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80万打企画


ハンジ特製ジュース〜その中身


「おい、ハンジ。」
「んー?なんだい?」
「このフザけた服着てやったんだ。俺が『1番喜ぶプレゼント』とやらをもらおうじゃねぇか。」
「あぁ、それ?んー…、もう少しじゃないかなぁ?」
「は?何がだ?」
「ま、部屋に帰ったらわかるよ!その時は私に感謝してよね!」
「…………」



クリスマス兼リヴァイさんのバースディパーティが終わり(片付けはリヴァイさんの一喝でハンジさんとモブリットさんでやることになった)部屋に戻る。
…ん、だけ、ど…。


「…なん、か…?」


いつもの階段、いつもの廊下を、いつものように歩いているだけなのに、息が上がってき始めた。
なんで、なんで、なんで…?


「…ハァ…」


部屋につく頃には、体温も、上がっているような気がした。
なんとか、ソファまではと進むものの、


「…っ、」


ソファにたどり着く前にへなへな、っと、足の力が抜けて床に座り込むように崩れ落ちた。


「…おい?どうした?」


私の後から部屋に入ってきたリヴァイさんが、私の異変に気がつき私の腕を掴みながら聞いてきた。


「リ、ヴァイ、さん、」
「……どうした?」
「か、らだ、が、熱く、て、」
「熱でも出たのか?」
「…んっ…」


そう言って私の隣に膝をつき、額に触れてきたリヴァイさんの手がひんやりと気持ちよかった。



side Levi
そもそも俺は自分の誕生日などどうでもいいことだと思っている。
祝ってもらう必要もなければ、祝ってもらいたいとも思っていない。
地下街にいた頃ならば、まぁ…、美味い酒が飲めるのであれば教えてやってもいいか、くらいな認識はあったが、ここに来てからはそういう感覚すらなくなった。
それを名前がしつこく聞いてくるから教えてやったんだが、


−誕生日おめでとーー!!!−
−兵長!おめでとうございます!!−


とんでもなくはた迷惑な展開が繰り広げられた。
しかもその後はテメェら1人残らず血祭りにするぞと言うほどフザけた衣装着せられてプレゼント配れだとぬかしやがる。
あの女…、ハンジにこんな馬鹿なこと教えやがったこと、徹底的に後悔させてやる。
そう思って部屋に向かった。
食堂を出る前の、


−ま、部屋に帰ったらわかるよ!その時は私に感謝してよね!−


ハンジのこの言葉に、異常なまでに嫌な予感しかしねぇのは、俺と同じ立場になったら皆思うことだろう。
部屋に入り、ドアを閉める(当然鍵も)
室内に一歩踏み出す前に、朝と変わりはないか見渡す。
………特に異常はないようだ。
名前を良いように丸め込んでアイツの鍵を使って侵入したわけでは、ないらしい。
ホッ、と小さく息を吐いた。
………直後、


ドサッ


名前がソファの手前の床に座り込んだ。


「おい?どうした?」


腕を掴み立ち上がらせようとした時、


「リ、ヴァイ、さん、」


…………どうとも形容しがたい、ただただ悪い意味での予感がした。


「どうした?」
「か、らだ、が、熱く、て、」
「熱でも出たのか?」
「…んっ…」


顔をやや蒸気させ、目を潤ませている名前。
確かに体温が高いような気がするが、これは…。


−もう少しじゃないかなぁ?…ま、部屋に帰ったらわかるよ!その時は私に感謝してよね!−


「おい、名前。」
「は、い…?」
「お前、ハンジから何か飲まされたか?」


俺の言葉に、ハァ、と息を吐きながら首を横に振った。
…俺の気にしすぎか…?


「あ、でも、」
「あ?」
「乾杯、の、時、に、ハンジさんが『私特製のジュース』って、渡して、くれました、けど?」
「…その『特製ジュース』とやらは、甘ったるい匂いのわりに、後味は酸味が効いててクソ不味くなかったか?」
「……リヴァイさん、も、飲んだんです、か?」


−ま、部屋に帰ったらわかるよ!その時は私に感謝してよね!−


……………あんのクソメガネェ!


「あ、の、」
「あ゛?」
「わ、たし、何か、病気でしょう、か…?」


動悸と体温上昇、何より…、


「……んっ…」


「触れられること」に対して極度に過敏になる。
…あの言葉といい、間違いねぇな…。
あのクソメガネ、地下街でしか売ってねぇセックスドラッグを名前に飲ませやがったな…。
ウォール・シーナ内でのみ生息する3種の植物の蜜を混ぜ合わせて作る「ソレ」専用ドラッグ。
地下街ではもちろんのこと、シーナのお偉方も利用してるもんだから憲兵も手が出せない国から黙認されたドラッグ。


−私が後で、あなたがきっと1番喜ぶであろうプレゼントを進呈しちゃうから楽しみにしててよ!−


…あの変態クソ女っ…!!


「リ、ヴァイ、さん、」
「…あぁ、お前は病気じゃない。安心しろ。」
「でもっ、」
「あ?」
「くる、しい、ん、で、す…。」


ハァ、と名前が息を吐く。
吐く息が熱い。
頬の紅潮。
体温の上昇。
浅くなる呼吸。
瞳ももう、零れ落ちる寸前まで潤んでいる。
……………あの馬鹿メガネ、明日覚えてやがれ…!!


「リ、ヴァイ、さ…、助、け、」


ハァハァと荒くなる息遣いを隠すかのように片手で口元を隠して名前はそう言った。


「…あぁ、そうだな…。」
「…ハァ…ハァ…」
「今のお前を助けられる方法は知ってる。」
「…ハァ…ハァ…」
「名前よ。俺の言うことを聞くならば、助けてやる。」


そう言った俺を見上げた名前の目から、涙が零れおちた。

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bkm

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