■もしも初えっちをしたら
「キミが知らないこと、教えてあげる」
そう言いながら工藤くんの首に腕を回し口づけた。
少し、強ばっているように感じたけどそれもほんの一瞬のこと。
すぐに夢中になってキスしてきた。
舌が触れた瞬間、びっくりしてたみたいだけど。
「…」
「…」
自分からTシャツを脱いで工藤くんを見たら、フリーズしてた。
…その反応、ビミョーに困る。
「外す？」
「え？」
「ブラジャー」
「…え、」
「それとも外そうか？」
「……外す」
「そう？外し方わか」
る？って聞こうとしたら、抱き寄せられた。
ぎこちない抱き方が、なんとも言えない。
「わかる？外し方」
「…たぶん」
背中でもそもそ動く指の気配はあるものの、なかなか外れる気配がない。
あ、外れた…。
「…」
「…」
「…」
「…取るよ？」
「………はい」
なんでキミがそこまで緊張するかな？
服脱いでんの私なのに。
「ほんとに」
「うん？」
「…いいんですか？」
「うん」
「…」
「嫌だから我慢するってほど人間できてないから私」
「…」
手ブラで隠してるとは言え、私を見ようともしない工藤くん。
…地味に傷つく。
「ほら」
「えっ！？」
「好きなようにしていいんだよ？」
フリーズしてる右手を胸に持っていって触らせたら、かえってフリーズされた。
…この子ほんとにヤル気あるのか？
「…名前さんも鼓動早いですね」
「そりゃあまぁ…」
「ドクドク脈打ってる」
そう言うとやっと動く気になったらしい工藤くんはキスしながら押し倒してきた。
胸を触る両手も、首筋に触れるクチビルも、ひどく優しくて。
て、ゆうか
「もっとしっかり触っても大丈夫だけど」
「えっ？」
「…」
「いや、なんていうか」
「うん？」
「…強くしたら名前さん壊れそうだし」
どこの乙女だ、キミは！
ちょっと強く胸揉んだくらいで壊れてたら生きていけるわけがない！
…なんかこっちが恥ずかしくなってきたぞ。
なんて思っても、そこまで大切に扱われたことないもんだから、ちょっと感動してる自分がいる。
「…っん…」
工藤くんのクチビルが下に行き、胸に触れる。
手とはまた違う、この感触に私は弱い。
「あっ…」
「…痛いですか？」
「…大丈夫。続けて」
ピンポイントで攻められた乳首に反応して声が出たら、工藤くんが確かめるように顔をあげてきた。
…この子は本当に優しく触れてくる。
まるで真綿にくるまれたお姫さまになったような錯覚に陥いる。
「…っん…あ…」
口に含んだり、舌で転がしたり、指で摘まんでみたり。
執拗に胸を攻めてくる工藤くん。
だけど、人の欲求とはすごいもので。
それだけじゃ全然、足りなかった。
「下も」
「え？」
「触って？」
「…」
「新一くん」
「…はい」
工藤くんは一瞬目を見開いたけど、ゆっくりゆっくり手が下におりていきルームパンツ越しにお尻をやわやわ触ってきた。
確かに触ってるけどさ。
いや、でもね？
「そっちじゃなくて」
「え？」
「こっち」
お尻を触っていた工藤くんの左手をルームパンツとショーツの間に突っ込ませ下腹部に誘導した。
…男の人が処女に拘って自分好みに調教するってこういう事なんだろうか。
何故か処女を抱く男になった気分だよ、工藤くん。
「…布越しでも湿ってるのがわかる」
「うん。あっ…」
ショーツ越しにやわやわと指が前後する。
たまに、クリトリス周辺で立てる爪に快楽の波が迫ってきた。
でも
「直に、触って」
「え？」
「お願い、」
「…」
「新一くん」
「…はい」
ショーツの中に少し指先の冷たい工藤くんの手が入ってくる。
じわじわと擦るように。
「すげ…、濡れてる」
「う、ん…。キミの手が気持ちイイって、全身で言ってるんだよ…」
「…名前さん」
「…んっ」
「名前さん」
「あっ…っ…はぁ…」
自分のTシャツを脱いで、私のパンツも脱がせる。
その慣れないながらも一生懸命なところがなんだか微笑ましい。
「ねぇ」
「はい？」
「横になって」
「え？」
「キミも気持ち良くしてあげる、新一くん」
顔全体で？？？って言ってる工藤くんを横にして、服越しに触る。
「ち、ちょ、」
「うん？」
「お、俺は別にいいから」
「なんで？」
「え？」
「1人だけ気持ち良くなるなんて嫌だし」
「嫌、って言われても」
「大丈夫」
服越しにクチビルを押し当てると、工藤くんがビクッと震えた。
「名前さん、ほんとに…っう…」
「…気持ちよくない？」
「…っく…」
私の頭を押さえる工藤くんが、短い悲鳴を漏らす。
「キミ知ってる？」
「な、にを…？」
「女に所謂Gスポットってのがあるように、男にもあるのを」
「…っ…はっ…」
「進化の途中でそこだけ切り離されちゃって今も進化も退化もせずにそこだけ残ってるんだって昔聞いたことあるんだけどね、」
「…っ…」
「…肛門の中、人差し指第2関節分入れたところにある突起」
「…名前さんっ…」
「ここ刺激すると、」
「…っうっ……はぁ、はぁ…」
「イケるでしょ？」
短い吐息と共に白濁色の液体と特有の臭いがあたりを包む。
…私あんまり好きじゃないんだよね、飲み込むの。
「す、すみません…」
「は？何が？」
「いや、あの…」
「大丈夫、キミ若いから」
「え、」
「ほら、もう使えそうでしょ」
さすが現役高校生。
これくらいじゃないと、ねぇ？
「じゃあ新一くん、」
「はい？」
「お姉さまが筆下ろししてあげてよ？」
「ぅわっ！？」
ドン、と体を突飛ばし、ベットに横にさせる。
「ん…」
自分で動かなきゃいけない分面倒と言えば面倒だが、その分自分が気持ち良い方に事を進められる。
それが騎乗位の醍醐味だと私は思う。
「…あっ…んっ…」
「…っ…名前さんっ…」
自分の腰の動きも、私の腰を支えながら上下に動かす工藤くんの腰も徐々に小刻みになって。
人間は本能で「快楽」の仕方を知ってるのかもしれない。
そんなことを思った。
「どうだった？お姉さまの筆下ろし」
「…うん、まぁ、なぁ…？」
まだまだ赤い顔の工藤くんがこくこくと頷きながら答える。
…てゆうか筆下ろしでいきなり騎乗位ってありなのか？
正常位でさせてあげた方が良かったのか？
…まぁ、いいか。
終わったことだし。
「…キミ眠いの？寝ていいよ」
「…名前さん、」
「何？」
「…ここに、いてください」
「………おやすみ、工藤くん」
明日はこの子より早く起きて気持ち切り替えなきゃだな。
まだあどけなさの残る名探偵の瞼にキスをし、私も目を閉じた。
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bkm