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30万打企画


工藤探偵事務所・真夜中の事件簿


side H
新ちゃんのちゅうは、いつも熱っぽい。…気がする。
つきあってから、いっぱいちゅうするようになって。
でもどれも、全部全部、胸をキュッとするちゅうだ。


「なん、か、」
「うん?」


新ちゃんの右手が、私のおっぱいをやわやわ撫で上げる。


「…こういうことすんの久しぶりじゃね?なんでだ?」


むにゅ、っておっぱいが形を変えた気がした。


side S
別に性欲が無くなったわけでもなければ(そんな歳じゃねぇし!)名前に魅力を感じなくなったわけでもない。
だが…。


「こういうことすんの久しぶりじゃね?なんでだ?」


俺がフッと思ったことを口にしたら、


「いってぇ!!」


名前が右手で俺の頭をチョップしてきた。


「テメー今思いっきりチョップしただろ!?」
「ナニソレ!自分悪くないのになんでヤらなかったんだっけ?みたいな言い方!!新ちゃんがいつもいつも事件だ志保ちゃんだって家にいなかったからでしょ!?」
「え、」
「私がさせなかったみたいな言い方しないでよっ!!そんな人もう知りませんっ!!」
「あ、ちょっ、」
「触らないでっ!!」


覆い被さっていた俺の腹をパンチして、名前がプイッと横を向いた。


side H
なに、なんなの!
私がさせなかったみたいな言い方!!
新ちゃんがいっつも忙しそうにしてたり、疲れた感じだったから私は私で自分の部屋で寝てただけなのにさっ!!


「わ、悪かったって…」


自分の方に向かせようと、私の肩を掴む新ちゃんの手をパッと払った。


「なぁ名前」


ふん!と背中を向けた私を、後ろからキュッ、て抱き締めてきた。


「俺が悪かった。ゴメン」
「…」
「機嫌直してくれよ…」


後ろから抱き締めて、肩や首をちゅっちゅする新ちゃん。
…新ちゃんは、ズルいと思う。
確かに私を捜しに来てくれたけどさ。
…結局、私の好きの方が、新ちゃんの好きより大きいから、こうやってぎゅっ、てされたり、ちゅっちゅされたら、胸がキュッてなって、許しちゃうんだもん。
新ちゃんは、それを知っててやってるような気がする。
新ちゃんの手で、ゆっくりと体を反転させられた。


side S
「…んな顔すんなよ…」


俺の方を見た名前は、どこか顔を赤くしてクチビルを噛んでいた。


「…元々こういう顔だし」
「どうしたら許してくれる?」
「どうしたら、って、」


口を尖らせてる名前の頬にキスをした。


「オメーがしてほしいことや、言ってほしいこと、なんでも聞いてやるぜ?」


俺の言葉に、漆黒の瞳が動いた気がした。


side H
私はやっぱり新ちゃんが好きで、新ちゃんに思われてることを実感したいだけなんだと思う。


「オメーがしてほしいことや、言ってほしいこと、なんでも聞いてやるぜ?」


きっと和葉ちゃんに言ったら「そこで許したらあかんて」って言われそうだけど、新ちゃんのその言葉に、心が動いた。


side S
「な、」
「うん?」
「なんでも聞いてくれるの?」


俺の言葉に返事した名前。
小さく安堵の息が漏れた。


「おぅ!何してほしい?」
「…じ、じゃあ、」
「うん?」
「さっきの、」
「さっき?」
「バ、バスルームの前で言った言葉!」
「え?」
「い、今ここでもう1回言って!」


…バスルームの前で言った言葉?
帰るぞ、じゃあ、ねぇよな…?
えぇーっと、名前がもう1回聞きたいような台詞、何言ったっけ?
確かあの時


−オメーは「工藤新一」の人生に必要不可欠な女だ−


数時間前の自分の言動を思い返し、頬が引きつった気がした。


side H
「バ、バスルームの前で言った言葉!」
「え?」
「い、今ここでもう1回言って!」


そう言った私に、


「…」


新ちゃんは無言で顔を引きつらせた…。


「お、俺あの時1度しか言わねぇって言ったよな?」
「…じゃあもういいよ!」


新ちゃんはこういうこと、ほんとに苦手なんだと思う。
だからほんとに困った要求なんじゃないかなぁ?
けどさ…。
これくらいのワガママ(新ちゃんにしてみたらすごいワガママ?)聞いてくれても罰当たらないと思うのに。
相変わらず私の上にいる新ちゃんからプイッて顔を背けた。
直後、


「いたっ!?」


両手で顔を掴まれて新ちゃんの方に強制的に向かされた。


「いったいな!何す」
「いいか!?ほんとにもう言わねぇからよく聞けよ!?」
「え、」
「バカだし、どっかヌケてるし、信じられねぇくらいバカだし!」


…この人今「バカ」って2回言った!


「自分でもなんでかなんかわかんねぇけど、」


実は私を怒らせたいんじゃないの!?
って、思った直後、


「オメーは、俺の人生にいてもらわなきゃ困るんだよ!」


薄暗い部屋の中でも新ちゃんが赤い顔してるのがわかった。


side S
言い切った後で(いや、実際は言う前からか?)顔に熱が集まったのがわかった。
組み敷いてる名前がパチパチと何度か瞬きしていた。
…くそっ!


side H
新ちゃんが、もう言わねぇ!と私から離れてベットに身を沈めた。
…どこまでも偉そうな人だ。
でも、


「仕方ないなぁ!」
「…」
「一緒にいてあげる!ふへへへ」
「…頭悪そうな笑い方すんな」


ジロリ、と私を睨む新ちゃん。
でもその目は全然、怖くなかった。


「新ちゃん」
「あん?」
「新ちゃんは?何してほしい?」


すっかり気分がよくなった私は、にっこにこで新ちゃんに尋ねた。
…のが、間違いだった。


「…じゃあ今日は名前主導で」
「……え?」
「俺は一切手出さねぇからオメーに任せたぜ?」
「えっ!?」
「んじゃあ、手始めにキスだな。濃厚なの頼むわ」


私を自分の上に跨がらせて、にやにや笑ってる新ちゃん。
何をどう言っても、こうなった新ちゃんに逆らえないのは、誰より自分が知っている。


「じ、じゃあ、」
「濃厚な奴な」
「…もう喋っちゃダメ」
「へーへー。…ん…」


下になっている新ちゃんが、私の頭を撫でつつ漏らす吐息を聞きながら、新ちゃんご所望の絡みつくような「濃厚」なちゅうをした。

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