関東大会とその後

この夏休み、立海大テニス部は関東大会決勝に向けて厳しい練習をしていた


見事レギュラー入りした丸井くんも先輩方に負けじとついていっている


なんで私がそんなことを知っているのかと言うと幸村くんに見学を誘われたからです



もちろん撫子ちゃんも一緒に


私は今ジャッカルくんと丸井くんの形式練習を見ている


「妙技、綱渡り」

「鉄柱当て」

次々と丸井くんの妙技が繰り広げられていく



「今日はよく出すな、妙技」

「決勝のオーダーに組まれてえし!あわよくばカッコイイって思ってもらいてえし!」

「後者が本音だな」



やっぱり丸井くんがテニスをしている姿はカッコイイ

ずっと見ていたいな













立海は見事に関東大会決勝まで勝ち進んだ



残念ながら丸井くんはオーダー入りしなかったけど今までの練習は何一つ無駄じゃない


そしてみんなの努力もあって優勝


次は全国大会

私のクラスメイトたちが全国に羽ばたく日が来ると思うと何だかすごい人たちと知り合ったなって思う





関東大会も終え、夏休みも終盤


そろそろ二学期が始まる

また当たり前のように丸井くんと会える日が来る



すると撫子ちゃんからメッセージが届く



“まいちゃん今週の日曜日の夜暇?”


何も予定ないな


なんせお友だちと言える人は数人しかいないので...


特に予定はないよ、と返信する



すると一緒に花火を見に行こう!というお誘いだった


花火かぁ

いつも部屋の窓から見るか音だけ聞いていたんだけど

誰かと外で見る花火っていつぶりだろうか



撫子ちゃんと見る花火楽しみだなぁ


















珍しく浴衣なんて着てみた


「まいがお友だちと花火?そんなのおめかしして行かなきゃ!」

と母が言うので近くの美容師さんでわざわざヘアメイクまでしてもらって...




ピンポーン♪




撫子ちゃんかな...?



ドアを開けると、綺麗に着付けをした撫子ちゃんがいた


「こんばんは、まいちゃん!」

『こんばんは!』


「せっかく素敵なお着物にヘアメイクだけどスッピンで行くんじゃないかって思って」


メイクなんてしたことない私に気を遣ってわざわざ早く来てくれたなんて...!


撫子ちゃんは女神様か何かだ




「はい、完成!」

どうぞと手鏡を渡される



『すごい...!』


そこには自分とは思えないほどの綺麗なアイメイクや艶やかなリップ


「女の子なんだから可愛い姿で会いたいものよね」


今日会うのは撫子ちゃんだけのはずだけど



メイクも終わり履き慣れない下駄を履いて花火会場へ向かう



「今日のまいちゃんとっても可愛いわ!」

『撫子ちゃんもすごく綺麗だよ』



少し歩いていくと屋台などの夜店がたくさん出ていた



「桜宮さん、香山さんこっちだよ」


え?





どうしてここに幸村くんが...?




「俺たちテニス部も花火大会見にきたんだ」

「英気を養いにな」


あの真田くんでさえも見に来るんだ...


「丸井くんはいないの?」

「ブン太なら仁王と屋台周りに行ったぞ」


何だ、丸井くんいないんだ



「丸井に会いたかったか?」

と問いかけるのは柳くん


『皆さんには会って丸井くんにだけ会えないのはちょっと残念かなとは...』



本当は1番会いたいのに


「丸井ならお前たちが来る数分前に屋台周りに行ったからそう遠くまでは行っていないだろう」

「まいちゃん、丸井くん探しに行く?」


丸井くんに会いたい

せっかく綺麗にしてもらったんだから



『うん』


「私はここに残るわ。何かあったら連絡して!」


え、来てくれないのぉ〜?


「大丈夫よ!まいちゃんなら丸井くんの1人や2人簡単に見つけられるわ!」


私が探す丸井くんはたった1人なんだけどね



撫子ちゃんと他のテニス部のメンバーの皆さんは花火の場所取りをして待っていてくれるそうだ



早く丸井くんと合流しなくちゃ


















「桜宮さんと一緒に行かなくて大丈夫なのかい?」

「あの子ならきっと丸井くんと巡り合えるわ」


だってまいちゃんと丸井くんお互いが大好きな筈なのに踏み出せずにいる


早乙女さんに何度か邪魔されているようだけど幸村くんと仁王くんも彼女の陰謀には気づいているようだし


あとは2人次第なのよ


絶対丸井くんと幸せになってほしい




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