project


≫Clap ≫Top

80万打企画


治癒


「リヴァイさん、目が、悪いんですよ…。」
「普通だ。俺にはこの程度の傷無いに等しい。」
「…体にも、あるんです…。」
「たかが1回怪我して帰ってきたくらいでガタガタ喚くな煩ぇ。」


リヴァイさんはそう言いながら私の両手首を解放してくれた。
けど、自由になった私の腕はすぐにまた、リヴァイさんを捕まえた。


「リヴァイさん、」
「なんだ?」
「…なんでも、ありません…。」
「…………」


言いたかったのは、ありがとう、なのか、ごめんなさい、なのか、自分でもわからない。
ただ、泣きながら抱きついた私を、リヴァイさんは何も聞かずに優しく抱きとめてくれた。


「…………え?ち、ちょっ、」


しばらくの間私を抱きとめていてくれたリヴァイさんは、いきなり私を抱き上げたかと思うと、テーブルの上に座らせ、


「な、なにするんですか!」
「だから包帯取るんじゃねぇか。」


いきなり服を捲ろうとした。


「じっ、自分で取れます!」
「取れなかった結果が今なんじゃねぇのか?」


…それを言われたら、反論できない…。


「ほら、脱げ。」
「ち、ちょっ!やめてくださいっ!」
「…お前の裸なんぞ見慣れてる。脱げ。」
「そっ!…れ、と、これとは別です!」
「…………」


服を捲くろうとするリヴァイさんと、テーブルに座り必死に服を押さえる私。
両手で服を押さえ前屈みになった私に、リヴァイさんは大きなため息を吐いた。


「っ、」
「見てねぇから、脱げ。」


リヴァイさんは、私を自分の胸元に抱き寄せ、自分は顔を逸らしながら言った。


「…1人、で、出来ます。」
「お前が出来ねぇから取ってやるって言ってんじゃねぇか。脱がせるぞ。」
「っ、」


そう言うとリヴァイさんは私の服を捲り上げ一気に脱がせた。
服を脱がせ、こっちも邪魔だ、とブラも外した後、また自分の胸元に私を抱き寄せ、顔を逸らしたリヴァイさん。


「……………」
「……………」


とくん、とくん、とリヴァイさんの鼓動が聞こえた。


「おい、名前。」
「は、い?」
「お前どれだけ巻いたんだ?」


私の方を見ないまま、ぐるぐると手だけを動かしていたリヴァイさんが呆れたような声を出した。


「み、」
「あ?」
「見、えな、く、なる、まで…。」
「………」


私の言葉に、リヴァイさんはもう1度ため息を吐いた。
最後の一巻きを取り終えると、パサリ、と床に包帯が落ちた音が響いた。
咄嗟に両手で胸元を隠す私とほぼ同時に、リヴァイさんは着ていたジャケットを脱いで私の肩にかけた。
直後、


「ち、ちょっ!」


右足にギブスをしていたため、ズボンよりも着脱しやすい、と怪我をしてからは長めのスカートを履いていた私。
の、そのスカートをリヴァイさんは一気に捲り上げた。


「なんだ?」
「なんだ、じゃないですっ!何してるんですかっ!!」
「だから包帯を取ってやると言ってるだろう。」
「もう自分で出来ます!」
「…てっ!?」


なんとしてもスカートを捲ろうとするリヴァイさんに対し、なんとしてもスカートを死守しようと片手で胸を隠し、片手でスカートを押さえていた私。
…でも片手でどうこう出来るほど、「人類最強」の力は弱くないわけで…。
リヴァイさんを押しのけようと手を突き出したら、運の悪いことにリヴァイさんの顔に当たり、さらに運の悪いことに油断していたリヴァイさんの首を捻ってしまったようだった…。


「……………」
「…す、すみ、ま、せん…。」


首を押さえながら明らかにイラーッとしたオーラを放ちはじめたリヴァイさん。
……そもそもにして、あのリヴァイさんが油断していたとは言え「痛い」なんて言うこと自体、まずないと思われることで。
上半身裸で肩から兵団ジャケットをかけているだけって言うなんともおかしな格好を「させられている」私が追い詰められている気がするのは…なぜ…?


「…あ、あの、」
「…」
「っ!?…すっ、すみません…。」


もう1度、声をかけると、ギロッと首を押さえながら睨みつけて来たリヴァイさんと目が合い、思わず怯んだ。
リヴァイさんの迫力に俯いていたら、シュルッ、と衣擦れの音がした。


「テメェ、」
「は、はい?んっ!?」


リヴァイさんの声に上を向いた瞬間、リヴァイさんの顔が目の前まで着ていてそのまま口を塞がれた。


「…ふっ…」


そう言えば、怪我をしてから、と言うか、遠征に出てから、だから、リヴァイさんとこういうキスをするのも、なんだか久しぶりな気がする…。
ねっとり絡むリヴァイさんの舌に、胸を隠していたはずの両手はいつの間にかリヴァイさんの服を掴んでいた。
直後、


「きゃっ!?」
「…………」


リヴァイさんは私の両手首を掴んでテーブルの上に押し倒した。
起こった出来事に一瞬頭が真っ白になった隙をついて、


「…………」
「え!?な、なんっ、」


リヴァイさんに、スカーフで両手首を縛られた。


「人が下手に出てやったら調子乗ってんじゃねぇぞ、おい。」


俺に怪我させる気か?と言うリヴァイさん。


「そ、んな、つもりは…、」
「全部取ってやるから終わるまで大人しくしてろ。」


両手首を縛られたことで、身動きが取れなくなった私は、リヴァイさんにされるがまま状態で…。
手首を固定されていてお情け程度だけど、胸が隠れるような位置に腕を持ってきたのとほぼ同じタイミングで、リヴァイさんは私のスカートをずり下ろした。


「お前、どれだけ包帯巻いてりゃ気が済むんだ?」
「……………」


折れた足を固定している部分以外にも、ぐるぐると包帯は巻きつけてあって。
それを見たリヴァイさんは本日何度目かのため息を吐いた。


「……………」
「……………」


くるくると、リヴァイさんの手は器用に包帯を巻き取っていく。
どこを向いてみようもない私は、リヴァイさんから目を逸らし、半ば睨みつけるように月明かりが差し込む窓を見ていた。


「取れたぞ。」


パサリ、と言う音と共に聞こえたその言葉に、あれほど体中に巻かれていた包帯は、折れた右足のみになった。


「……………」
「……………」


リヴァイさんは私の手首のスカーフを取るなんてこともなく、ただ黙って、部屋に差し込む月明かりに照らされた、横たわる私の体を見ていた。
元々恥ずかしさがあったと言うのに、リヴァイさんのその行為に羞恥の限界を超えた私は、リヴァイさんから顔を背けたままみるみる滲んでいく視界に歯を食いしばった。


「名前。」
「…」
「…お前は本当に何もわかってねぇな。」
「え?」


今日1番のため息を吐きながら、リヴァイさんは私の目尻にキスをしてきた。

.

prev next


bkm

×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -