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80万打企画


刻印


「…っ、…ん…」


リヴァイさんは私の首筋に舌を這わせながら、ショーツ越しに何度か指を行ったり来たりさせた後、ショーツの中に手を入れてきた。


「…はっ、…っ…」


指の腹で、グリグリと、敏感な部分を撫でるように弄る。
今まで感じたことのない下半身から伝わる熱に、ただ必死に声が漏れないようにしていた。


「あっ、」


ぐちゅり、とでも言うような音を立て、自分の中に「何か」が入ってきた感覚に陥った。
その時に漏れた声に、再び指を口元に持っていき、そっと噛んだ。
ピチャ、とも、クチュ、とも言える水音が辺りに響く。
それと同時に、リヴァイさんの手が、忙しなく動くのを感じた。


「お、い?お前何してる?」
「………」


フッと私を見たリヴァイさんは、私が自分の指を噛んでいるのに気づいたようだった。


「我慢してねぇで声出せばいいじゃねぇか。」
「…」


ふるふると頭を振る私に、リヴァイさんがため息を吐いたのがわかった。


「名前。」
「…」
「別に俺しか聞いてねぇだろ。」
「…」
「…強情な女だな…。」


リヴァイさんのどの言葉にも頭を振っていた私に、リヴァイさんは呆れたような声を出した。


「指を噛むのは止めろ。お前に傷がつく。」
「…っ、」


口元に持ってきて噛んでいた右手人差し指は、うっすらと歯型がついていた。
リヴァイさんはそれを見て、私の右手人差し指を自分の口元に持っていった。
歯型がついた部分を舐めるだけの行為が、徐々に指の根元を舐め上げ、指先からすっぽりと、リヴァイさんの口の中に納まったいった。


「…………」
「…………」


私の指を咥えた状態で私を見据えるリヴァイさんに、ゾクリ、とした。


「噛みたいなら俺を噛め。」


じゅるり、と音を立てながら私の指を口から抜いたリヴァイさんはそう言った。


「俺の指でも、」
「んっ、ふっ…、」
「体でも、好きなところ噛んでいいぞ。」


そう言いながら、さっきまでの自分の行為を私にさせようとでもしているかのように、私の口の中に自分の人差し指を入れてきた。


「お前に噛まれたくらいで千切れるような体じゃねぇし。」
「ふっ…んぁ、」
「好きなところを噛め。」


そう言ってリヴァイさんは私の口に指を突っ込んだまま、私のお腹あたりを舐め、もう片方の手で止まっていた下半身への刺激を再開させた。
口の中の指はくねくねと動く。
舌先を引っかいたり、歯列をなぞったり。
それはもう無意味なことなのかもしれないけど、せめて涎が口外に流れ落ちないようにと、唾を飲み込んだら、リヴァイさんの指すら吸い込むような音が辺りに響いた。
それに対してリヴァイさんは体を起こし、お利口だ、と囁くように言った気がした。


「名前。」
「は、い…?」
「声を出すか、俺を噛むか、どっちにするか決めたか?」


いつの間にかショーツは脱がされ、見上げるリヴァイさんも、シャツを脱いでいた。


「俺としては、お前の喘ぎ声が聞きたいところだが、」
「…」
「だろうな。」


リヴァイさんの声に、私がもう1度首を振ると、リヴァイさんは無表情ながらも、笑ったような気がした。


「まぁ、いい。」
「…っ、」
「噛みたくなったら好きなところを噛め。」


そう言いながらリヴァイさんは私の片足を持ち上げ、グリッ、と自身を押し当ててきた。


「…くっ…」


リヴァイさんの短い嗚咽にも似た声の後、ズシリ、とそこが圧迫されていくような感覚が広がり、


「いっ、あっ!!」


鈍い痛みと共に、突き上げられるような、不思議な感覚が体中に伝わった。


「おまっ、…食いちぎる気じゃ、ねぇだろうな…。」


どこか掠れた声でリヴァイさんは言った。


「名前、」
「…っ、」
「ゆっくり息を吐け。」
「ぇ?」


リヴァイさんの言葉に、目を瞑り痛みを堪えていた私は、再びリヴァイさんを見上げるように目を開いた。


「…フー…」


私と目が合うと、こうするんだ、とでも言うように、ゆっくりと息を吐き始めたリヴァイさん。
それをなぞるように、私もゆっくりと息を吐いた。


「ゃあっ!?」


息を吐ききった直後、ズシリ、と、さらに自分の中に「何か」が入ってきたような、そんな痛みを下腹部が訴えた。


「名前。」
「い、やっ…!!」


想像すら出来なかった痛みに、パニックになった私は、リヴァイさんから逃れようとリヴァイさんの胸を思い切り押し上げようとした。
だけど、リヴァイさんはびくりとも動くわけがなく…。


「落ち着け。」
「…っ、」
「お前が落ち着くまで、何もしない。」


そういうリヴァイさんを、滲む視界で見上げると、優しく指の腹で涙を拭ってくれた。


「………」


そのまま、私の両頬を包み込むように触れ、何度も何度も、触れるだけのキスをしてくれた。


「………」


どのくらいそうしていたのか、自然と私の腕は、リヴァイさんの背中に回っていた。
チュッ、と、音を立てた後、


「…少しは落ち着いたか?」


いつもと変わらず無表情のままで、それでもすごく、優しい声で、リヴァイさんが聞いてきた。


「…」


黙って、こくり、と頷くと、いい子だ、と、リヴァイさんが小さく呟いた。


「じゃあ動くが、」


治まることのない下腹部の鈍い痛み。
それでも少し、現状を冷静に見ることが出来て気がついたのは、無表情なリヴァイさんの額が、びっしり汗を掻いていることだった。


「噛みたくねぇなら爪でも立ててろ。」


そういうリヴァイさんは、無表情ながらも…、どこか普段と違う、そんな気がした。


「…いっ、あっ、」


リヴァイさんは言葉通り、ゆっくりと腰を動かし始めた。
痛覚が大きいのか、羞恥が大きいのかわからない。
ただ自分で自分の声に驚いて、しがみついたリヴァイさんの体に、咄嗟に口を押し付けた。
そしてどのくらいそうしていたのか、幾度、そうしたのか、はっきりとは覚えていない。
ただ痛みと羞恥の狭間に滲む視界の先で、リヴァイさんが、とても切なそうな、ともすれば苦しそうとも取れるような表情をしていたことは、覚えている。


「…なんだ、気がついたのか?」


物音が聞こえた気がして、フッと目が覚めた私。
そう「目が覚めた」
と、言うことは、どの辺りからかはわからないけど、意識を失くしていたらしい…。


「す、すみま、せん…。」
「あ?何が?」
「ねて、しま、って…。」
「あぁ…。まぁ、遠征疲れもあるしな。」


起き上がりながら自分を見ると、すっかり服を着ていて。
一応拭いてから着せたけど気持ち悪いなら自分でやれ、とリヴァイさんに言われた。


「あ、りが、とう、ござい、ます…?」
「はぁ?」


一応、服を着せてもらったし、と思ってお礼を言ったら、リヴァイさんにお前何礼言ってんだ?くらいな勢いの言葉を投げられた。
その言葉に、チラッとリヴァイさんの方に目をやる。
下だけルームウェアを着て、脱ぎ捨てた服を片付けているようだった。
…………なん、か、不思議な感じだ。
意識を失っていたせいか、私にとっては本当についさっきの出来事なわけだけど、そのついさっきまで、リヴァイさんと…、なんて思うと、また体温が上がっていくのがわかった。
一通り片付け終わったのか、リヴァイさんがベッドに戻ってきた。
そのリヴァイさんと目を合わせるわけでもなく、チラリと盗み見るかのように見ると、


「あ…。」
「あ?」


鎖骨あたりにくっきりと、


「す、すみません、私っ、」


私の歯型がつけられていた。
そこに手をやろうとした時、リヴァイさんも自分の鎖骨を見て、あぁ、と短く言った。


「こんなにはっきりつけられたんじゃ、みっともなくて服脱げねぇな。」
「…す、みま、せん、」
「他の女のところなんぞもっての他だ。」
「すみま、……え?」
「おい、名前。」
「は、い?」


名前を呼ばれてリヴァイさんの顔を見ると、ランプの灯に照らされたリヴァイさんの顔はやっぱり、妖艶さを帯びていた。


「お前、責任取れよ?」
「…責、任…?」
「お前が残した痕がある限り、俺は他の女のところに行けねぇんだから。」


そう言うリヴァイさんはどこか、楽しそうにしているような気がした。


「それ、は、」
「なんだ?」
「…痕、を、つけ続けても、良い、って、こと、です、か…?」
「…さぁな。」


そう言うとリヴァイさんはもう1度私を抱き寄せ、キスをし眠りについた。
リヴァイさんに抱きしめられながら、チラリと目をやると、鎖骨のあたりには、まるで刻印か何かのように綺麗に歯型がついていて…。
それを隠すかのように、ピッタリとリヴァイさんの体に顔を寄せ、私も目を閉じた。

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