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10万打企画


もしもお泊まりデートしたら@


−キミのおこした奇跡
side H
ある日の昼下がりのこと。
工藤くんはいつものようにソファで優雅に本を読んでいて。
私はいつものように課題を片付けていた時。


「なぁ」
「うんー?」
「今週末、さ、」
「うん」
「…泊まりこねぇ?」


にゃんこが再び猫語を話だした。


side S
だって俺たち2人とも一人暮らしなんだぜ?
なら別に泊まり来たっていーじゃねぇか!
朝まで一緒にいて何が悪い?
…てゆうか朝まで一緒に、いてぇなぁ、とか。
思うのは俺だけか?


「と、とまっ!?」


まぁ…、予想の範囲内の反応だ。


「週末うちに泊まらねぇか、って聞いてんの。週末の予定は?」
「べ、別にない、けど、」
「んじゃあ決まりな」
「えっ!?」
「…なに?」
「あ、いや…、別に…」


明らかに戸惑ってる名前。
フツーさぁ、女の方がこういうの乗り気にならねぇ?
なんか地味に傷つく…。


side H
じゃあ金曜の夜からな?って工藤くんに念押されてその日は解散した。
ど、どどどどうしよう!
別に工藤くんとはすでににゃーにゃーしてるから関係ないと言えば関係ないんだけど、それでもそんな朝まで2人なんて新婚さんいらっしゃいっ…!!
そんな何を用意すれば


「ああっ!金曜からってことは2泊コース!なら勝負下着が最低2枚必要!!買いに行かなきゃ!!」


工藤くんはいかにも!な、Tバックぐぃ!や、スケスケ下着はどちらかと言うとお嫌いなようで。
清楚かつセクスィダイナマイト!な下着に興奮しなさるようで…!!
明日ちょっと下着屋巡りしなければ…!!


side S
「え?1人で帰る?」


昨日お泊まりデートを提案(ていうか強要?)したら、翌日の下校時1人で帰る宣言をされた。


「う、うん。ちょっと買わなきゃいけないもの忘れちゃってて…。1人で買いに行きたいんだけど、」


…嘘、は、言ってないような気はするけど、俺避けられてる?


「で、でも明日は一緒に帰って夕飯一緒に食べようね!」


って、わけでは、ないみてぇだな。
…泊まりの誘い、早かったのか?


side H
工藤くんと別れていそいそと下着屋へ向かう。
一応つけられてないか後方確認も怠らない(だって相手はプロの探偵!)
オメーわざわざ下着買いに行ったのか?なんて、購入現場を見られたら恥ずかしくて工藤家の庭に落とし穴を掘って工藤くんを落として埋めると思う!


「お客様の場合お顔が可愛らしいのでギャップを狙ってこういうタイプの下着とかいかがですか?」
「い、いえ、あのっ」
「はい?」
「彼がこう、いういかにも誘ってます!って言うのを見ると元気がなくなってしまう人なんです…!」
「ああ…」
「だ、だからもっとこう、清楚な感じかつ色気も忘れない!って雰囲気の下着が…!」
「…でしたらこちらの下着とかは、」


状況を把握してくれたお姉さんが、清楚かつセクスィな下着を見せてくれた。
…これだ!


「コレにしますっ!」
「ありがとうございます」


こ、これで週末は新婚さんいらっしゃい…!
…ああっ!
エプロンも新調した方がいいのかな!?
はっ…!!
パジャマもお揃いがいいとか!?
あああ!!
どうしたらいいんだろう…!!
う、うーん…。
こういうことで相談できる人、相談できる人…、いない…。
私の周りみんな男運ないっ…!!
あっても相手は京極さんのような落ち武者!!(あれ?武士だっけ?)
どうし…あっ!!


「ソレで私のところに来たわけデスネ〜!」
「は、はいっ!!」


私の知り合いの中で1番のフェロモン(有希子さんは除外。だってまさか彼氏のママにお泊りデートの相談なんてできない!)ジョディ先生(もう先生辞めちゃったけど)のところにお邪魔した。
相変わらずなフェロモン!と胸チラな服を見て思いながらも、ジョディ先生の出すcoffee(コーヒーじゃなくcoffee)を口にした。


「darlingの家に初めてのお泊りなんデスネー!」
「…や、初めてってわけじゃ…」


勉強合宿とかあったし…。


「ソウデスネー、私なら、可愛いpantiesを買う、くらいデスカネー」
「え!?パジャマは?エプロンは!?」
「nonnon!服でせっかくの可愛いbodyを隠したらdarlingガッカリしマース!」
「そ、」


そんな高度なっ…!
いきなり下着で待機っ!!
さすがアメリカン!!!


「でも名前サン」
「は、はい?」
「1番大切なのは、自分の気持ちデース!」
「き、気持ち…」
「darlingが大好きでこの人と一緒にイタイと思う気持ちが大切デース!…それが伝われば、どんな格好でもdarlingの愛をきっと得らマースヨ!」


そ、それなら誰にも負けないっ…!!


「それにdarlingの服を借りるのも、お泊まりデートらしくてイイんじゃないデスカー?」
「そうか!その手がっ…!」
「参考に、ナリマシタかー?」
「は、はいっ!ありがとうございます!」


じゃあ後は、当日の料理を何にするかで悩まなければ…!


「good bye!」
「あ、はい、さようなら!」


ジョディ先生にさよならして、マンションで料理本と格闘すべく家路を急いだ。

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bkm

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