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80万打企画


治癒


「わ、かっ、て、ない…?」
「あぁ。」


リヴァイさんはそのまま、額に、頬に、とクチビルを落とす。


「お前のその顔は逆効果だ。」
「え?」


それはどういう意味ですか、と聞こうと息を吸い込んだ瞬間、


「やっ、」


リヴァイさんは私が両手首を縛られたまま隠していた胸に手を寄せそのまま揉みあげた。


「…お前少しデカくなったか?」


それは生理前で張ってるからですっ!!
…なんて言えるわけない私は、


「し、知りませんっ…!」


縛られた手首でなんとかリヴァイさんの手を払い除けようとしながら答えた(もちろん私なんかの力で払い除けられるわけがない)


「まぁ…、」
「んっ、」
「デカかろうが小さかろうがどっちでもいいけどな。」


そう言いながらリヴァイさんは、グィ、と私の両手首を掴んで頭の上で押さえつけるようにした。


「あっ!」


ベロリ、と乳首を舐め上げたリヴァイさんに、思わず声が漏れる。
今だ「喘ぎ声」と言うものに慣れない私はやっぱり、声が漏れてしまわないように奥歯を噛み締めた。


「…んっ…あっ、」


それでも習慣、と言うものは怖いもので…。
初めての時こそ声を堪えることが出来たけど、リヴァイさんと幾度と無く体と重ねたらリヴァイさんの手に、口に…。
堪えていても、どうしても堪えきれない時が、増えてきたような、気がした。


「名前。」
「…はっ、あぁっ…、」
「お前の言う『傷痕』とやらを俺が見てやる。体のすみずみまでな。」


まるで首元に噛みつくようにクチビルを寄せたリヴァイさん。
その行為に、声にならない声が漏れた。


「あぁ、そうだ。それともう1つ。」
「は、い…?」
「痛かったらすぐに言え。その時点で止める。」


こういうこと、リヴァイさん以外となんて経験があるわけでもないし、そもそもにしてリヴァイさんとだって、そんなに何度も何度もこういうことをしているわけじゃない。
…でも「その時点で止める」なんてこと、難しいことなんじゃないか、って。
私でも思うわけで…。


「あ、りが、とう、ござい、ます…。」


だけど、本当に「その時点で止めそう」なリヴァイさんに、なぜか感謝の言葉が口から零れていた。


「…っ、ん…あっ…」


体が全く痛くない、って言ったら嘘になる。
でも、それ以上に、リヴァイさんに触れてもらいたかった。
言葉通り、傷の1つ1つにクチビルを落としていくリヴァイさん。
その行為で、傷痕すら消えるんじゃないか、って。
本当に、そう、思った。


「名前。」
「んっ…、」
「こっちも触るが、右足動かすんじゃねぇぞ?」


私の耳元にクチビルを寄せながら、ショーツ越しに撫ではじめたリヴァイさん。
…本当に、慣れって怖い、って思うのは、こんな…、ベッドでもソファでもない、硬いテーブルの上だろうが、リヴァイさんの手に口に、反応を示して濡れてしまう、ってことだ。
それくらい、


「んあっ、」
「…傷が傷がと拒んでたわりに嬉しそうだな、おい。」


すでにそこが十分濡れていることが、自分でもわかった。


「だからその顔は逆効果だと言っただろう。」
「っ、」
「余計煽るだけだ。」


下唇を噛んだ私にキスを落としたリヴァイさん。
再び絡まる舌に、必死になって答えていると、いつの間にか両手首のスカーフが解かれているのに気がつき、そのままリヴァイさんに抱きついた。


「痛くないか?」
「…だい、じょう、ぶ、です。」


それからしばらくしてリヴァイさんは、念を押すかのように痛みを確認してきた。
それに頷きながら答えると、リヴァイさんが自分のベルトに手をかけた音が響いた。


「もう1度言うが、」
「は、い?」
「痛くなったらすぐに言え。その時点で止めてやる。」


相変わらず無表情で、淡々と言うリヴァイさん。
その額には汗が滲んでいて…。
さっき以上に「その時点で止める」なんて、無理だと思う。
…だけどそれでもやっぱり、本当に止めてしまいそうなリヴァイさんに、


「はい。お願い、します。」


たとえ痛かったとしても「止めて」なんて言う気がないのに、そう答えた。


「…あっ!…っん、あぁっ!!」


それを確認した直後、リヴァイさんがゆっくりと、私の中に入ってきたのを感じた。
こうして体を重ねる毎に、「気持ちよさ」と言うものが、なんとなくわかるようになってきた。
だけど今日は…。
それ以上に言い知れない、安堵感に包まれていた。


「体の傷も、大したことねぇじゃねぇか。」


事後処理に、体を拭いてもらっている時にリヴァイさんに言われた(自分で出来るって言ってもいつもリヴァイさんがしてくれている)


「そう、です、か…?」
「あぁ。もう包帯巻くんじゃねぇぞ、もったいねぇ。」


包帯もタダじゃねぇんだ、と言いながら私の着替えを差し出してきた。
それはすごく、リヴァイさんらしい言い方。
けど、


「今日で、終わりにします。」
「そうしろ。」


すごくホッとして、体の傷だけじゃなく、心の傷まで治してもらったような、そんな気分になった。

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