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70万打企画


wedding night


side H
なんだか不思議な感じだ。
「あの部屋」にいたときは、快斗くんの動き全てが嫌で、全てが無機質に思えたのに。


「…んっ…」


もし、私たちがあぁいうことなく、「普通の恋人」としておつきあいを始めていたとしたなら…。
快斗くんは本来、こういう風に触れてくる人だったんだ、って。
同じ人なのに、同じ温もりなのに、全く違うそれに少しだけ、戸惑った。


side K
なんだか不思議な感じだ。
「あの部屋」にいたときは、ただただ、俺に対して忌み嫌う目を向けていた子なのに。


「…んっ…」


もし俺たちが、あぁいうことなく「普通の恋人」として過ごすことが出来ていたなら…。


「…っ…あっ…」


こうやって、俺の手に、口に、全身に。
この眼差しを、最初から向けてくれていたのかもしれないと、過去の罪が胸を覆った。


side H
こういう時に、こういうことを思うのってきっといけないんだと思うけど…。


「…っ…あっ…」


今までこういう穏やかな雰囲気でにゃーにゃーしたのなんて新ちゃんだけなわけで。
その新ちゃんとどーしても比べると言うか…比べる?
いけない、っていうか失礼なことなんだ、って言うのはわかってるんだよ。
でもなんて言うかわりとおっぱい集中型な新ちゃんとは違って、快斗くんは満遍なく私の体に触れてくるし、すぐ服を脱がす新ちゃんとは違って、なんて言うか着衣プレイでにゃーにゃーするんだなぁ、とか。
どきどきどきどきしながらも、頭のどこかでは今までと違う快斗くんを、新ちゃんのそれと比べていた。
って、


「なななななななっ」
「うん?」
「何してるのっ!?」


私がぽやん、と思いを馳せていたら、快斗くんは少しだけ着崩れた服の隙間に器用に舌を入れて、


「何、って、脇舐めてんだけど?」
「やめてぇぇぇぇぇぇっ!!!」


べろん、と脇の下を舐められた…!


「…気持ち良くない?」
「えっ!?い、いやっ、気持ち良いとか悪いとかじゃなくて、そんな脇の下なんてそんなそんなっ!!」
「…そんな何?」
「えっ!!?だ、だだだだってそんな汗とかほら汚」
「え、さっき風呂入っただろ?」
「えっ!!!?い、いいいいいいいや、でもっ、」
「ほら、腕上げて」


ひぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!
べろーん、て。
快斗くんは脇の下を舐めあげた。


「脇の下も、」
「っ、」
「立派な性感帯なんだぜ?」
「…っ…やっ、」


二の腕あたりから脇の下をくるくる舐めたり指先でくすぐるように触れてくる快斗くん。
くすぐったさと、くすぐったさを超えた「何か」の狭間にいるようで、


「…っ、」


くすくすと笑う快斗くんに声にならない声が漏れた。


side K
「か、快斗くん、て、」
「うんー?」


名前ちゃんの脇の下を愛撫している時、


「プ、」
「ぷ?」
「プロのにゃーにゃー?」


猫語を話された。
…………………にゃーにゃーって、なに?


「だ、だだだだって、さっきの媚薬の話といい、」
「うん」
「わ、脇の下が性感帯、とか。く、詳しすぎ!」
「あぁ…」


昔からたまに名前ちゃんて理解するのに時間がかかることを言うけど、つまり今回のにゃーにゃーってーのはそういうことなわけね。


「俺もそれなりにしてたからな。女の子と『おつきあい』って奴」
「…」
「なに、意外?」


俺の言葉に名前ちゃんは一瞬目を見開いた。


「…い、意外じゃない、けど、」
「けど?」
「く、比べられたら、嫌だな、とか…思って、」


名前ちゃんの言葉に今度は俺が目を見開いた。


side H
そりゃあ普通に考えて、快斗くんて顔は良いし優しいしモテないわけないし彼女がいたって可笑しくないわけで(何より、もうそんな子供じゃないわけだし)
でもずっと新ちゃんとだけだった私ですらそう思ってしまうところがあるのに、快斗くんが他の女の子たちと比べてたらなんて思ったらもう凹むって言うか凹む。


「ははっ」


なのに快斗くんは私の言葉に軽く笑って体を起こした。


「な、なに?」
「…まだわかんねーのかなぁ?」
「え?」


快斗くんはそう言うと横になっている私の左足のふくろはぎあたりを持ち上げた。


「オメーは、」
「…っ、」


脛にちゅ、ってくちづけた後、徐々に足首へとそのくちびるを動かす快斗くん。


「俺にとって特別な女だったぜ?昔からずっと、な」


そう言って快斗くんは左足首の傷跡をちゅっちゅした。


「たとえ誰かと比べたことがあったとしても、」
「く、すぐっ、た…」
「オメーの圧勝」
「っ、ひやぁぁぁぁぁ!?」


そこまで言うと快斗くんは左足の指を舐めはじめた。


「く、くくくくすぐっ、」
「くすぐったさってーのは、つまり、気持ち良さの入り口、ってことだぜ?」
「あ、あああああ足の指なんて、汚いからっ!」
「どこが汚ぇの?」
「え?」
「名前ちゃんに汚ぇところなんて、何もねぇよ」
「…っ、んっ」


そう言って左足の指と指を丹念に舐める快斗くん。
……プロだっ!この人中道先生並みのプロのにゃーにゃーっ!!
快斗くんが与えるくすぐったさに足を引っ込めようとするけどそれをやすやす拒まれた。
困惑しながら見上げた視線の先で快斗くんが目を細めて笑っているのが見えた。

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