう。


「脱がないなら俺は風呂に」
「ま、待ってっ!」


俺を呼び止める名前は、顔を赤くし、さっき以上に息が荒くなってきている。
…乾杯の時に飲んだ、と言っていたから服用して3時間は経過している。
効き目が遅いのはハンジなりに薄めて飲ませたから、か…?
だがまぁ、今さっき効果が出てきと言うことはこれから少なくとも向こう2時間、起こる出来事を名前は明日の朝には綺麗さっぱり忘れている。


「なんだ?」
「い、行かない、で、ください…。」
「…今ここでお前が自分から服を脱ぐならばいてやらんこともない。」


俺の言葉に名前は小さく、わかった、と答えた。
その言葉を聞き、俺はソファに座り直した。
パサ、っと、まず兵団ジャケットが床に落ちる音が響く。
…………いつも思うんだが、こういう時に、団服のベルトは邪魔でしかない。
いや、ゲルガーあたりはそのもどかしさが良いなどとほざいて他兵団の女兵士に手出したとか失敗したとか言ってたな…。
如何にもあの馬鹿らしい。


「どうした?まだ残ってるぞ。」
「…………」


俺の言葉に名前は体を震わせた。
…………あのドラッグを飲んだのであれば、早い話一発ヤっちまえば多少は楽になるだろう。
だがそれじゃつまらん。
名前本人の意思は微塵も入ってねぇだろうが、あのクソメガネが「俺が1番喜ぶもの」と言った以上、それ相応に楽しませてもらおうじゃねぇか。


「し、たぎ、も、」
「俺は『全部脱げ』と言ったはずだ。」
「…………」


一瞬の躊躇いを見せながらも、目を伏せ、最後の1枚を脱ぎ捨てた名前。
…俺と同じように兵士としての訓練は日夜してるはずだが、柔らかそうな場所はそのままに見えるから、兵士であっても男は男、女は女ってことだ。
…まぁ最も、もう少し柔らかくなってもいいんじゃねぇか、と言う部分はなくもねぇが、そこはもう仕方ねぇ、こういうもんだと思っている。


「そこに座れ。」


突っ立ったまま両腕で胸と股を隠してる名前にベッドに座るように言った。
座った瞬間、シーツが体に触れたことで、体をビクつかせていた。


「…………」
「…………」


名前は俺以外の男と寝た経験がない。
むしろあったら相手の男の目ん玉くり抜いて歯も全部引っこ抜き爪を1枚ずつ剥いで同じように指も1本ずつ折っていくところからはじめ、死なねぇ程度に死にたくなるような思いを味あわせてやるつもりではいる。
それを未だ行動に起こさずに済んでいるという事は経験がねぇんだろう。


「………」
「……あ、の?」


あの人間のゴミ溜めを生活の拠点にしてりゃあ、いろんな奴に遭遇する。
性癖もその1つ。
普段自分を臭ぇくらいに化粧で塗り固めていても、蓋を開けてみりゃ化粧が醜いほど落ちてまでヒィヒィ泣き叫ぶことが好きなドMもいれば、生身の男じゃなく好んで家畜としかヤらねぇような女もいる。
そういう底辺の人間を見てきた分、コイツは余計ノーマルな、良いように言えば「純真無垢」な女。
それがコイツの良さだと思うし、変えようとは思わねぇが、ただたまに…。


「おい、名前よ。」
「は、い?」
「そこで股を開け。ここにいる俺にもわかるようにな。」


本当にたまに…、コイツを無性に、苛めて穢してボロボロになるまで泣かせたいと思う時があるから、俺もまだまだ「底辺の人間」なんだろう。
何も言わない俺に堪りかねたのか遠慮がちに口を開いてきた名前に次の行動を「指示」した。


「なんだ?出来ないのか?」
「そ、れは、」


そうこれは「あの場所」では日常的に行われていたであろうこと。
ただコイツには1度もそれを強いたことがなければ、そういう行為を教え込んだこともない。


「…………」
「…………」


無言の俺に、名前は股を擦り合わせるかのように動かした。


「お前が飲んだ薬だが、」
「は、い?」


突然の俺の言葉に、名前は声を裏返した。


「飲まされたのは恐らく、地下街でしか流通していないセックスドラッグ。」
「…せっ、くす…?」
「つまり飽きるほどイキまくれば症状は治まる薬だ。」
「………」
「『だから』俺がお前を助けてやろうと言っているんだ。」
「………」


赤い顔でこちらを見る名前は、状況を理解出来ているのかいないのか…。


「だが俺は今すこぶる機嫌が悪い。」
「き、げん、が、」
「あぁ。どこかのバカがあのクソメガネにくだらねぇこと吹き込んだせいで見世物小屋の見世物のような扱いを受けたからな。」
「そ、んな、つもり、」
「『そんなつもり』があろうがなかろうが、結果はそうだ。」
「………」


俺の言葉に、少し瞳を揺らす名前。
…あぁ、まだだ。
その程度じゃ、まだ足りない。


「名前。楽になりたいのならば力になってやる。」
「…」
「『だから』お前が俺をその気にさせてみろ。」
「…え、」
「その場で自慰して俺を誘ってみろ。」
「っ、」
「その気になったら、お前を助けてやる。楽になりたいんだろう?」


俺の言葉を正確に理解した名前は、みるみる困惑の表情を浮かべる。


「さっきも言ったが、」
「…」
「お前があの薬で辛かろうが、俺は一向に構わん。」
「……」
「そのままでいるか、俺をその気にさせるか今選べ。」
「……………」


ロウソクの灯りだけの静かな部屋に、名前の荒い、息遣いだけが響いていた。


「ど、」
「あ?」
「どう、すれ、ば…?」


俺を静止せず、だがはっきりと、名前はそう言った。


「俺がいつもお前にしてやっているようにすればいい。」
「…」
「簡単なことだろう?」
「……………」


そう言った俺に、ベッドの上で膝を立て、体を丸め座る名前は、何度か口を開いては閉じを繰り返した。


「………」


どのくらいの時間が流れたのか、スー、っと、名前は息を吸い込み、ゆっくりと自分の胸に手を持っていった。

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