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もしも2人がえっちしたら前編


工藤くんとおつきあいをするようになってからしばらく。
…てゆうか「つきあう前」と「つきあう後」じゃ何も変わらなかった!
もっとこう、工藤くん優しくなるとか私にメロメロになるとか私にクラクラするとかいっぱいあるのに…!
相変わらずほっぺたびよーんてするし、チョップもたまにするし!
恋人になったとしても工藤くんは工藤くんだった…。
ただ、


「名前…」


にゃんこから黒豹に進化する時がある。
工藤くんはいきなりち、ちゅうとか?してくる。
正直タイミングがよくわからない。
だからって嫌いなわけじゃないし、む、むしろ嬉しい、し?
ぎゃー!言っちゃったっ!
口の中に現れる自由意思を持つ生命体にも慣れてきたものだ。


ドサッ


なんて考えてたら、ちゅうしたままソファに倒れこんだ。
…………えっ!?


「く、工藤くん工藤くん!」
「うん?」
「何なさるおつもりっ!?」


目を開けると、やっぱり工藤くんが真上にいて。


「…それ言った方がいいのか?」
「言わないでっ!やっぱり言わないでっ!」


にゃんこが野獣と化した瞬間だった。


「く、工藤くん、工藤くんっ!」
「うん?」
「ど、どちらかと言うとここではあんまりっ…!」
「…ああ、それもそうだな」


よ、良かった、諦めて


「えぇっ!?」


諦めたと思ったらいきなり抱っこされてベットに寝かされた。
ええええっ!?


「オメーさぁ、」
「な、なに!?」
「ちゃんと食ってっか?」
「え!?い、一緒に食べてるじゃん!」
「いや、夕方だけじゃなく朝と昼」
「た、食べてるよ!?」
「…の、わりに、相変わらず小せぇけどな」


苦笑いしながら、工藤くんが私の上に跨がってきた。


「名前…」


ひぃっ!!
み、みみみみ耳に息がっ…!!
工藤くんにぎゅってされた時はあっても、そんなこんな耳に息がっ…!!


「名前」


耳たぶの下辺りを工藤くんがちゅっちゅっして来る。
く、くすぐった…!
って、


「く、工藤くん!」
「うん?」
「左手がおかしい!」
「え?俺踏んだ?」


そうじゃなくてっ!!
あなたの左手!
今私の右胸を触ってるあなたの左手のことっ!!


「大丈夫か?」


ひぃっ!!
私の左手をとって指先にちゅうしたっ…!
なにこの人っ!?
なんかもう全てがいやらしいっ!!


「痛ぇ?」


そのまま手の甲、手首とちゅっちゅっする工藤くんに、ただ首を横に振るしかなく。
その私の反応をみて、すごく柔らかく、工藤くんが笑った。


「名前」


自分の彼氏に対して、女の私より色気があるんじゃないかって思った。
…なんて考えていたらいつの間にか工藤くんは私の首筋から鎖骨辺りに場所を変えてちゅっちゅっしてる。
ひぃっ!!
そんなこのままじゃ私丸裸にっ…!!
なんて思うのもつかの間、あっという間にブラ丸見えの格好にされた。


「…そうやってっと顔見えねぇんだけど」
「ヤメテ!」


両手で顔を隠してた私の手首をつかんで退かそうとする工藤くん。
そんなことしたら!!


「く、工藤くんは平気かもしれないけどっ、私恥ずかしくて死んじゃうっ!!」


きっと顔真っ赤!
うん、赤いじゃなく、真っ赤!
もしかしたら顔どころか全身真っ赤!!
だってすでに死にそうなほど恥ずかしいのにっ…!!


「オメーさぁ、」
「…」
「自分1人だけ緊張してるとか思うなよ?」
「…え?」
「ほら」


工藤くんが私の手をグイッと引っ張り、自分の心臓に手を当てた。


「…え、すごい音早いよ!?ポクポク言ってる!」
「ポクポクって…まぁいーけど。…心音早くて当たり前だろ?」
「え?」
「…好きな女に初めて触れるんだから、俺だって緊張してるっつーの!」


そういう工藤くんの顔を見たら、ほんのりピンクなほっぺたで。
…えっ!?


「な、なんか…」
「あん?」
「く、工藤くんて人妻と百戦錬磨なイメー痛いっ!」


思ったことを口にしたら、チョップされた。
…優しくないっ!
にゃんこ優しくないっ!!


「あのなぁ、」
「なに!?」
「…オメーはどうか知らねぇけど、俺は中学の時からずっと、手かかる1人の女しか見えてねーんだよ!人妻と遊んでる暇なんかねぇだろ!」
「……そ、それって私のこいひゃいいひゃいいひゃい!」
「他に誰がいんのか聞かせてもらえるか?」
「い、いにゃいれひゅ」


し、知らなかった!
工藤くん中学の時から私にフォーリンラブ!?
…ならなんでチョップするんだ、にゃんこめ!
こんな愛情表現嫌っ!


「とにかく!」
「うん?」
「…俺だって緊張してるし!…でも、」
「で、でも?」
「それ以上にオメーに触れたいし、オメーを知りたい」


この人は私をどこまで恥ずかしがらせれば気がすむんだろう…!
こんなほんのりピンクな工藤くんと違って、全身キムチかハバネロになった私はただ目を閉じて頷くしかなかった。

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bkm

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