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10万打企画


もしも2人がアドバイスしたら


side Heroine
学校も休みだし、明日みんなでトロピカルランドに行こうって、和葉ちゃんと服部くんがわざわざ大阪から来てくれた。
そして服部くんは工藤くんの家に、和葉ちゃんはうちに泊まることになって明日ねぇ!ってバイバイして、現在和葉ちゃんと2人私の部屋なう。
お風呂も入ってさっぱりして、明日早いしもう寝ようか?って時。


「なぁ、名前ちゃん」
「うんー?」
「あ、あんな?聞きたいことがあんねんけど、」
「うん、なになに?」
「………名前ちゃんて、工藤くんとどこまでいったん?」


和葉ちゃんが頬染めながら尋ねてきた。


「…それはロスまで行きました、っていう方のどこまでじゃ、」
「ないて!何言うてんの!」
「だ、だよね…?」


顔を赤くした和葉ちゃんがくわっ!と私に迫ってきた。
うん、そっちじゃないだろうなぁとは思ったんだけどね。


「突然どうしたの?」
「…どうした、っちゅうか、」
「うん」
「あ、あんな!」
「うん?」
「私と名前ちゃん親友やねんな!?」
「うん」
「もうどしたらえぇかわからへんねん!助けて!!」


side S
明日はみんなでトロピカルランド行くとかで、わざっわざ服部と和葉が上京してきた。
部屋余ってるし、オメーらもうち泊まるか?って聞いたら女の子は女の子で話があるんでダメです!と名前にあっさり断られた。
…そういやアイツ、ロスやハワイの家に泊まったことはあるけど、ここに泊まったことってねぇよな。
いや、勉強合宿でならあるんだけど、そういうんじゃなくて、フツーに恋人としてのお泊りデートって言うの?
そういうの、アイツしねぇんだよなぁ…。
たまにはいーじゃねぇか、とどこか寂しいような感情に包まれてるのは確か。


「なぁ工藤」
「あん?」


そんなわけで服部と2人酒飲みながら(服部の手土産。コイツが大阪府警の本部長の息子とかバレたらオヤジさん泣くぞ…)自分が解決した事件のこととかいろいろ話してたわけだけど。
服部がどこか改まって俺に話しかけてきた。


「ちょぉ聞きたいことあんねんけど、」
「あー?なんだよ」


この酒うめぇな。


「お前名前ちゃんとどうやってヤッてるん?」


ブハッ!!


「汚いやっちゃなぁ!何噴出しとんねん!」
「お、おぅ、悪ぃ…。じゃなくてなんだよ突然!」


思わず口にした酒を噴出してしまった。


「…べ、別になんもあらへんがな」
「そーかぁ?」
「ただ少し、周りはどーなんか気になるやろ!」


まぁ…言ってることはわからなくもねぇけどな。


「俺たちは別にフツーだぜ?」
「フツーて?」
「フツーにうちで一緒にいる時になんとなくそんな雰囲気になるからそのままガバッと」
「…」
「オメーらは?」
「え!?」
「え?じゃねーよ。人の聞いたなら自分のも話せよ」
「……じ、実は、」


side H
「私かていつかは平次と、て思うよ?でもあかんねん!どーしてもそういう雰囲気になると笑ってもぉて」
「そ、それは…」
「なぁ、名前ちゃん、私どうしたらえぇ?」


side S
「俺が今日は笑わん、イケる!思たら今度は和葉が爆笑しよるやろ!?どーもこーもそういう雰囲気にならへんねん!」


つまり、だ。
お年頃な服部たちもそれなりにイイ感じにはなるけど、そこからはどうもこの大阪漫才夫婦はお互いの真剣な顔に爆笑して先に進まねぇ、と。
…んなこと俺に聞くなよ。


「おい、工藤!お前聞いてるか!?」
「聞いてる聞いてる」


つーかコイツら俺たちよりつきあうの早くなかったか?
未だキス止まり…。
それは確かに不憫だ、服部平次…。


side H
「名前ちゃんはどうやった?」
「どう、って、最初?」
「うん」


和葉ちゃんは私が出した紅茶のカップを握り締めたまま、私に顔を合わせずに聞いてきた。


「…されるがまま?」
「参考にならへんやん!」
「ご、ごめん…」


マグカップ割れるんじゃ…、な勢いで握り締める和葉ちゃん。
うーん…。


「で、でもね、」
「うん?」
「最初は、ほんとに恥ずかしくて、ほんとに…工藤くんにされるがままだったから、」
「…今は?」
「……そんなこと言えないっ!!」


今なんてもう!
サンドバイエルンやこうしてください、って工藤くんにおねだりしたりなんてもうぎゃーっ!!!


「でもそれって工藤くんがちゃーんとリードしてくれてる言うことやろ?」
「え?」
「…平次はなんや一緒に笑い転げて終わりやし…」


side S
「でも俺も最初軽く拒否られたけど?」
「ほんまかソレ!?」
「おー。『工藤くん何なさるの!?』とか言われたし!」
「おまっ!それでも無理矢理名前ちゃんをっ…!!」
「無理矢理じゃねーっての!合意の上だ、合意の上!」


服部がこの鬼畜!ってくらいの目を俺に向ける。
鬼畜じゃねーって!


「つーか、」
「あん?」
「オメーがもう一気にガッと行動に出ればいいだけの話じゃねーの?」
「おっま、簡単に言いよるけどなぁ!」
「だってさー、」
「なんや?」
「オメー我慢できるわけ?俺は無理!」


他の欲求にはない、独特のあの感情。
彼女いんのに性欲を抑えるのって、無理だろ。


side H
「で、でもそのままじゃれあってたらそのうち気がついたら…に、ならない、か、なぁ?」


和葉ちゃんの話によると、そういう雰囲気になるたびに毎回どちらかが爆笑して終了、らしい。
私たちは、「そういう雰囲気」になった時に一気に最後まで、だったからあんまり参考にならない気もする、けど。


「そんなんしたら笑いすぎておなかがいたなって、動かれへんやん」


ならそんなに笑わなきゃいいのに…。
って、思うけど、本人は真剣なんだよね、きっと。


「それもいいんじゃないかなぁ、って思うよ?」
「え?」
「なんかさ、犬や猫みたいに?じゃれて笑いながら転がって気がついたらち、ちゅうとか?それってすっごいラブラブじゃないと出来ないことだと思う!」


そもそも「じゃれる」ということ自体が愛がないと出来ないし!


「そ、そぉなんやろか?」
「そうだって!…だから笑うなら笑うで、そのまま服部くんと気が済むまで一緒に笑ったらいいんじゃない?」
「うーん…」
「あとは服部くんにされるがまま!」


そしてめくるめく大人の1ページ!!
ぎゃーーーっ!!!!


side S
「まぁさ、もうオメーらのキャラ的に笑うのは仕方ねぇとして、」
「キャラてなんやねん!」
「そのまま笑いあってじゃれてた延長でいけばいいんじゃねぇの?」
「じゃれた延長でて、」
「あのなー、そういうのは勢いも必要だって!タイミングやムード待ってたらいつまで経ってもできねぇぞ?」
「勢いなぁ…」
「案外和葉ちゃんも、多少強引でもオメーの出方待ってっかもしれねぇぞ?」


納得したのかしてねぇのか。
服部はそのまま黙って寝る体勢に入った。
…ま、後はオメー次第、ってことで。
一応、友人としては応援しててやるぜ?



後日


from:和葉ちゃん
sub :あかん!
本文:名前ちゃんが言うた通りにとりあえず一頻り笑って、平次も一緒に笑って、なんやイイ雰囲気になってん!ほんでちゅーされる!って思た時、平次に頭突きされてその勢いで後ろに倒れて後頭部打ってん!もう痛くて痛くて雰囲気も何もあらへんやん!!そこで台無しやで!!

from:服部
sub :あかんて!!
本文:工藤の言う通り勢いで!て思たら和葉の石頭に頭ぶつけてん!!その拍子に和葉が後ろに倒れて頭打ったさかい機嫌悪ぅなってそれどころやないやん!!どないしてくれんねん!!!


「(この2人…)」
「(コイツら…)」
「「(ほんとにアホだ…)」」

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