初詣

今日は立海テニス部のみんなと初詣


ここ湘南地域は雪が積もることはないけどやはり肌寒い

私は撫子ちゃんと目的地である神社へ向かう


「まいちゃんは何をお願いするの?」

『うーん...これからも健やかに過ごしていけますように、とかかな』


やっぱり元気でありたいし、テニスを頑張るみんなのためにもマネージメントを休むわけにはいかない


それに丸井くんに会いたいし...


「まいちゃんらしいわね」

『あとは今年も全国制覇してほしいなって思うの』


立海テニス部が全国優勝したということもあり、受験する学生が去年の倍近くいるらしい



そんなことを考えながら神社へ向かうと少し先にテニス部のみんながいた


「あけましておめでとう、桜宮さんに香山さん」

『あけましておめでとうございます、今年もよろしくね幸村くん』


どこを見渡してもある人がいない


「ブン太なら屋台周りに行ったぞ」

またか...

けれども丸井くんにとって屋台は宝の山のようなものなんだろうな


「また探しに行く?」

『しばらくしたら帰ってくると思うな...』



するとこちらに向かって走ってくる一際目立つ赤色の髪が見えた

「わりぃちょっと並んじまった!」


その両手には豚汁が2つ



「あけおめ桜宮!今年もシクヨロ!」

そう言って両手に持っている豚汁の1つを渡してくれる


『うん...よろしく、丸井くんコレどうしたの?』

「きっと寒いだろうし桜宮が来る前に買っといたんだ。冷める前に食えよ?」


私だけもらうのもなんだかな...

「いいじゃないまいちゃん!ボーッとしてると冷めちゃうわよ」


「じゃあ俺たちは先に参拝しているよ、丸井たちは後からおいで」

気を利かせてくれた幸村くんに感謝だ


そう言って彼らは本堂へ向かい、私たちは近くにあるベンチへ


「あったけぇな〜」

もう食べ終わってしまった丸井くん

本当に冷める前の前くらいに食べ終わった



「もう俺たちも2年になるんだな」

『丸井くん先輩になるんだね』

「桜宮もだろい」


3学期はあっという間に過ぎてしまう

小学生の頃よく担任の先生が1月は“行く”、2月は“逃げる”、三月は“去る”って言ってたなぁ


たくさん思い出があった1年生が終わってしまう


「俺さ、桜宮に出会えてマジでよかった」

『私もだよ、たくさんのはじめてをくれた』


丸井くんに出会わなければ今頃家で年始の特別番組を見てただろう

そして何も惜しみなく進級する


けれど今は違う


失いたくないものが多くて、丸井くんとクラス離れちゃったらどうしようって...


「クラス離れても部活で会えるし桜宮がマネージャーになってくれてよかったぜぃ」

『そうだね、いつでも会えるんだね』

「おう!会いたきゃいつでも会いに来いよ?」



嬉しいな、丸井くんにこんなこと言ってもらえて

私本当に幸せ者だな



「んじゃ、そろそろ俺たちも参拝行くか」

『うん!』


豚汁の温もりと丸井くんの優しさで体がポカポカになった




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