▼ 粘り強さとしつこさは紙一重
朝起きたら近藤さんに呼び出しを食らった。なぜだろう。まさか土方さんのマヨネーズにカスタードを混ぜたのがバレたとか?いやでもそれなら土方さんに呼び出されるはずだし…。
そうこうしてる間に到着。襖を開けると近藤さんが切羽詰まった顔で肩を掴んできた。
「風香ちゃんどうしよう!」
『何が。つーか手離して』
「ああごめん…ってそれどこじゃないんだよ!」
『だから何』
「俺…俺…」
うつむいたと思ったら急に顔を挙げる近藤さん。そして……、
「恋、しちゃったかも」
頬を赤く染め、そう言った。
第二訓
粘り強さとしつこさは紙一重
『は?』
「だーかーらー、恋しちゃったんだってば!」
『……』
言いたい事は山ほどあるけどとりあえず……、
『何でそれをあたしに話すの?』
一番疑問に思ってる事を伝えた。近藤さんが恋しようがしまいがあたしには関係ないと思うんだけど。
「その人とは、あるバーで知り合ったんだ」
この人いきなり話し始めた。
「俺がケツ毛ボーボーで女にモテないと告げると彼女は言ってくれた。男らしくて素敵だと。俺はおた……彼女に問うたんだ、彼氏のケツが毛だるまだったらどうする?って。彼女は、ケツ毛ごと愛すと言ったんだ!」
『えーと…つまりその女性の一言で恋に落ちたっめこと?』
「そう!!そして風香ちゃんに話したのは、意見を聞きたかったからだ」
『当たればいいんじゃないの』
「え?」
『当たって砕けろ。以上』
そう言って部屋を出た。他人の恋愛事に首突っ込んだら面倒に巻き込まれるのは目に見えてるからね。
「え、ちょ…砕けたら意味ないじゃん!」
近藤さんの声を無視して。
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