▼ あたしと非番と万事屋と
やっと訪れた非番。何か非番がすごく懐かしいのは気のせいだろうか。
かくいうあたしは非番を利用して銀時のいるかぶき町にある【万事屋銀ちゃん】まで足を運ぶ事にした(万事屋が銀時の家だという情報は町の住民から聞いた)。
『ここ、かな』
地図を頼りに着いた万事屋。何かデカいな。もしかして間違えた?でも看板にちゃんと【万事屋銀ちゃん】って書いてあるし…。
「おや、依頼人かぃ?」
『え?』
キョロキョロとあたりを見回してみるけどそれらしい人影はなくて。だったら声かけられてんのあたしなんじゃねと思い前を向いた。
「依頼人じゃないのかぃ?」
『依頼とかじゃありません。ただ銀時に用があって』
そうかぃ、と年老いたおばあさ…ゲフンゲフン【スナックお登勢】から出てきた人は言う。
「あたしゃお登勢ってんだ。アンタは?」
『日比野風香と申します』
軽く自己紹介をした後、お登勢さんと別れた。
─ピンポーン
『……』
誰も出てこない。
─ピンポーン
『……』
出てこない…が、かすかに人の気配がする。三人か。
『3秒以内に開けないとバズーカでドアぶち壊す。いちー…』
─ドォォン
「「2と3はァァ!?」」
『知らないね。女はねェ、1だけ覚えときゃ生きていけるんだよ』
ドアを開けた銀時とメガネ君につっこまれた。ちなみに台詞は某警察長官のマネしてみた。似てた?
「って風香かよ!?」
『ご名答!!』
「あ、あの時の銀ちゃんの彼女アル!」
君には前に幼馴染みって知ってる?って言った記憶があるんだが気のせいなんだろうか。
「まぁ立ち話もなんだ、とりあえず上がれ」
『ウィー』
返事をして居間へ向かった。
第四訓
あたしと非番と万事屋と(オリジナル)
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